あらすじ
生物は、なぜ進化するのか? 生命40億年の冒険が始まる!
なぜウマの指は1本になった?
獲得した形質の遺伝は存在する?
「共通祖先」は地球最初の生物ではない?
脳は進化の証拠か?
ヒトは進化に抗うことができるのか?
なぜ生物は変わるのか? 進化は進歩ではない!
『種の起源』・自然淘汰・生物・遺伝子・生命・ヒト――6つのキーワードをもとに、
進化の驚くべきメカニズムと、複雑にも単純にもなりうる生物の多様な姿を解説します。
全生物の「共通祖先」とは? 種の絶滅とは? ヒトは進化途上の生き物なのか?
世界一楽しい進化論講義が始まる!
進化論に関しては、未だに間違った考えがたくさん流布している。「生物は進化することによって進歩していく」、「私たちは進化を目の当たりにすることは不可能である」といった考えだ。これらの誤解について、なるべく簡単に、わかりやすく説明することが目標の一つである。本書にはもう一つ特徴がある。それは、ダーウィンについての態度である。私はダーウィンを歴史上もっとも偉大な生物学者であると考えているけれど、だからといってダーウィンの言ったことがすべて正しいと考えているわけではない。間違いは間違いとして、はっきりと指摘することを心掛けた。<「まえがき」より抜粋>
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Posted by ブクログ
タイトルにシンプルとあるが、込み入った文章。絶滅したリョコウバトは北アメリカでは手軽な美味しい食料であった。19世紀後半になると人間による乱獲と森林伐採で数を減らし、沢山いたはずなのに100年でいなくなった。しかし、アメリカ先住民が築いた古代都市にリョコウバトはあまりいなかった。アメリカ先住民が個体数を食べたり、エサとなる植物を食べて抑えていたからとされる。アメリカ先住民がいなくなってリョコウバトは大発生した。これは日本で言うところの人が住んでいた山から人がいなくなるとイノシシの個体数が増えるのと同じだと思う。地域の支配者が変われば、その地域の生き物の個体数も変化するのだろう。現在多くいる生き物が昔から多くいたといたわけではない。一方で、進化そのものにも注目すべき点があった。オレンジ色が派手なグッピーは、繁殖には有利だが、敵に見つかりやすく生存には不利である。繁殖に有利な特徴が生存には不利になることがあるが、進化の過程では繁殖と生存の両方に有利な条件が重なることもある。生物は進化することによって進歩するわけではなく環境によって変化する。進化論の先入観と古い価値観をなるほどと納得しながら変えてくれた本。ちょっと難しかった。