あらすじ
宝島社『このマンガがすごい!2025』オンナ編 第3位
文藝春秋『CREA夜ふかしマンガ大賞2024』第4位
性自認の揺らぎを感じつつも、”女”として結婚を控える〈けいと〉(20代後半・会社員)
夫婦仲は冷え切っているも、“妻”として役割を演じてきた〈あや〉(50歳・既婚)
生まれたときに決められていた性別、
いつからか演じるように務めてきた”妻”という役割…
「でも 違う選択肢もあったのかな?」
“普通は”という型に当てはめられたり扱われることに”違和感”を抱き、
本当の”自分”を取り戻そうとする、”クィア”なふたりの物語。
「もしもあの頃に戻れたら 結婚なんか絶対しない」
「ボールアンドチェイン」、つまり「鉄球と鎖」とは、囚人や奴隷が足に付けていた拘束具のこと。そこから派生して「束縛」の意を表し、男性が自分の妻を指して言うこともあったらしい。
たしかに、この作品に登場する主人公2人は、見えない「鉄球と鎖」に縛られているようだった。特に驚いたのは、自分らしい生き方を貫いているように見えるけいとでさえ、悩み苦しむ日々を送っていたことだ。しかし、それも考えてみれば当たり前だろう。女性性から逸脱しようとしたって、「女性らしくしろ」という声が消えるわけではない。むしろ、気にしていないふりをすればするほど、その声は強くなったりする。一見自分のことを理解しているふうの彼からの言葉は、より一層けいとに刺さっただろうと、自分ごとのように胸が締め付けられた。
「普通」ってなんだろう。そう問いかける作品は近年よく目にするようになったが、本作はその中でも群を抜いてリアルで苦しい。そして、「普通」なんてわからないけれど、同じような人がいるとうれしい。そんな2人に出会えて少し勇気をもらえた、そんな素敵なマンガだった。
感情タグBEST3
渾身の作品
あやさんはある意味、普通の専業主婦っぽいですがもう夫との生活には限界も感じているようです。夜行バスで島根の実家には2ヶ月に1回くらい戻り、実父の面倒もみたりしているようですが、1人息子も高校生ではあまり手もかからないでしょう。
一方、婚約者の両親から式は挙げた方が良いと言われているけいとさんは中性的な外見もあってか、勤務先でもやっかむ男性社員が絡んできたりもしているようです。
婚約した彼氏はEDのようですが、それなりに良好だったはずの関係も少し変わりつつあります。
老朽化した親の世代では、ジェンダーの緒問題など、理解する能力、なさそうです。
あやさんは離婚相談のカウンセリングを受けたりで、同じような境遇の女性陣と出会って色々と感じるものが出て来そうです。
作者の手書きあとがきも非常に率直で、描きにくさも抱えていたところにこれを描ける喜びも感じているようでした。良作です。
話の展開も面白いし、テーマが深い。何が起こるというわけではないのですが、主人公のケイタが、人との関わり合いの中で内心色々と波乱を感じているのが読んでいて痛いくらい伝わる作品でした。もう一人の主人公なのか、あやさんの方も、これからどうやってケイタ側のエピソードと絡んでくるのか気になります。
Posted by ブクログ
ジェンダーアイデンティティやセクシャリティって実は曖昧で、ずっと腑に落ちないままなことも結構あるのかも。
結婚に躊躇するけいとは押しつけられる好意という名の束縛から早く解放されてほしいし、
離婚を決めたあやには全てが我慢だったと思わずに、でも昔のようにのびのびと暮らしてほしい。
特に50歳のあやの時代は余計に結婚以外の選択肢を選びづらかっただろうな。
昔のあやを知ってくれているみどりさんがいて、ゆみこさんという戦友もできて(女同士の旅行がすごく楽なことに気付くのもいい場面)、これからどんなあやになっていくのかとても楽しみ。
けいととあやのお話もこれからどう交わっていくのかな。
めんどくさ
うーん、これは面倒くさいかも。
けいとの年齢って何歳なんだろう。
性自認に揺らいでるのに結婚はするの?
妻と呼ばれることには抵抗ないの?
なんかよくわからない。