あらすじ
楽天・三菱商事・NTTドコモ・ソフトバンク・三井住友FG、五大ポイント経済圏の20年の死闘!企業やビジネスの命運握るポイントはどのように生まれ飛躍したのか。関係者への徹底取材を基に経済圏の苛烈な覇権争いを克明に描く
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Posted by ブクログ
ただの経済ルポではなく、楽天ポイントを成功させた笠原氏の孤軍奮闘、サクセスストーリー仕立てに作られているので半沢直樹のようなスカッと感が味わえる非常に面白い一冊でした。
現在のポイント経済圏で覇権を握る楽天が軸になっているので、どうしても楽天=正義、Tポイント=悪と感じてしまう読者がほとんどだと思いますが、作者がそこまで贔屓目に書いているとは思えず、やはり成功する人、成功する組織はそれなりに理由があり、同じく凋落する側にも同じくそうなるだけの理由が存在してるのだと読み取れます。
Tポイント陣営の増田宗昭氏が無能の極みのように読めましたが、実際はどうなのか?さらなる興味が湧いてきます。
あとがきにもあるとおり、ポイント陣営を描いたようで、実はそれを動かす人の話がとても魅力的で、嫌味なくサクッと読めました。
個人的には楽天ではないポイント経済圏にどっぷり浸かっている人間なので、楽天の成長曲線を苦々しく思う部分もありつつ、でもやはり有能な人間の行動には敬意を評さざるをえませんね。
Posted by ブクログ
Tポイントの誕生から20年。今や100兆円規模の市場に膨らんだポイント経済圏の覇権を巡る正面衝突、水面下での入り乱れた合従連衡の展開はまるで天下統一、生き残りを賭けた群雄割拠の戦国時代のロマンを駆り立てる。
著書の魅力を引き立てるのは、マクロな視点での各陣営のせめぎ合いを描いた単なるルポルタージュに収まらない、ポイントビジネスの萌芽とエコシステムへの成熟というダイナミズムの中心にいた人々の情熱と思惑の交錯がリアルに描写されている点。
著書のキーマンと言える笠原氏の奮闘の姿は読み手を熱い気持ちにさせる。
Posted by ブクログ
相当面白かった。感動した。
特に最後「ビジネスを動かすのは、結局人であり、人の感情である」というところに、この本の本質がある。
Tポイントから始まり、現在、楽天・dポイント・Ponta・Paypay・Vポイントの5大陣営の戦い。
特に、2強は楽天とドコモ。ドコモがSBIのネット銀行を買った今、今後の覇権争いやいかに。
笠原という人間の想いで、突き動かされた日本のポイント経済圏。
Posted by ブクログ
Tポイントから始まるポイント戦争の趨勢を見ることができます。
が、Tポイントだけでいいものを、Pontaだの楽天ポイントだのたくさん作られるのはどうかと思う。
元々、数十枚持っているポイントカードを持っている人を見て考えたんでしょう?
