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敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて,日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版.旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は,著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ,敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす.ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生.
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Posted by ブクログ
日本人がいかに占領期を生き、変化を受け止めて来たかを庶民から天皇までの立場から、著述する大著。 アメリカに追従し、「従属的独立」をしなければならなかった保守政治家の葛藤と矛盾も感じられた。また、この矛盾は現代の日本社会をその根本から見つめ直すためにも必要な視点です。 刊行当時は戦中派も存命でしたが...続きを読む、近年は戦争経験は限りなく薄れ、民主改革の所産(平和と民主的なもの)は風前の灯。一度、原体験に立ち帰ってこの国のかたちを見つめ直すことも必要でしょう。
第二次大戦後の連合国占領時代の日本および日本人についての記録の下巻。 本書のハイライトの一つは、第12章・13章の日本国憲法の制定にかかる部分だと思う。GHQ側が示した憲法草案(それは現在の日本国憲法に近いものである)に対して、当時の日本政府側が抵抗を示し、論争と駆け引きが行われる部分である。 本...続きを読む書によれば、日本政府側が最も抵抗を示したのは、「誰に主権があるのか」という部分であった。GHQ草案が「主権在民」とし、主権は国民にあるとした草案を示したのに対して、日本政府ははっきりと反対の姿勢を示す。現在の日本国憲法の前の憲法、すなわち、大日本帝国憲法においては、国民は天皇陛下の「臣民」であり、軍隊の統帥権をはじめ、法的には天皇陛下に権力が集中をしている構造となっていた。天皇陛下は国会に優越する存在であり、主権は天皇陛下にあったと言っても良い。この部分を変更すること、主権が天皇陛下から国民に移ることに対して日本政府は最も大きな抵抗を示したのである。 したがって、もし、この部分に関する論争と駆け引きで日本政府側が勝利を収めていたならば、日本という国は、現在とは全く違う国になっていた可能性があるということだ。 その他にも面白いエピソードがある。新憲法案は国会で審議されたのであるが、日本共産党は新憲法に反対していた。その反対の理由が「いかなる国も自己防衛の権利を否定することは非現実的」であるというものであった。 本書は6部・17章からなるが、占領軍下の日本を様々な角度から記述している。 天皇制・憲法制定・GHQによる検閲・東京軍事裁判・戦後の経済活動・戦後の風俗・言論・経済成長、等々。上下巻合わせて800ページ以上に及ぶ大作であるが、読み応えがある。私は、日本の近現代史に興味があり、関連する本を時々であるが、読み続けている。日本の近現代史を理解するのに非常に有益な本でもある。
最期の1ページまで、貪るように読みました。 本当におもしろかった。 今の日本について、常々不思議に思っていたことの答え、というか、なぜそうなのか原因みたいなものがいくつか書かれてあって、「なるほど、そういうことか」と思った。 たとえば、多くの日本人の中に強くある、戦争の被害者意識。 大人から子供...続きを読むまで、どうしてこんなにも「被害者」としての意識が強いんだろう、と常々疑問だった。海外が日本を見る目と真逆なだけに。 私は、小林よしのりはじめ、「脱自虐」を唱える人たちのキャンペーンの結果かしらなどと思っていたけれど、さかのぼると、GHQと日本の関係、東京裁判のダブルスタンダード、そういったものの結果なのだと分かった。 とても興味深い。 また、最近ネット上でかなり目に余ると感じる歴史修正主義者たちの主張(たとえば、南京大虐殺はでっちあげである、等)や、ネトウヨたちの主張(日本はアジアを帝国主義から救おうとした、等)の根拠も、この本を読んで、初めて理解した。もちろん今もまったく賛成はできないけれど、根拠と論旨は分かった。 今までは全く理解不能だったのだけれど。 自民党とアメリカ、自民党と産業界の結びつきもしかり。 まあとにかくいろいろと腑に落ちました。 しかし一番驚いたのは、なんといっても、やっぱり、憲法9条は、天皇を守るために作られた、という部分。 衝撃でした。 憲法については、マッカーサーの性格とリーダーシップ、担当者たちの理想への思いが素敵な形で結実したわけだけれど、それ以外については、裕仁が退位しなかったことは多くの面でマイナスに働いているように見えた。いろいろと考えさせられた。 特に、戦後GHQが行なった検閲は、たまに言及されることがあっても、戦前の検閲ほどのものではないだろうと思って今まで気にしたことがなかったけれども、こうして検証してみると、それによる不利益はかなり大きかったようで、驚いた。 そして、東京裁判の被告たちが、文字通り「天皇を守る楯となって死んでいった」ところ・・・・ 英語圏の人の著書らしく、皮肉たっぷりに描かれているこの部分は、右翼じゃなくてもスッキリしないものを感じる(もちろん右翼の方々の思いとは違う意味で)。 「共同謀議」が行なわれたとされる全期間を通して権力の中心にいたのは、じつは、天皇裕仁だけだったというのに、天皇に責任が及ぶような証言は控えるよう被告たちに裏工作されていたとは! また、この裁判に関係した判事はじめ多くの人の裁判に対する疑義は、ここ数年、まさに世界で沸騰しつつある人種問題や政治の問題が含まれている。 帝国のダブルスタンダードは今もまだまだ健在だよなぁ、とため息まじりに思う。 マッカーサーの人気が最後に急激にしぼんでいった様子は、申し訳ないけど、笑ってしまった! 愛されていると思ってたのに、チョロイから便利に使われていただけか!と分かってショックを受けるという、大失恋の物語。 日本とアメリカの関係の縮図(今も続く)ですね。
