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敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて,日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版.旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は,著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ,敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす.ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生.
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Posted by ブクログ
副題が「第二次大戦後の日本人」。 第二次大戦の敗戦後、アメリカを主体とする連合国の占領軍が日本に上陸した。1945年8月の終戦からさほどの日数は経っていない。本書は、占領下の日本および日本人のふるまいの記録である。 筆者のジョン・ダワーは本書発行当時、MITの教授。歴史学者と思うが、学者の著書らしく...続きを読む事実関係を丹念に整理し記録している。1945年からの数年間のことが主題ではあるが、発行は2001年と比較的新しい(それでも20年が経過しているが)。 本書の説明にも書かれているし、本文中の筆者の筆の運び方もそうだが、この時期の日本・日本人について、筆者は、「勝者による上からの革命に、敗北を抱きしめながら民衆が力強く呼応した奇蹟的な敗北の物語」としてとらえている。 同時代に生きていたわけではないので、時代の感覚までは分からないのであるが、本書を読む限り、日本人一般は終戦からマッカーサー占領軍の占領を、ある程度抵抗感なく、受け入れていたように思える。それは表面上はともかく、戦争および戦争を戦うための日本軍の生活全般におけるしめつけや経済的窮乏、さらには、度重なる市街地の爆撃による設備的・人的な被害に対して、当時の日本人は実際には飽き飽きしていたのではないかと思うからである。 そういった気分の中での米軍による占領を、様々な側面から描写・記録しており、とても興味深い。下巻を引き続き読む予定。
まだ下巻は読み終わっていないのだけれど、素晴らしい本です。★5つじゃ足りないかも。 多くの未知の歴史的事実にすっかり心奪われている。 ノンフィクションならではの驚きと、知性と理性の塊のような著者のフィルターによる新しい視点とをむさぼるように堪能し、何度も行きつ戻りつしているので、いまだ下巻の途中。...続きを読むいったいいつから読んでいるんだという感じですが・・・ 上巻は、「増補版の序文」から始まり、「日本の読者へ」と続き、謝辞と目次を挟んで、さらに本来の「序」があるという構成で、本文が始まるまでに前書きのようなものがいくつもあって、ちょっと驚くのだけど、実のところ、この一連の序文が特に素晴らしかった。 著者は、この前書きのパートで、いくつかこの本の命題ともいうべき疑問を投げかけている。 『あれだけの悲惨と混乱の最中にありながら、なぜ、日本は無秩序と無縁であったのか? あれだけの激しい戦闘のあとに、なぜ、占領者に対する暴力がまったく発生しなかったのか? どのような事情によって、日本人はあの苦難を乗り越え、多様な創造性を発揮して「やり直す」ことができたのか? 戦後日本では、いったいどんな心理的、制度的、法的な変革、それも重要かつ永続的な変革が起こったのか?』 これらは、私にとっては、もちろんおなじみの疑問でもある。これを、「だから日本人は素晴らしい国民、世界でも類を見ない勤勉な国民」などという文脈で続ける人が多くて、その偏狭で視野が狭いナショナリズムにイラっとさせられることも多々ある。 でも、著者はこうした質問に、さらにこう続ける。 『戦後初期の「アメリカ」は、イラク占領に苦しみながら、グローバルな「自由市場」の帝国を築こうとしている今のアメリカと、どこがどう違っているのか?』 私はこの部分でかなりびっくりした。 今のイラクの状況と、戦後の日本を結び付けて考えたことなどなかったから。 日本はイラクとは、国民性も気候も文化も歴史も全然違うし時代も違うから、と言えばそうなのかもしれないけれども、考えてみれば、共通点はある。