あらすじ
十五世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子は爆発による襲撃に襲われる。さらに北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、幾度と襲い掛かってくる刺客から逃れつつ、南京から北京へ向かう幾千里にもわたる決死行が始まる――!
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Posted by ブクログ
オールドチャイニーズムービーの興奮が味わえるエンタメ歴史もの。
太子を罵りまくるウケンに爆笑!
水に落ちまくる、矢が刺さったまま移動させられる、頭剃られる、足蹴にされる等々、こんなに誰よりも災難に遭う皇太子は初めて。
コオロギ狂いの太子の活躍の場があるとは…
というか、そんな賭け事があったとは…
ヒーローのゴテイエンの冴えないこと!
のっけから死体の横でリバースし、お父さんから小遣いをせびり、酒が過ぎて息切れし、発作を起こし…
ヒロインのソケイケイも登場後すぐ叩きのめされ、酷薄で復讐の鬼…
キャラ立ちまくりの面々が、ぶつかりあって成長して行くロードムービーでもあって、とってもエキサイティング!
そうでしたか『沈黙都市』の方でしたか。印象的だったけど、作風が全然違うような。
田中芳樹さんの『銀英伝』がお好きとな?!
親近感がぐっと増したので他の作品も覗いてみようかな。
エンタメの中に一片の真実がある。
歴史を紐解き、人類の愚行を戒め、記し遺してきたはずなのに、同じ事が繰り返される。なんでやねん人類。
理性は長期的な本能の異名だと思うので、皇太子には頑張って市井の諸々を学び、良い国を作っていただきたいですな。
2巻へ続く。
Posted by ブクログ
・あらすじ
1425年の明時代の中国が舞台。
明の皇太子である朱瞻基は遷都を成功させるために長江を南下し南京を目指していた。
いざ南京へ到着後に太子の乗船した宝船が爆破される。
金陵で捕吏をしている呉定縁は宝船爆破後、船から怪しい人物を救い出す。
そして太子暗殺の陰謀に巻き込まれていく。
・感想
面白いー!!兎に角キャラクターが魅力的すぎる。
展開も次から次に苦難が押し寄せ、それを4人が力を合わせて乗り越えるまさに冒険小説!!
特に呉定縁が好き。
ああいう昼行灯の放蕩息子とみせかけて実力者ってのはさ…単純にかっこいいわw
しかもトラウマ持ちとか属性もり過ぎてない?大丈夫??
あとやっぱり呉定縁の正体って……。
最初は単なる玉座争いの叛乱かと思ってたけど、それぞれが各々の利益のためにこの計画に連座して、そしてその主張を聞くと決して単なる悪だとは思えない。人間だなぁと感じた。
己の利を求めるのは人間の欲として当然だし、万人に平等に均等に公平な世界なんてあるはずもないし。
「畢竟、王なんてものは民を搾取し殺すものだ」という延王のセリフを想起させる。
でもそれだけじゃだめなんだと、人間として無慈悲な天の摂理にどう抗っていくべきなのか。
マクロ視点から見ざるを得ない立場とミクロ視点で関わってきた市井の人々の置かれている状況。
矛盾というかこのどうしようもない齟齬に朱瞻基はどう自分の中で結論付けるのかな。
勧善懲悪ものではなさそうだけどラストはどうなるんだろうか…。
とりあえず呉定縁が梁興甫に痛めつけられそうになる場面での相手方の主張にめっちゃドン引きました。
あと梁興甫のヴィジュアルイメージはドウェイン・ジョンソンで読んでる。
早く次買って読む!!
Posted by ブクログ
明の皇太子・朱瞻基は南京で自身の乗っていた宝船が爆発する。一方首都・北京では皇帝・洪熙帝が危機に瀕していた。何者かの陰謀を防ぐため南京を脱出し北京まで15日間で帰還しなければならない、というストーリー。
呉定縁・于謙・蘇荊渓らの仲間と協力しながらなんとか南京を脱出するところや、白蓮教の凶徒・梁興甫との死闘も目が離せなく、とにかく展開が面白い。
Posted by ブクログ
おすすめされていた本なので。とにかくボリュームが凄い!中国独自のことわざとか用語とかが飛び交っていて、慣れるのに時間が結構かかってしまう。でも慣れた頃にはとんでもない事件の連続でハラハラドキドキさせられた。爆破が多い!水に関する事件が多い!とにかく女医さんが冷静でかっこいい!男顔負けの大活躍で良かった。ただ本当に長すぎるのがつらい。
Posted by ブクログ
Twitterで、これは面白い!という感想がたくさんあったので、読んでみた。
中国史については、横山光輝の三國志や、史記、項羽と劉邦を読み込んでたので、なんとなくわかったが、明の時代について、世界史で覚えたくらいなので、さっぱり。
読んだら、詩人や政治家の引用ばかりで驚いた。知ってるのと知らないの半々くらい。でもまあなんとか、こんなことを言いたいのだなとわかるくらいの説明や注釈があるので読めた。
訳者あとがきでも、そこらへん、読者にどう配慮するか苦慮してたらしいので、良い塩梅じゃないかな、と思う。でもマジで建物や地理や服装、食べ物など知識ゼロだったら、読み辛いだろうなと感じた。資料集的な挿し絵があったら良かったのにね。登場人物一覧は助かる。ついでに地図もあったら良かったのに。予算カツカツで載せたくても掲載出来ないのかもしれないが。
内容としては、事件続きで飽きない作り。ほんとすごい。一難去ってまた一難で、ほっと息ついたら、仲間との絆深める静的ターン、それ以外は苦難をどう切り抜けるかの動的ターンで、巧み。
しかしながら、自分的にはそこまでめちゃ面白い!となるほどじゃない。まあ、面白いよ、って感じ。基礎的教養が無かったら楽しめない。映像なら、そんなもん無くても絵でわかって楽しめるだろうけど、小説だとなかなか想像し辛い。
明の皇太子がいろいろ苦労して成長する兆しがあり、そこも楽しみ。