あらすじ
永井荷風(一八七九―一九五九)は,三十八歳から死の前日まで四十一年間,日記『断腸亭日乗』を書き続けた.文章の奥から,時代が浮かび上がる.全文収録.(四)は,昭和八年から昭和十年まで,「文芸復興」の風潮の中での孤高の歩みを収める.初めて詳細な注解を付した(注解・解説=中島国彦)(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
荷風五十五歳から五十七歳まで、昭和八年から十年までの日記。枯れていない。とことん女好きである。昭和十年十二月廿七日、前月に新聞広告を出して雇ったばかりの三十歳前後の家政婦羽生政江を「下女政江を捕へて倶に入浴す」(p374)。五十七歳の荷風の性欲恐るべし。文壇や出版業界の一部に対して牙をむく姿勢も相変わらずで、昭和十年八月十七日には長年の知り合いであった生田葵山と銀座のきゆうぺるで「激論二三時間に及び余は兎に角葵山氏とは以後友人関係を断つ可きことを声明」(pp320-321)するし、同年十一月十四日には島崎藤村名義で勧誘されたペンクラブへの加入を断ってしまう(p360)。全九巻のうちの折り返し地点である第五巻は二〇二六年前半刊行予定とオビにある。ここまできたら最後まで付き合おうと思う。