【感想・ネタバレ】滅びの前のシャングリラのレビュー

あらすじ

「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」

「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。

〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう

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Posted by ブクログ

ネタバレ

汝、星の如く、星を編む、流浪の月に続き、同著者のこちらを手に取りました。
とても良かった。1-3章までは視点は変わりつつも一続きの話。お母さん視点で語られる章が1番好みだった。4章はさらにまた別の視点から。
それまでどこか自分を偽ってきた人生を歩んできたそれぞれの登場人物が、地球が滅ぶという間際になり、不幸なはずの世界でシャングリラ=理想の場所を見出す話。
人の心の動きとか矛盾した感情とかままならない思いとかを描いている作品が好きなのでおもしろかった。
暴力描写あり。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絶望していた人々の、明日死んでもいいと言う気持ちがどこかである人々の前に、1ヶ月後隕石が落ちて明確に世界が滅びます、というニュースが入ってきた。
その状況で各々が、後1ヶ月どう生きるか、家族とはどういうものか、最後をどう過ごすか、各々の視点で描かれる1ヶ月。
絶望が前提であるものの、滅びるからこそ変われる、そんな希望が見える小説。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1カ月後に世界が滅びる。
嘘のようなホントのことが登場人物たちに迫ってます。

ひとは死ぬことを悟ったとき、本当の自分と向き合うようになるのかな。と。1カ月後にみんな死ぬので正直、自殺しても何してもそんなに変わりはしないはずなのに、好きな人を守りたい・好きな人の横にいたい・子どもを守りたい・自分らしさを取り戻したい等、心の底から欲していたものに気がつくのかな。

なんとなく、余命宣告が全人類に言われているようなもので、自分も世界は滅びないまでも似たような感情は抱くんなろうな、その時自分は何を欲しているのか、考えされられました。そして、その時のために今ある大切なものを壊さないように、大切と思える小ことが増えてますように、今を懸命に生きるだけですね。

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・この小説を読み終わってから「シャングリラ」の言葉の意味を調べた。理想郷・ユートピア。全くあらすじとかも読まずに読み始めたため、何が滅びる前の話なのかと思いながら読んだ。”隕石が地球に衝突する前の”シャングリラなのだろうけど、現実的に考えると”世の中の秩序・良心が崩れ落ちる”前のシャングリラなのだと思った。衝突する瞬間が訪れる前に、人間の欲望が溢れかえった、混沌とした世の中になっていた。
・何かしら大小関わらず憂い・絶望・不信感・軽蔑、負の感情を持って生きているけれど、生の終わりが見えると自分の底に潜んでいる真の欲望に従順になれたりするんだろうか。生理的欲求が満たされていればの話だが。
・私も何かが「終わる」区切りのとき、ようやくそれまで自分が出来ていなかったこと・やっていなかったことに対して焦りがあったり、もう一度やり直したりしようとすることがある。その”終わり”の時が近づいてきて、ようやく取り掛かろうと足掻く。その足掻きが大事な時もあるかもしれないけど、出来れば「足掻きたくなる」ことが少ないように、毎日の一日一日を大切に過ごして生きたい。
・生きている人は皆、いずれ死がやってくる。そして、歳をとるにつれ人はやらなかったことの後悔をする。既に色んな人生の局面で自分が選択してきたことの後悔をすることもあるけれど、未来しか進めないから1分1秒でも前向きに生きたいところ。人生は目の前の1秒、1分、1日が積み重なって、『人生』なんだよな。

・静香『正しく平和な世界で1番欲し、一番憎んでいたものが、すべてが狂った世界の中でようやく混ざりあってひとつになった。神さまが創った世界では叶わなかった夢が、神さまが壊そうとしている世界で叶ってしまった。』
・路子『世界は支配する側とされる側、操る側と踊る側で成り立ってる』
→最近推し活で凄く考えていたこと。イズミが言っていて、やっぱり芸能界ではこの現象が特に顕著なのだろうな。エンタメはあくまでエンタメとして毎日の”非日常”として摂取していくほうが、精神衛生上いいんだろうな。
・友樹が井上に殺されそうになったとき、助けてくれたヤクザが母の元恋人で、しかも友樹の実の父だということに驚いた。波光教の奴らと信士が闘ってる時、母は友樹にどんな風に囁いて「お父さん、頑張れー!」と応援させたのかな、切羽詰まった状況だと、戸惑う感情も無くなるのかな
・路子、良かったね、本当の愛に気づくことができて。家族に、大切な旧友と囲まれて最期を迎えられて。
・毒親っているけれど、それを自分の代で終わらせようとした母の静香、覚悟を持って子育てを決意をしていて、少しだけ私の両親の姿を重ね、心があつくなった。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シャングリラって、ユートピアのことなんだって。


小惑星衝突はやっぱり避けられました、みたいなオチになると思ったけど
ちゃんと滅びるみたい。

確実に自分の人生が終わるその日に向かって
どう生きるか、というのが書かれていておもしろかったです。

腐敗していく社会や人もいるんだけど、
目力、ZUKA、江那くん、藤森さん、LOCOはシャングリラの中で過ごせたのかな。

LOCOが恋人を殺しちゃうのは寂しかったけど。


1つ1つのエピソードはもちろんおもしろいんだけど、
それらがつながって1つのエピソードになった時に、おもしろさが倍増した。

滅亡という最悪のことなのに、全員が自分を取り戻し、生きる意味を見つけ、大切な人や毎日を大切にしようとしているのがハッピーエンドにすら感じる。

ラストの掌編小説のイスパハンを読んで、
藤森さんが願った通り、滅びた後のあっち側の世界で、しあわせで満ちたりて穏やかな世界であってほしいと願った。




凪良ゆう大先生の本にはずれなし!!!

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前、『汝、星のごとく』を読み、凪良ゆうさんが紡ぎ出す美しく繊細な文章に内包された重みのあるストーリーに引き込まれて、他の作品も読んでみたいと思うようになった。
今作は、花や葉に目隠しをされた赤子の表紙がキャッチーであり、意味深だったため、手に取ることを決めた。
世界が消滅するまでの時間に対するあらゆる登場人物の視点を描いていた。
各登場人物は、側から見て不幸だと思われる人もいれば、本人にしかわからない苦しみを抱えている人もいたが、全員に共通しているのは、残された時間を最も幸せな形で生き切ろうとする姿だった。
表紙の赤子には、これまでの人生で感じてきた引け目や苦しみ、葛藤などの負の感情を一掃して、周囲を気にせず心の芯の部分にある己の幸福を模索することが、産まれた状態に戻るという意味があるのかな、と思った。
今作はファンタジー色が強く、個人的には『汝、星のごとく』の方が好みではあったが、今まで読んだことがなかった新たなジャンルの物語に触れられ、良い読書体験になった。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地球が滅亡する一ヶ月間を描いた話。
静かに終わりを迎える話かと思いきや、無秩序になって崩壊していく日本の話だった。その時点で最初に抱いた印象と違う(笑)
凪良ゆうといえば、神さまのビオトープとか流浪の月みたいに、みんなに寄り添う話を書くと思っていたので。
一話目のいじめられっこの話は「ん~」と思ってたけど、二話目の荒くれ者の話読んで「なるほど、こう繋がるか」と納得。そこから何週間か放置して、次に静香の話が来て一気読み。好きなの、強い女。
最後の路子ちゃんの話も面白かった。芸能界の汚いところが見えて。
やはり私は凪良ゆうの心理描写と比喩表現がとても好き。堪能させていただきました。

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2025年11月12日

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