あらすじ
学生時代はボランティアサークルに所属し、国内外で活動しながら、ある出来事で心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。不登校の甥とともに、戦争で片足を失った祖父の秘密や、祖父と繋がるパラ陸上選手を追ううちに、みのりの心は予想外の道へと走りはじめる。あきらめた人生に使命〈タラント〉が宿る、慟哭の長篇小説。
解説・奈倉有里
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
素敵な話だった・・・本当に好き。
何も話さない清美が内に秘めていた思いが
段々と分かってきて、最後は大号泣だった。
みのりと陸と清美と、それぞれの人生で重なる部分が
とてもうまく描かれていた。
みのりのような経験をした訳ではないけど、
共感できる部分があって、みんなそうなんだと 少し安心した。
Posted by ブクログ
表紙のイメージから、陸上部の青春群像かなと思っていたら全然違った。テーマとしては逃げることと向き合うということなのかなと思ったけど、僕は戦争小説、という側面を多く感じた。清美目線の文について、陸が書いていたと分かる部分は熱くなった。評価を4と5で迷った。
Posted by ブクログ
社会問題を自分に引き寄せて考えていたり、支援活動やボランティアに携わる人により親和性が高い物語と感じる。
主人公、学校にあまり行かなくなった甥、何か事情深い言葉少ない祖父 3人が散歩に行く冒頭のシーンがなんとなくいいなと思った。
中盤より、
自分に何ができるのか、善意といわれる活動、使命感とは、はっきりした正義があり活動につきすすめる人物への思い、目を背けたり逃げてもいいこと、タラントって何?
そういう問いが連続してくる。非営利活動をしていると、通る問いばかり。
そんな中で滲み上がってくる祖父清美とバラ選手涼花のストーリー。物語の初めからじわじわと染み込んでいた戦争経験とともに、見えてこなかった祖父の気持ちの一部が弾ける場面、競技用義足をつけて走って空を飛べるんちゃうかといって笑う一節が、とてつもない光であり、好きだ。この見開きページが物語全体を照らすように思う。
Posted by ブクログ
角田光代さんはかなり好きな作家さんで、期待感が強すぎたのかあまり入り込めなかった。
時系列が頻繁に変わるところがついていけなかったのかも。
祖父の回想は陸が書いたんだなと気付いたときはなんだか温かい気持ちになった。
Posted by ブクログ
終始みのりの逆転?復活?に期待してしまったが、そういう話ではなかったかな
全く接点のない世界や考え方だったから、そういうのもあるのか〜と思った。知らない人生を知れるのはいいことですよね