(今までまったくそんな風に考えたことがなかったので、私はここで初めて共通点に思い至る) 当時の日本は "神"(=天皇)の名の下にジハードを戦い、投降するよりは死を選び、自爆攻撃も行った。 敗北後は、対戦相手アメリカの「軍」に支配されていた。 もちろん両国とも白人の国ではない。 『今日のイラクの状況は、戦後の日本を理解するうえで新しい光を投げかけてもいる。イラク占領は、日本占領と根本的に違っている』と著者は書いている。 さらに、『われわれの歴史への問いは、われわれが置かれた状況に応じて変化する』と。 そして、本文に入るわけである。 ということで、本文を読みながら、私の思考はしばしば今現在の政治や社会状況と当時を行ったりきたりした。 今の私たちは、歴史へ何を問いかければいいんだろう?などと考えながら。 こういう思考の旅はとても楽しいです。 当時について、知らない事実ばかりだったと言ってもよい。 物不足だったことはもちろん聞いているけれども、ここまで長期にわたって深刻な飢えがあったとは全く理解していなかったし、その一方で、立場を利用して富を蓄えた人が多くいたことも衝撃だった。パンパンが果たした役割も影響も、この本を読むまではよく分かっていなかった。 マッカーサーに宛てて、一般の人々から手紙が押し寄せたというのもかなり驚かされた。 そして、一番衝撃だったのは、やっぱり天皇陛下にまつわる部分・・・ 天皇陛下が、国民の命ごいのために、単身GHQへ乗り込んでいって、すべての責任を取ろうとしたとかいう神話を、まさに私も教え込まれておりました。 これまで、海外の方から、何度か雑談などで天皇制についてどう思うか聞かれたことがあるが、この本を読むと、海外の方々の質問の意味がなんとなく理解できた、、、、ような気がする。 (「地味で勤勉ないい人たちよ~」などと答えていた私のまぬけっぷり・・・彼らが聞きたかったのはそういうことではなかったはずだ。笑) 天皇制については、今も別に否定的ではありませんが、戦中戦後を通して天皇が果たした役割については、つくづくと考えさせられた。 裕仁は少なくとも辞任すべきだったのではないか、というのが著者の見解でしょうが、冷静に振り返ってみれば、確かにそうだろうなと思う。歴史に if はないし、マッカーサーがやっぱり正しいのかもしれませんが。 このあたりは、BS-TBSの「関口宏のもう一度!近現代史」を見ながら、引き続き考えたいと思う。(いい番組です~! 毎週楽しみに見てます) ちなみに、天皇とマッカーサーに関する記述のクライマックスは上巻ではなく下巻にある。 上巻よりも下巻の方が、GHQと日本の政治家たちとの裏事情をよりえぐり出していて、よりエキサイティングです。(上巻は主に、敗戦時の日本全体の事情と、一般市民たちのリアクションが記されている) 戦争に行ったうちのおじいちゃんは、昭和天皇が亡くなった時、目をうるうるさせてTVの前に座り、何時間も特集番組を見続けていたなぁ。(和室だったからかもしれないが、ずっと正座していた) 保守政党の人々が、占領軍からのラジカルな指令の数々に度肝を抜かれている様子を読むとき、脳裏に祖父のあのしょんぼりした後ろ姿がチラ付きます・・・私にとって、あの姿は戦前および敗戦直後の古き日本の象徴みたいなものなので。 私がネットに、こんなこと(責任をとるべきだったかもとか)を書き散らしていると知ったら卒倒したかも。昭和天皇とそれほど変わらない時期に亡くなりましたが。 ということで、続きを読みます。
敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人 (和書)2013年11月22日 21:14 2004 岩波書店 ジョン ダワー, John W. Dower, 三浦 陽一, 高杉 忠明 どうしてこうなってしまったのか疑問に思っていたところが明確にされていてこんな本を読みたかったのだと叫びたい...続きを読むです。 こういった本がアメリカ人の手によって書かれたのが面白いところです。ハワード・ジンの「民衆のアメリカ史」を敗戦後の日本の民衆をテーマに書きなおしたようなそんなインパクトの有る本です。 凄く良かった。次巻も楽しみです。
