【感想・ネタバレ】狂骨の夢(3)【電子百鬼夜行】のレビュー

あらすじ

謎の寺院、聖宝院文殊寺に乗り込んだ京極堂。白丘、降旗、そして朱美……照魔鏡をかかげるがごとく記憶の深淵が明らかにされたとき、歴史の底に凝っていた妄執が、数百年の時空を超えて昭和の御代に甦る。いくつもの惨劇を引き起こした邪念は果たして祓い落とせるのか。百鬼夜行シリーズ第3作、ついにクライマックス。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

真言立川流エロス!
こんなこと云っちゃいけないのだろう矢張り。
世界一男女平等な宗教だと云わなければならないのだろう。

話の拡散から、原因の特定、話の収縮。
原因がザッピングしているせいか話は所々飛ぶが、話が収縮する様は引き込まれる。

事件の始まりである髑髏の悪夢
<朱美<殺人する悪夢<蘇る他人の記憶
<降旗<強迫神経症<精神科医
<白丘<汚れた神主・髑髏を抱えた坊主<プロテスタント
+謎の復員服・一条家の夫婦・朱美の昔の奉公先・朱美の死んだ前夫・朱美の現夫・謎の御坊・謎の神主

<<<京極グループ 憑物落としへ

>朱美1>奉公先の秘密>武御名方>髑髏本尊
>朱美2>奉公先の秘密>真言立川流>髑髏本尊
>降旗>悪夢>ユング>淫祠邪教>真言立川流>髑髏本尊
>白丘>魂の復活>汚れた神主>武御名方>髑髏本尊

簡単に書き出してみただけでも、複雑すぎる人間関係。
ひとつひとつ読み解いていく作業が心地よい。

上巻での荒魂の神格化まで絡んでくるとは思わなかったけれど、面白いのひと言だ。

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2014年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「お前なんか大っ嫌いだッ!」
 伊佐間の予想は外れた。
 朱美は伊佐間の方を見て、笑った。
 髑髏は波に攫われて見えなくなってしまった。

関口巽が海鳴りを聞いて不安を掻き立てられる海岸から始まり、伊佐間と朱美が髑髏を見送る海岸で終わる最終巻。ただ働きの文句をいう京極堂がとてもお茶目です。

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2012年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ3作目。
逗子の海岸での出会いが、抒情的。にしてもちろん怪奇。
前作でちょろっと出てきた伊佐間一成が、またとぼけた雰囲気で好ましい。
さらに焦点となる宇多川朱美の、キップのいい口調がさらに好ましい。
そしてキリスト教会の、降旗弘および白丘亮一の屈託。
フロイトへの拘泥は自分にとっても他人事ではなく、息が詰まるようだった。
そのうえ密教やら髑髏やら……むしろある程度知識を得た中年になって読んでよかった。
ボルヘス「円環の廃墟」や、折口信夫「死者の書」の、"受肉叶ったパターン"を知っているからこそ、後半のおぞましさを逆から想像することができた。
京極堂が降旗へ投げた言葉は、今後も思い出していきたい。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。首無し死人が復活するだの、それを三度殺しただの、それをどのように決着するのか楽しみにして読みました。なるほど~と納得させられてしまうのは、京極堂の弁舌にしてやられているのかもしれません。長さも苦にならないほど、どっぷりと楽しませていただきました。

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2018年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

らじの予想どおり、朱美さんはホンモノの朱美さんじゃなかったけど、お隣の奥さんが本物の朱美さんだったのはビックリした。

戦後の混乱期に南朝の血を引く自分が正当な天皇だって言いだした人はいたみたいだけど、そういった立場の人が密教立川流の本尊をつくるべく怪しい儀式を男女で繰り広げていたとか、まぁおどろおどろしくて、でもあり得そうで、なんだか生々しかったよ。

平安時代からこれ、それなりの地位にあるお家の人は恋愛感情ナシで奥さんをもらったり嫁に行ったりが普通だったし、そうなると男女の儀式も「儀式」として受け入れるのに異を唱えない育ち方をした人もそれなりにいるんだろうね。

まぁ、それを現代に持ち込むといろいろあるわけで、でも、一夫一婦制でそれを長く続けるのが良しとする思想は案外近代的なものだし、それこそ神世の時代に近づけば近づくほど、男女の関係はサバっとしていて、いわゆる夜に行われるお祭りなんて男女が睦みあうためのものだったりとか、本来日本人は性におおらかな民族だったとも言われているわけで…。

……脱線しちゃった。
けっこう下巻はドロっとしていて良かったです。
まぁ、心が弱そうに見える人ほど案外簡単に人を殺すし、首も切っちゃうのかねぇ…。

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2018年01月15日

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