あらすじ
あなたはここから出られるか?
5人の人気作家が仕掛けた、謎だらけの物語から脱け出せ
全編書き下ろしの没入感溢れる小説集!
<収録作>
・阿津川辰海「屋上からの脱出」
閉じ込められた深夜の学校の屋上から抜け出す方法を探せ
・織守きょうや「名とりの森」
入ると自分の名前を奪われる森から、親友を助け出せ
・空木春宵「罪喰(つみばみ)の巫女」
不可解な仕掛けに囲まれた神社の秘密を解き明かせ
・斜線堂有紀「鳥の密室」
魔女として処刑される前に、塔の最上階から逃げ出せ
・井上真偽「サマリア人の血潮」
謎の研究所の出口を目指し、失った記憶を取り戻せ
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
屋上からの脱出
初心者に優しい〜!フックを作りつつも読みやすくて爽やかで、再現性がありそうなトリックがあって、シチュエーションが想像しやすくて、めちゃくちゃ脱出している。優しい。学校に天文台設備があるのいいな〜
名とりの森
所謂八幡の藪知らずってやつだ。好き!ただ、すわホラーか!?と席から立ち上がった瞬間から登場人物全員ド酷い目に合うかもしれないという過度な期待をしてしまったので読み終わった時にかなり反省しました。ホラーというより一夏の不思議な物語って感じだった。
鳥の密室
魔女裁判に関わる話は全部うっすら苦手なのかもしれないという気づきを得た。原液を飲むことによって、今まで触れてきた魔女裁判要素のある作品に対する言い表せない感情が苦手意識からくるそれだと知った、みたいな。でも同時に大好きでもあるんだよな〜〜〜〜!!!!!!!!!快と不快のあわいで高速回転しているような心地です。魔女の実存のさせ方がとても好みです。神父はマリアの目論見通りこの先一生苦しむことになる。塵のような真摯な敬虔さを持っているためにそれに殺される構図、魔女の本懐じゃない?
名前を知らなくても鳥を追うことができること、祈りと救いの形をしている。
罪喰の巫女
社殿の描写が全部好き。ネーミングセンスも含めて。特に重戸留ノ間。まんまなのにかっこよさもあり、絶妙。
根本的に、祀っていると思いきや閉じ込めていましたという類の話が全部好きなのでこのスケールでそれを書いているということに対する感謝の念に堪えない。助かる命がある。
サマリア人の血潮
世に、罪なき者なぞ居りませぬ故 じゃないですか。まさしくもってその話だった。全員自分のために動いていて、それが結果として上手いこと噛み合って地獄に伸びた一筋の糸になる、という希望があって良かった。思考に関わらず善行は善行だからね。
Posted by ブクログ
斜線堂有紀の本を探してたどり着いた。脱出をテーマとした5編のアンソロジー。ミステリー小説集とあるけど、正直全部ミステリーではないと。いや最初の阿津川辰海「屋上からの脱出」はまぁミステリーか。織守きょうや「名とりの森」はファンタジーだし、斜線堂有紀「鳥の密室」は魔女狩りについての話でかなりグロい。空木春宵「罪ばみの巫女」もよく分かんなかったし、井上真偽「サマリア人の血潮」も何か人物像が二転三転してあんま好みじゃなかった。初読みの人が多かったけど、あんまはまんなかったな。名とりの森だけ最後ちょっと泣きそうになったわ。これは良かった。
Posted by ブクログ
【収録作品】
「屋上からの脱出」 阿津川 辰海
「名とりの森」 織守 きょうや
「鳥の密室」 斜線堂 有紀
「罪喰の巫女」 空木 春宵
「サマリア人の血潮」 井上 真偽
「屋上からの脱出」中学の天文部仲間の結婚披露宴。招かれた一ノ瀬は、十年前の合宿のときに、ここにいる6人が屋上に閉じ込められた事件を思い出す。
「名とりの森」小学生のタネチンは友だちのノキに名とりの森に誘われる。そこは立ち入り禁止で、夏至から十日の間に入ると、帰ってこられなくなるという言い伝えのある場所だった。
「鳥の密室」魔女狩りの狂気。監禁されていた「魔女」が塔から消え失せる。
「罪喰の巫女」罪人の罪を喰らうという巫女の噂。ミステリというよりホラー。
「サマリア人の血潮」研究所内での逃走劇。何が起きているのかがなかなかわからない仕掛けになっている。