あらすじ
大ヒット『三千円の使いかた』に続く、感動家族小説!
岩井志麻子氏、推薦!
「物に託さなくても、血縁関係はなくても、愛情のバトンは受け取れるし、手渡せる」
野菜、お米、緩衝材代わりの肌着や靴下、ご当地のお菓子など。昭和、平成、令和――時代は変わっても、実家から送られてくる小包の中身は変わらない!?
業者から買った野菜を「実家から」と偽る女性、父が毎年受け取っていた小包の謎、そして母から届いた最後の荷物。家族から届く様々な《想い》を、是非、開封してください。
〈解説〉岩井志麻子
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Posted by ブクログ
三千円の使い方に引き続き、原田さんの本。
地方生まれ、地方育ちなので一度都会で独り暮らしがしたかったアラフォーにとって親があれやこれやと考えて、段ボールに詰めてくれるなんて羨ましい話だし、憧れていました。
都会で働いていたら、田舎の風景や家でのやり取りの香りがしそうな中身はダサく見えちゃうものなんでしょうか。
わたしは終始「いいなぁ、羨ましいなぁ。わたしにも誰か送ってくれないかなぁ」と思いながら読み進めていました。
中身が暴れないために、タオルや靴下、下着が詰め込まれた荷物たち。
特に、病気で亡くなった母が、亡くなる直前に自分のために送ってもらった荷物の話は泣いてしまいました。
Posted by ブクログ
私にとってタイトルには相反してちっともダサくない5話における母の小包ばかりでした。どれも秀逸なエピソードで、田舎から大都会東京の大学に進学したのはいいけれど友達が出来ない美羽。母が作ってくれた故郷のでしか食べられないお菓子で同郷の子達となんとか友達になれそうな予感。専業主婦として幸せな家庭背活を送っていたのに、キャリアウーマン思考の母に悩む莉奈。毒親に育てられ母のぬくもり知らずに育った愛華。彼女はあるネット販売農家の主に母親役を頼むけれど嘘はダメだと断られる。その農家の母と娘の話が続くが、彼女の娘もまた東京で男に裏切られ帰ってくる。毎年北海道羅臼から高級昆布が亡き父宛に送られてくる息子の卓也。彼は贈り主が一体何者なのか父との関係を探る。このエピソードだけが母ではないのですが、心温まる話です。最後のエピソード「最後の小包」はj後半涙なしでは読めません。母の再婚相手を最初は憎み恨む弓香。再婚相手を認め信頼するようになるのは亡き母の愛情たっぷりの小包でした。
どれもみんな子供を心配し遠くから見守る母親の愛情を感じさせる小包。
決してダサいなんて言わせない、たとえババシャツが入っていようとも風邪をひかないように寒くないようにというかけがえのない母の愛情なのだから。
心して有難く受け取って貰いたい。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、母親から送られてくる小包をテーマにした6つのお話。
本当の母親から送られる小包だけでなく、まるで田舎の母親から送られたような小包を送る農家の話や毎年送られてくる昆布の小包などどれもほんわかとするような暖かいお話だった。
個人的には母親から送られてきた小包だと偽る話が印象的だったかなー。本当のことはなしちゃいなよ!と読みながら何度思ったことか。
あとは最後の男性不審な主人公と再婚した母親とそのお相手の話も印象に残ってる。主人公の弓香の気持ちがよくわかってしまう。たぶん、同じ立場だったら私もそう思ったりそういう行動をとってしまうかもと思った。実の父の不倫により両親が離婚し、母親と二人暮らしをしていた弓香。社会人となったある日母から再婚したいと言われる。その相手『まさお』(漢字すら覚えたくないという弓香)にイライラしてしまう弓香。まさおが悪い人なわけでもない。再婚した母親とも疎遠になったある日、母親が亡くなってしまう。そんな母親から届いた最後の小包。母の子を思う気持ちにグッときてしまった。