あらすじ
敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて,日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版.旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は,著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ,敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす.ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生.
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Posted by ブクログ
天皇は何故戦争責任を問われなかったのか。
それは元々占領軍が事前に決定していたことだった。
彼らはもし天皇の戦争責任を追及したり死刑にしてしまったりすれば
日本人は大混乱を起こし、破滅的行動に出るだろうと考えた。
しかし実際は大多数の国民にはそんなことに関心はなく
占領軍の懸念は杞憂だったことが分かる。
他、天皇の人間宣言に関しての逸話、新しい憲法が出来るまで
占領軍による厳しい検閲、東京裁判の実態などの話が進む。
戦後から60年以上が経過したが、我々は本当の意味での
「独立」を果たしたのだろうか。確かに経済発展はした。
物質的な豊かさに関しては世界有数であることは間違いない。
しかしその豊かさに甘え改革を拒否して過剰な保護主義に走る
政治家たちを見ているとその豊かさも長くは続かないのでは
ないかと思えてくる。
この閉塞感を打破するためには本書の描く時代が
そうであったように、もはや外圧しかないのではないだろうか。