あらすじ
「そこにどれほどの幸福があったのか、私たち以外、誰にもわからない。」 時代をさかのぼり紐解かれていく桐子と百合子の姉妹の人生。 戦争孤児だった二人は正反対の道を選ぶこととなり、背中合わせに生きてきた。 辿り着いた先に「幸い」があると信じて――。 最注目の若手作家がおくる、温かな涙があふれる、感動の傑作!
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Posted by ブクログ
すごいな。ファンシーな表紙、ミステリアスなあらすじから想像した何倍も重たかった。飛行機の中で暇つぶしに読んでたんだけど、もう中盤から数ページに1回涙が出てしまって全然進められなかったし。笑
運命なんてクソ喰らえ、絶対この生き様を変えて高めて反撃してやる、と思い続けた姉/それもまた運命、巡り巡った気持ちと共に生きていくことを選んだ妹、でもどっちにも変わらず愛があり続けたんだと思うだけで胸がいっぱいになった。その糸がまた人を救って、誰かの運命を変えたり助けたりしたことも含めて、素晴らしい人間賛歌だと思った。
飛行機と電車乗り継いで行った旅先の温泉に入ったあと、涼しい風にあたりながら地元のお店に売っていたいなり寿司を片手にこの本が読めたこと、私の走馬灯に出てきてくれたらいいな。
Posted by ブクログ
桐子と百合子…姉妹の80年を、静かに丁寧に綴った物語
小説とは言え、夫によるDVの描写は読むのが辛かった
その分余計に百合子と洋次の暮らしが愛おしく感じられた
二人共「ハズレ」ではない人生だったと思う
Posted by ブクログ
二人の姉妹の幸せは、たどり着いたそこにはあったのか、それは想像していたものと同じだったのか。
それとも日々の生活の思わぬところで、もうすでに手に入れていたのか。
そしてその事な薄々勘づいていながらも、手に入れた時の景色を見なければ自分に対して収まりがつかなくなっていたのか。
とても深い内容だと思った
Posted by ブクログ
老婆2人が謎の死?!これはミステリー…かと思ったら違った。
壮大な感動ストーリー…かと思ったら、閉じた円環のなかでこじんまりとまとまる、俗な動機で動いていたり。
一気読みしたけれど、設定のせいか、その結末も含めて私的にはしんどかった。
どこかで既視感を覚えると思ったら、恩田さんの「私の家では何も起こらない」だった。
Posted by ブクログ
ある洋館に住む2人の老姉妹と、ある親子の話。
20年毎の過去の話が別の視点から描かれていく。
途中、母親の千恵さんが進路で悩んでいた時に背中を押してくれたのが当時教師だった桐子さんだったり、実は繋がっていたことが分かるシーンが出てきたり、読んでいて楽しかった。
好きでもない、意思疎通が難しいと思われた人と結婚して、望んでいた子供が産めない人生でも、穏やかで幸せな生活だった百合子さんが印象的。
親戚の家を転々としたり肩身の狭い生活や、漸くのんびり暮らせると思ったら、妹が望まない結婚をさせられてしまうなんてことがあったら、二人で夢見た「自分たちの家」に執着してしまう気持ちも分からなくもない。ただその夢のせいですれ違ってしまったという印象も拭えない。