あらすじ
日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。短期間ながら両軍の参加兵力は200万人を超え、玉音放送後に戦闘が始まる地域もあり、戦後を見据えた戦争だった。これまでソ連の中立条約破棄、非人道的な戦闘など断片的には知られてきたが、本書は新史料を駆使し、米国のソ連への参戦要請から各地での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦という大きなくくりのなかでの、ポツダム宣言後にも続いていた戦争「日ソ戦争」を初めて詳しく知った。
その宣言には米英中の連合国であって、ソ連は含まれておらず、彼らの視点での論理(無条件降伏以外は認めない)によって、満州、朝鮮半島、樺太、千島列島を主とした戦場の話である。
ソ連としては、日本の敗北は見えているなかでの領土占拠戦略が目的であった。
表向きは、米ソ共有目的(日本の降伏)であったが、降伏後は両国の領土に対する思惑がぶつかった。
結果的に米国(日本からの連合国統率の呼びかけ)によって、北海道までは守られ、千島列島はソ連に譲ることとなった。ただしこの際の取り決めで、千島列島がどこからどこまでが明瞭ではなく、いまでも日ロの政治課題として残っているのだという。
またソ連による満州侵入のプロセスにおいて、市民に対して行われてた事実や、現地中国人や朝鮮人からの日本人に対する反発なども起こっていたことを知る。また当時のソ連は物資不足などの観点から、捕虜だけではなく、物資までも奪われていた現実や、日本側の当時の回顧録なども奪われてしまっており、そのような実態は表には久しく出ないであろうことも知る。そういった観点からも含め、あまり公共では知られる機会はなかったのか、とも想像してしまう。