あらすじ
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〝美のカリスマ〟岡倉天心が世界にアピールした、日本人の本当の美意識
日本の美の心を茶道の美意識から説き起こして、世界に衝撃を与えた名著の初のビジュアルブック化!「茶の本」は、茶道の作法などを解説した書物ではなく、茶道を禅や道教、華道などとの関わりから広く捉え、日本人の美意識や文化観を欧米人に向かって説いた評論ですが、日本人にも「美の本源」「芸術の本質」「人生の本義」を教えてくれる一書でもあります。大川裕弘氏の美しい写真と共に、その世界観が味わえます。
著者:岡倉覚三 訳:村岡博 写真:大川裕弘
大川裕弘:1944年千葉県松戸市生まれ。1969年写真家高橋克郎氏に師事。1979年大川写真事務所を設立。以降、フリーランスフォトグラファーとして、広告写真および女性誌を中心とした雑誌媒体で活動。
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Posted by ブクログ
「世界に衝撃を与えた名著の初のビジュアルブック化! 」の企画は見事成功していると言える。
美しい写真と共に添えられるのは、本文の要諦とも言える言葉を選んでの抜き出したもの。そのセレクトの是非はあるが、概ね、自分が付箋を付けておきたいと思った文章は抜き出されていると思う。文章と写真との相性は、必ずしも合致したものではないが(そこまで意識はされてない印象)。
読み返すときも、美しい写真とキーセンテンスだけを、のんびり拾い読みできるのも良い。
おそらく30年ぶりに読み返したが、若かった当時、「不完全」を愛でることの真意が腹落ちしていなかったと思うが、齢をとって理解が進んだ、いや、理解ではなく感性、感覚として受け入れられるようなイメージを持った。自分も「不完全」なまま歳を重ねたという諦観がそうさせるのか。
西欧にも、物言っている部分も、今だからこそ、という印象もある。改めて、世界中の人に向けて発信していいと思う。
いずれにせよ、世界に誇る名文だ。
Posted by ブクログ
岡倉天心の名著 茶の本。
言葉遣い、文体含めて染みる本。
メモ
・茶道の要義は不完全なものを崇拝するにある
・真理は反対なものを会得することによってのみ達せられる。
・真の美は只不完全を心の中に完成する人によってのみ見出される。人生と芸術の力強い所はその発達の可能性に存した。茶室に於いては自己に関連して心の中に全効果を完成することが客各自に委されている
・傑作と言うものは我々の心琴に奏でる一種の交響楽である。心は心と語る。無言のものに耳を傾け、見えないものを凝視する