あらすじ
経営再建中の巨大スーパー・ダイコーの不良債権に関する隠蔽資料の存在が内部告発される。金融庁のターゲットは、4大メガバンクのうち、大型増資に失敗したJFG銀行に絞られた。もはや巨額赤字は避けられない。竹中たちに、未来はあるのか?最強の営業力を誇ったメガバンクはなぜ消滅しなくてはならなかったのか。金融当局の狙いは何だったのか。金融大再編に至る銀行業界をリアルに描いた経済小説の金字塔、ついに完結!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現実のメガバンク誕生や金融庁の検査を背景とした銀行員の物語は非常にリアリティがあって読んでいて非常におもしろいし、主人公の信念ある仕事ぶりはいち会社員としてやっぱり何かしら勇気付けられる側面がある。最終的に会社としてはハッピーエンドでは終わらないところもよりリアリティを感じさせてくれる。全シリーズを通してひとりのバンカーの人生を追体験することができて、非常に満足。
Posted by ブクログ
このシリーズの完結編。こんな終わり方なのかと思いつつ、納得する面と別の終わり方がよかったなどいろいろ考えさせられたが、全体的にはおもしろかったです。
Posted by ブクログ
金融腐食列島もこれにて完結。
杉本には最後、同情してしまいました。パワーが有りすぎると、上から嫌われると言うことか。鈴木相談役やカミソリ佐藤と言った、人間味のある登場人物ばかりで読んでいて楽しかった。金融庁や竹井との貸し倒れ引当金を巡るやりとりなどは、リアルな感じでした。
これで、完結と言うのが勿体ない。
Posted by ブクログ
やっと、下巻まで読み終わりました。
長きにわたって書きつづけられてきたシリーズの完結編。
サラリーマンの身として、登場人物(特に主人公)のそれぞれの場面でそれぞれの立ち居振る舞いは、
自分ならどうするだろう?と考えさせられることが多々ありました。
まあ、この小説に出てくるように、社内の人間に会うのに秘書をとさなくてはいけないような会社にいるわけではないですから(笑)ここまで、シリアスな場面に立ち会うこともないとは思いますが。しかし、どんな会社でも、社内政治は必要だとは思うので、大いに参考にすべきところはあると思います。
正直、主人公の竹中治夫のように実直でありながら、また、何度も左遷されながら、最終的に抜擢され続けるというのは小説ならでは、という気もしますが、でも、こう振舞いたいよね、と思わされるエピソードが多々ありました。
そんなことを考えて読みながら、、普段知ることのできない金融・メガバンクの裏側や、金融行政の実態を垣間見ることもでき、楽しく読みをらせることができました。
それにして、この小説で。竹井平之助として登場する竹中平蔵、ボロクソ書かれています(笑)
まあ、彼に関して書かれていること、今となってはほとんで周知の事実なので、しかたがないとも言えますが。日本行政史上に残るデタラメぶりが明らかにされています。