それと変わらなくなってきてるじゃないか。
関わっている人全員顧客視点無視ですな。
Posted by ブクログ
再読するほどでもないが、Tポイントを嚆矢とするポイント経済圏の隆盛について多く学べる。現今でも消費者側からはデータとしての価値がどれほどのものか判然としないが、その意義を打ち立てながら各企業に営業をかけた先駆者の努力というものは興味深い。
あとがきにもあるように、表紙にある5大ポイントの歴史と比較という大筋ではあるものの、より個人に焦点を当てた近接的な内容が、この手のビジネス本の中でも伝記的な読み味を確保している。
Posted by ブクログ
単純にPL上で見えてるお金だけではなく、はるか上流のお金と情報の流れをどのように扱うかを考えさせれる本であった。
自分のビジネスにも拘る内容であるため非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
近年は、ポイントを中心とした経済圏が取り巻く中で、Tポイントの一強時代から楽天dポイントの新規台頭の現在までの動向を知ることができ面白かった。
ポイントは新規利用を増やすのみならず、顧客データを提供できるという強みがあることを改めて知った。
また、当初は同業種で1ポイントというポイントの優位性を狙ったtポイントの戦略が評価されていたが、現在ではサービスが多様化する中で、自社ポイント含むマルチ化のニーズが高まり、発行ポイント量が重視される風潮になったのだと感じた。
楽天が伸びたのは、通常の店舗では獲得できないEC市場も参入しているという点で、現代のニーズをいち早くキャッチした結果だと思う。
TポイントはSMBCグループと統合して経済圏の会員数を増やしたが、楽天やdポイントのようなマルチ展開を望めない点で、今後の展望も暗いのではないかという懸念はある。
Posted by ブクログ
Tポイントの生みの親、笠原さんがとにかく凄い。礎を作っただけでなく、その時の経験からさらにブラッシュアップした楽天ポイントで、ポイント経済圏を牛耳った。さらに驚く点として、ポイント提携先とは泥臭い交渉をするのだがトップアプローチが常に取られ、そのアプローチ先の社長や役員とは何らかの関わりを既に持っていた。ツテの多さ、交渉の巧みさ、仕組み作りの緻密さ。こんな人材になるにはどう努力したら良いんだろう。
Posted by ブクログ
すごく面白くて一気に読んだ。どうやって実名あんなに出せたのかものすごく気になるけど読者としてはすごくラッキー。これからのビジネスを考える上でこの経済圏の存在と構造を知っておくのは大事。
Posted by ブクログ
ポイント経済圏の争いについて、よくわかった。
Tポイントが先行しPontaが追従。これらは1業種1社で加盟店を拡大する戦略をとったが、次第に共通ポイントが社会に浸透しマーケティングにも活用され始めると、加盟店の拡大における制約が足かせとなり、後発のdポイントと楽天ポイントの追撃を許し、加盟店の引き剥がしにあい、ついにはdポイントと楽天ポイントが2強と呼ばれる状況になっている。Tポイントは三井住友FG主導のVポイントとなり発行規模の拡大を図り、そしてそこにスマホ決済を軸に加盟店拡大とは異なる独自戦略で経済圏確立を目指すPayPay参入する業界地図となっている。
Tポイントの産みの親で共通ポイントというビジネスの創始者である笠原氏が、CCCで冷遇された後に楽天に移り今度は楽天ポイントの拡大においてTポイントの牙城を切り崩していく展開がドラマチックだったが、自分で作った仕組みの弱点をついていく戦いは複雑な思いもあったんだろうと。。。
加盟店争奪戦の中で、ファミマもローソンもすかいらーくも、経済合理性に反してでも経営トップ同士のつながりを重視する経営判断がこれほどの規模で行われているのだと驚き。
また、共通ポイント事業は、集客だけでなく、データ分析においても他の手法より優れたものであることも強く納得。
星4つ。
Posted by ブクログ
ポイント。個人的には楽天ポイント以外はほとんど縁が無いのだけど読み物としては面白かった。各陣営の思惑というより、Tポイントを始めたCCCの増田社長と実質的な生みの親で後に楽天に移った笠原氏との個人的な戦いを軸に描かれているところが読みやすかった。
ポイントの目的は販促だと思っていたが、そうではなく購買データを集めてマーケティングに活かすところだというのも新鮮だった。確かに、販促だけが目的ならクーポンとか割引で十分だしねぇ
Posted by ブクログ
およそ20年前に共通ポイントとしてのTポイントが誕生してから、現在の5大経済圏となるまでの動き。
その渦中にいた人々が実名で登場し、幻の提携なども描かれており、興味深い。
現在は楽天ポイントがトップシェアを誇っているが、10年後にはどうなっているだろうか。
Posted by ブクログ
楽天ポイント、Ponta、dポイント、Vポイント、PayPayポイントの五大経済圏が確立されつつある。
それを当時の環境と個人の行動や判断が丁寧に書かれており面白い。
何よりTポイントの生みの親が楽天に移りTポイントと争い10年以上の歴史に幕を下ろした。