あらすじ
《本の語り部》北村薫が、熱烈おすすめの古今東西名作ミステリ案内、当代人気作家の魅惑の読みどころ解説、作家になる以前に書かれた文章表現指南のコラムなども収録。博覧強記の《書物愛》と、謎を発見する《好奇心》満載、人生の時間を深く見つめる《あたたかなまなざし》に包まれて読む喜びを堪能できる読書人必携の一冊。
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Posted by ブクログ
副題に「北村薫のエッセイ」とあるけれど、正確には北村薫さんのミステリ・ガイドと言ってよい内容。
学生時代から始まった氏のミステリ遍歴はよく知られているところだけれど、その膨大な知識がこれだけ多くの作品解説に生かされているとは思わなかった。
まだ作家として登場する前の初期のコラム(なんと埼玉県の教員時代に書かれた「高校生向けの文章表現コラム」だ!)から、たくさんのミステリ作品の解説や全集版の監修解説など、実に多彩な書評エッセイが収録されている。
三部構成の第一部はそういった作品解説などに充てられているが、興味深いのは第二部に「自作の周辺」と題してまとめられている自作の解説だ。
覆面作家として登場した経緯から、その後の苦労までが語りつくされている。第三部はその他のエッセイで「日常の謎 愛しいもの」と題して、これまで未収録のものが集められている。