敗戦後、連合国の占領下にある日本の姿をリアリティーを持って伝えている一冊。上巻では政治家ではなく一般市民がメイン。インフレ、食糧難、教育改革、風俗など様々な側面から敗戦の虚脱、急激な変化の中でも力強く生きる庶民の姿が描かれている。 読みやすい文章に加えて写真・資料が多数掲載されており、目で見ながらそ...続きを読むの時代を感じることができる非常に読みやすく充実した内容の良書。
膨大な資料を渉猟して記述されたにもかかわらず、単に資料の羅列にならない文章になっているのは、著者の並々ならぬ筆力の賜物であろう(もちろん、訳者も含めてのことであるが)。 何より、歴史記述の視点を、その時代を生きる一人一人の人間に焦点化しているということが、この著作をまるで小説を読むかのように、夢中に...続きを読むなって読ませる大きな要因となっているのではないか. とにかく、この本によって、初めて日本の戦後史を詳しく知ることができた。 下巻を読むのが楽しみである。
天皇を含む記述はやはり外人でないと書けない。 丹念に調べられた分析には驚かされる。知らない事かたくさんあるのだなぁ。
終戦のエンペラー観る前に読み終えたかった一冊 orz アメリカ人の日本史家が、敗戦直後の日本の世相を描いた本。 将軍様の国並みにやさぐれた状態から、占領軍を受け入れ復興に向けて進んでいく当時の雰囲気が分かりやすく書かれています。違う国の人に自分の国の文化を教えてもらうってのはなんだか不思議な気分...続きを読む w 読んでて一番びっくりしたんは赤線が当時の国策やったってこと。米軍の男から一般の日本人女性を守るための防波堤な位置付け(酷い話やけど)らしく、戦争に負けるってのはそういうことなのね、と思いやした。 下巻は戦争犯罪人、東京裁判、戦後の思想統制の話なので、こっちも面白そうやね(-_-)
急変していく社会のなかで、人々は連続性を保ちつつ折衷的に思想や概念を獲得していったように、少なくともこの本からはみえる。その後の発展に大きな影響を与えた一方で、精神的な支柱を模索し、生計を立てる切実な努力と密接に絡んだこうした価値観の転換の過程に、無自覚の変質や破綻が潜んでいるのかもしれない。そうし...続きを読むた価値観に根ざす思想の行く末は、主観的、利己主義的に歪曲されたものになるのでは。自国の思想の獲得過程を知ることなしに批判的に考えることはできないと痛切に感じた。
『敗北を抱きしめて』1945年の終戦以降数年間の日本について書かれた本です。非常にソソられる、いいタイトルだと思うのですが、どうでしょう。意訳気味の邦題なのかと思ったら、原題も"Embracing Defeat"。センスのよさが感じられます。 そのタイトルだけではなく、内容も...続きを読む非常に質の高いものです。すでにピューリツァ賞受賞含めて、内外で高い評価を受けていますが、傑作という前に大変な労作といえます。デリケートなテーマを扱うこともあり、バランスを取るために学者として多大な努力をしていることが随所に伺えます。 また筆致は時に詩的であり、一方適切な抑制も利いていて、扱うテーマに相応しいものです。例えば、第一章は「相原ゆう」という無名の農家の妻の玉音放送の経験のエピソードで始まりますが、その入り最初の文は「1945年8月15日、正午前。このあとに起こったことは、けっして忘れられることはなかった」となっています。無名のエピソードから始めることで、名もなき人々にも焦点を当てることを示唆されていますが、最初の文はその1つのエピソードに掛かるとともに全体にも掛けられている(誰にとっても/その日のことだけではなく/忘れられることはなかった)という仕掛けがあります(たぶん)。 上巻は、主に戦後の生活および文化的な様相が取り上げられていて、風俗(パンパン、RAA)、闇市、カストリ文化などが描写されています。ぼんやりとは知っていると思っていたことですが、あえて目を向けることはしてこなかったんだな、と思います。1945年といえば、自分が生まれた年を起点にすると、現在よりもずっと近い年であったりするのですが。
そうか、戦後は米軍による検閲があったために空白部分がなかなか埋まらなかったんだ。 自民党と米の関係があくまで強固な理由が分かってきた。
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増補版 敗北を抱きしめて
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ジョン・ダワー
三浦陽一
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