あらすじ
じんわり泣ける、優しいアート小説!
アートの旅に特化した旅行会社・梅村トラベル。
敏腕社員の桐子と新人の優彩の元に、奇妙な依頼が届く。
依頼人の柳橋は、モネの名画《睡蓮》を巡る旅を組んでほしいと言う。
しかも旅をするのは柳橋本人ではなく、彼が指名した4人の代理人で……。
旅に隠された真の目的とは?
東京藝大出身の著者が贈る、感涙必至のシリーズ。
【目次】
第一章 国立西洋美術館、東京「過去と今をつなぐ睡蓮」
第二章 ポーラ美術館、箱根「夢をあたえる睡蓮」
第三章 大原美術館、倉敷「友情をとりもどす睡蓮」
第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館、京都「愛する人の睡蓮」
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Posted by ブクログ
登場人物が全員優しくて温かい世界で素敵な話だった。最後にはみんなで素敵な庭を完成させたところがうるっときた。
美術館や絵画っていいなと思った。
Posted by ブクログ
「ユリイカの宝箱」の続編とは知らずに読んだ。
モネの「睡蓮」が見れる美術館が何館もあることを知らなかった。
美術館に行きたくなる小説。
Posted by ブクログ
アート×旅小説第2弾。前作と比べて「余命宣告された病人が恩人たちに旅をプレゼントしつつ、思い出の睡蓮を探す」という設定に無理を感じるものの、それぞれのお話は良かった。
モネの睡蓮は日本中にあるけれど、美術館ごとに見え方が違うのが面白い。「睡蓮は鏡で、見る人の心を雑念なくうつしてくれるから、多くの人の心を打つ」という考え方になるほどと。時間や天気を想像してみるというのは面白い見方だなと思った。
・ロダンの「考える人」は「地獄の門」の一部。本当は「詩人」という題名。ロダンは写実的な肖像彫刻が主流だった時代に、自分の心を人体像として表現したことで、近代彫刻の父と言われる。
・ポーラ美術館は原生林と調和し、共生するというテーマで設計。建物の大半はおわん型の濠に収められている。
・草間彌生の実家は植物の種や苗を扱っていた。
・大原美術館の睡蓮はジヴェルニーから株分けされたもの。
・オランジュリー美術館は東西二つに分かれている。朝晩の動きを展示室に重ね合わせていて、東で1日が始まり、西で終わる
・ボタニカルアートは、学術的に誤りなく、植物の種名を特定できるほど正確に描写されていることが大切。
Posted by ブクログ
「人には変わるチャンスっていうのが、必ず訪れるんですよ」
「好きなものがある人生は、それだけで幸せだよ」
迷っている自分の背中をそっと押してくれる言葉だと思いました。
真っすぐ水連の絵に向かうのではなく、それまでに展示されている作品の解説もされていて、まるで自分が美術館にいるようでした。
最後に各章の旅人がひとつのことに集結するのが、そうかそうなるのかと晴れ晴れした気持ちになりました。