【感想・ネタバレ】夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くすのレビュー

あらすじ

累計43万部突破!ベストセラー『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』に続く、高校生への脳講義シリーズの最新刊がついに刊行。

なぜ僕らは脳を持ち、何のために生きているのか。
脳科学が最後に辿り着く予想外の結論、そしてタイトルに込められた「本当の意味」とは――。


なぜ脳は存在するのか、僕らはなぜこんなに大きな脳を持ってしまったのか、時間はなぜ存在するのか、この世界は現実なのか、人工知能にとって人間とはなにか、私とはなにか――
数々の問いを巡らせていくと、全てがつながり、思いもよらない答えを導く。
人気脳研究学者である著者が、3日間にわたっておこなった圧倒的迫力の講義録。

「というわけで、「ああ、そうか、ならば生きなくては」と僕は感じる。能天気なヤツかもしれない。
君らはどうかな。そうは感じないかな。
僕はね、どうせ生きるんだったら、せっかくなら楽しく生きようよ、と思わずにはいられない。だって、生きているだけで役に立っているんだよ。そんなシンプルな喜びって、他に何があるんだろう。
そうした生命の本質的な原理を、脳の研究をしながら、強く感じる」(本書より)

「いま一番思い入れがあって、一番好きな本」と自らが語る、渾身の一冊。
本書でシリーズ完結となる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

池谷先生の「脳講義シリーズ」の第3作目にして最終作。
1,2作目はちゃんと読んでたんだけど、あんまり連作というイメージが無かったな…。

全600ページ超とだいぶボリュームがあるんだけど、対話形式だからか意外とスルスル読めたり。池谷先生の平易な語りが良く作用していたなー。

脳科学に興味がある人間ならだれでも知っていることだけど、私たちは外の世界をそのまま正確に知覚しているわけではない。私たちに知覚できるのは私たちの感覚受容器の範囲のものであり、私たちに認識できるのは脳がそれを再構成した仮の世界でしかない。
そうした脳の働きを紐解きながら、その拡張性をAIという形で叶えられるかもしれない、というのが本作の基礎構成かな。

脳科学の本は結構読んできたけど、宮沢賢治の『春と修羅』を引用したのが今回が初かも。そうそう、「私」とは何かと問われると、結局宮沢賢治が語ったように「現象」としか答えられなくなるんだよ。
渦という現象を科学的に記述しようが、それは説明したことにはならない。なぜなら渦から要素を抜き出して、それを数学的に配置しただけだからだ。(私とは何か、に対して「タンパク質の塊」と答えるようなものだ。間違ってはいないが本質ではない)

あと初めて知ったのは、脳は強いシナプスと弱いシナプスがあって、その二つがあるからこそ決まりきったルートを通るわけではない…という点かな。
強いシナプスだけなら反射する機械になるし、弱いシナプスだけならそもそも反応しない。この2つがあって初めて、(おそらく自由意志と呼ばれるような)生物の自由さが生まれるのだろうなぁ。

というか、合の手をキチンと入れている高校生の頭の良さスゲーな。
自分が高校生の時、たぶんここまでしっかり理解できてなかったと思う…。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

精神論の話かと思いきや、自分の苦手分野がたっぷり詰まった内容だった。
そりゃ、この分厚さで精神論語られたら読むの疲れるな。
苦手だけど、とても知的好奇心が満たされるワクワク感じる秘密がたくさん。とても面白かった。
また今度読むときがくるだろう。

ピピピ信号で作り上げられてる世界なら、何か嫌なことがあっても、「ピピピ」の変換と思うと痛みも軽くなるかも。
運命の人に会ったとき電気が流れるって、一昔前そんな言葉を聞いたけど、これって案外科学に基づいてる?って思ったり。
高校生があんなに素晴らしい感想を言ってるのに、チープな感想だけれども
見取り図がハートってとこも⭐︎

脳に遊ばれて楽しく生きたい。

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

池谷氏の脳に関する本の最新刊。
昔同氏の本を読んで大きな衝撃と感銘を受けた印象が残っている。
最新の知見を踏まえてどんな話が盛り込まれてるのか期待して手に取った一冊

メモ
•夢は見る というが、視覚時に反応する脳の部位、電気信号と付け合わせれば、夢で何をみてるか大まかにあてることができる。寝てる時、その日にあったことを脳は復習している
•脳AI融合プロジェクト 脳に人工知能チップを埋め込んだら、、
•相対音感によって認識の受容性を高めている
•自分の脳活動がみえてきれば、制御することはそれほど難しいことではない
•脳が他人の脳とつながるとどうなるか。

p111から

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

脳の活動は究極のところ脳細胞のなかでおきる電気反応だという話は知っていても、そこで「理解したつもり」になっていた自分が恥ずかしくなった。

本書は最新の脳科学や人工知能(機械学習)を平易に解説しながら、哲学的なところにまで切り込んでいく良書。

ヒトの脳は、五感というセンサーで読み取った情報を電気反応に変える。そしてその反応が繰り返し起きることで記憶し、判断とその結果を繰り返し経験することを通じて思考回路が生まれる。それが心だったり人格というもの。脳の中で電気反応が起きているだけに過ぎない。だとすると、心や人格とは何なのか。まったく同じ経路でできた人口知能に生まれる心や人格のようなものとは何が違うのか・・・。

わかったつもりのようになって、またわからなくなって、もう一度よんで、と何度も読んでしまう本。

夢を叶えるために脳はある、というタイトルも興味深い。夢は脳が作り出したもの。脳は現実を変えていくために、叶えたい未来を夢としてつくりあげているということなのか。あれ、ところで現実って脳の中で起きているただの電気反応じゃなかったっけ?あれ、いまこれを考えている自分ってなんだっけ?と、どこまでたどりつかない道にはまりこんでしまう。

またしばらくしたら読んでみたい。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

脳科学者の著者が高校生に行った講義録を編集して書かれた本。
とにかく分厚くて読み通すのに時間がかかったけど、途中で関連する別の項目がある場合は参照先が示されているなど、造りが親切。

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

星を5つ付けられなかったのは、私の脳みそが追い付かなかったからである。
興味深い内容であるのは分かるが、半分くらいしか理解できなかった。
サブタイトルに「高校生と」脳を語り尽くす、とあったから高校生でも理解できる内容かと思って読み始めたが、高校生と言っても普通の高校生ではなかった...笑

人工知能について、人間と人工知能の違いは「思い込み」であり、人間は思い込みをするからこそ大雑把な印象で一足に結論に飛んでしまう。反対に、人工知能には思い込みはない。であるからビッグデーターが必要だという。そして、人工知能に思い込みをするように仕掛けると、人間と同じようにビッグデーターは不要になるそうだ。とても不思議である。
それから、夢か現かという話も面白かった。
今、自分が夢を見ていないとどうして言えるのか。
確かに言われてみれば、現実だと証明するのは難しい。
他にも私たちは未来人に実験されているなんていう仮定の話も面白かった。まるで星新一の世界のようだ。

本書には、前作があるようなので、機会と気合があったら読んでみたいと思う。

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2025年03月19日

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