上巻を読み終わったとき、「どうして日本人にこういう戦後史が書けないのだろう?」と思っていたが、下巻の天皇制を扱った章を読んで、確かにこれは日本人には書きにくかろうと納得した。 天皇は、何らかの形で戦争責任を取るべきであったという筆者の主張は明確だ。そして、なぜ天皇の戦争責任が問われなかったのかという...続きを読むことを丹念に検証している。今上天皇の慰霊の旅は、そうした経緯を踏まえてのことなのかもしれない。 日本国憲法の制定に関しても、この著作を読むことでかなり克明にその経緯を知ることができた。憲法改正の動きが活発になりつつある今だからこそ、これらの章の持つ意義は大きい。 「平成」と年号が代わって早29年。「戦後」は本当に終わったのだろうか?それとも、まだ戦後を引きずっているのだろうか? 現在の日本を考える上で、この著作はまだまだその輝きを失ってはいない。
上巻に引き続き一気読み。天皇制がなぜ維持されたか、なぜ戦争責任を一切負わなかったのか、天皇のために死んだ国民に対する謝罪は、終戦直後の飢えた国民のために天皇家の財産を利用することはなぜなかったのか。占領軍の検閲と情報統制のため、世界が冷戦状態になっていることなどつゆ知らず、非武装がいきなり解除される...続きを読むなどの「逆コース」が急速に進行、外交とはしょせん二枚舌であり、力のないものは敗者となるのが必然。占領解除後の日本の経済力について「紙ナプキンでも作っておれば良い」
この大著は、例年の夏のメイン図書と同じく、長期旅行の際に読もうと思って旅先に携行した。 下巻は憲法誕生に至る詳細な過程が描かれる。戦後の民主化と逆コースのまさにはざまに生まれ落ちた奇跡のようなものが日本国憲法であることを知る。日本の保守層が抵抗したのは事実だが、「押しつけ」という評価は当たらないだろ...続きを読むう。 東京裁判に関する問題点を明確に描き出している点も大いに参考になった。
戦後の成長の根幹にある「日本モデル」とは、日本独自の精神的、民族的な土壌より遥かに大きく、日米交配の「非軍事化と民主主義化」という理想を実現するためのシステムに拠する。制度的には30年代初期から52年のGHP廃止に至るまでの権威主義的構造を基盤とし、精神的にはその過程で生じた二律背反的な矛盾、国とし...続きを読むての誇りを求める心情を抱えながら。これらの戦後「日本モデル」は89年のベルリンの壁崩壊、バブル崩壊、天皇崩御に終わりを迎えたと著者は結論づける。 戦時中、戦後の言動によっていわゆる日本人的精神のようなものが幻想であったことが明白に描き出される。学校でこうした戦後史を学ばないからこそ、現代人もこうした思想に容易に感化されてしまうのではないか。戦後を支えた「日本モデル」は精神的な風土ではなく社会システムにあった、そうした構造はいまだに解決されていない矛盾や欺瞞をはらんでいる。そうした認識を持つことによってはじめて様々な問題に向き合えるのではないか。
下巻は、天皇制の維持とアメリカの企図、新憲法制定、GHQによる検閲、東京裁判、など、いまだに議論の多いテーマが取り上げられています。ある意味、下巻は上巻よりもさらに読み応えがあります。 最後にエピローグという章がありますが、これも白眉です。ここで、著者がこの本で言いたかった主要なテーマが、本のタ...続きを読むイトルにもした一節を使って明示されています。少し長いですが、引用します。 「21世紀への戸口にある日本を理解するためには、日本という国家が(注:古来より)あいも変わらず連続している面を探すよりも、1920年代後半に始まり、1989年(注:昭和の終わりと冷戦の終わり)に実質的に終わったひとつの周期に注目するほうが有用である。数十年のその年月は短く、かつ暴力と変化に富んだ時期であったが、これを精密に観察すれば、戦後「日本モデル」の特徴とされたものの大部分が、じつは日本とアメリカの交配型モデルというべきものであったことがわかる。... この官僚制的資本主義は、勝者と敗者がいかに日本の敗北を抱きしめたかを理解したときはじめて、不可解なものではなくなる」 最近では官僚が槍玉に挙げられることが多いですが、日本官僚制の起源がこの戦後処理に遡る、とする論旨はひとつの見識ではあるけれども明快で納得させられます。 ちょっと褒めすぎか。敬意も表して星5つ。
敗戦後の日本について包括的に取り扱う。上下巻合わせて800頁。 上巻は主に日本人の敗戦の受け止めや文化、闇市などの市井の人々に焦点を合わせたテーマを扱う。下巻は、政治的な側面。特に天皇の扱いや日本国憲法の制定課程がハイライトだろう。 天皇の扱いなどは外国人ゆえの忖度のなさがあり興味深い記述が多いが...続きを読む、そうした外国人視点に止まらず非常に深いレベルで日本について理解し知識を有していることが読み応えを増している。
上巻にも共通して言えることだが、外国人が戦後の日本を語っているためにバイアスがないのが良い。自分自身日本人であり当時の話を見聞きする機会は圧倒的に日本人からが多いが、このようにイーブンな目線で戦争ならびに戦後を語られているので読み手も感情を抜きにして当時の様子を理解ができる。「菊と刀」「幸之助論」と...続きを読む共通した読後感があった。
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増補版 敗北を抱きしめて
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ジョン・ダワー
三浦陽一
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