あらすじ
「生活サイクルを見直したい」「家計簿を付けたい」「仕事を能率よくこなしたい」など、習慣の力で人生をよくしたいと考える人は多いでしょう。しかし、一大決心をして始めてみても、なかなか習慣が身に付かずに挫折してしまうことが多いものです。本書では、習慣作りのために重要な「時間に正確な行動」や「記録を取り、見返す」ことを助けるiPhoneアプリの力を利用して、習慣を身に付けるための方法を解説します。一大決心は必要ありません。そのかわり、小さなことから少しずつ始めて、小さな成果の積み重ねで自分を変えていきましょう。
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Posted by ブクログ
本書は、iPhoneを活用して記録を取り、習慣に結びつけるために具体的な事例を交えつつ、アプリや使用法の留意点について紹介されています。
発刊されたのが2年前ということもあって、現在使用されていないアプリもありますが、ここで紹介されていて、今でも使われているアプリというのはそれだけニーズが高いということの証明でもあるのかな。
ブログについて一つテーマが設定されていて、それが興味深かった。
習慣とは少しズレている感はありますが、ブログ初心者向けに書かれている内容になっています。
本書の特長は2つあります。1つは「小さな目標から徐々に習慣を身に付けていく」というアプローチを徹底している点です。
P3
もう1つは、書名のとおり「iPhoneを活用する」という点です。習慣を身に付けるためには「時間を正確に行動する」「記録を取り、見返す」ということが重要になります。しかし習慣作りに不慣れな人は、そもそも時間に正確な行動や、記録が苦手であることが多いものです。
P4
行動のための心理的なハードルが低くなりきった、実行しないことの方が難しいくらい行動が生活の中に定着した状態を、「習慣が身に付いた」と言います。習慣化の目標は「何日続けるぞ」とか「これだけ達成するぞ」というようにハードルを上げる行為ではありません。どれだけハードルを下げられるか、それが成功の決め手となります。
P6
行動を習慣として定着させるには、ハードルを十分に低くすることと同時に「トリガー(行動を起こす引き金)」と「ログ(行動の結果の記録)」の2つを活用することがカギとなります。
P7
iPhoneにはさまざまなデータを取って現状を知り、それを記録するためのアプリが多数発表されています。本書では、各節で取り上げるテーマに合わせた習慣作りを支援するアプリと、データの長期的な保存、管理や閲覧に適したアプリ『evernote』を利用して記録を取っていきます。
P9
『Due』のリマインダーからアラームで行動を開始し、その結果を『evernote』に記録し、『twitter』に共有して周囲の人から助けをもらう、という3つの連携に「やる気」や「根性」が含まれないことは非常に重要な点です。
P11
できるだけまめに記録を取り、週に1回程度、または、困ったときに見返すことを習慣として身に付けましょう。
P41
家計簿がもたらしてくれる最大のメリットは「お金に関する漠然とした不安から自由になれること」です。家計簿によって具体的な節約の目標が見え、手が届く貯金の目標額やそのための方法を考えやすくなります。そして、収支の状況を知ることから、安心感を得ることもできます。
P60
このように、大きな目標に向けて今できる具体的なタスクをみつけ出し、その成果を積み上げていく方法を「ボトムアップ方式」と呼びます。大きな目標をクリアするには、ブレイクダウン方式で全体を管理することと同時に、ボトムアップ方式を組み合わせて、今できるタスクのひとつひとつに集中することが重要なのです。
P116
ポモドーロ・メソッドでめざすのは、タイマーに従って作業をすることではなく、無理なく力を出せる仕事のベースを作り、タイマーでそれを補助することです。なかなか能率アップを実感できない場合は、事前の準備で排除できるはずの集中を阻害するものがないか、設定時間は適切で無理をしていないかを、チェックしてみましょう。
P138
あとで振り返って「今日は価値のある読書をした」と心から思えるようにするには、繰り返しになりますが、第一に大事なのは読むべき本を慎重に選ぶこと、次に大事なのが、その本を確実に読み進めることです。そこから考えれば、時間がないときほど、本の選択には気を使うべきだ、ということになります。私にとってこの判断基準は、社会人になって読書の時間を思うように取れなくなってから、読書の習慣を維持していくうえでの重要な軸になっています。
P157
本節では、自分が興味を持って収集している情報を紹介したり、それに関連した考察や意見を発表したりする、広い意味での「学び」をアウトプットとなるブログを考えます。ブログのような他の人の目を意識したアウトプットは、説明のために自分の言葉で言い直したり、理解が不足して「うまく書けない部分を調べ直したりと、学んだことを整理するいい機会にもなります。ぜひ、学びの一環と位置付けてブログを続けてみてください。その効果は絶大です。
P185
記事を完成させることより未完成でも更新することが重要
P190
まず、ネタ探しと吟味にあたっては、あらかじめ15分から30分といった時間を設定しておき、その時間の中でもっともおもしろいと感じたネタを採用する、といったルールにしましょう。
P191
次に記事を書くにあたっては、時間と記事の長さについてルールを決めます。毎日ブログにあてられる時間が30分だとしたら、その時間の中で書ける記事の長さが、おのずと決まってきます。
P191
ブログを始めたばかりの人には、「午前0時」のように決まった時刻を締め切りと考えて、必ずこの時間に間に合わせるようにすることをおすすめします。
P191
毎日のブログ更新にかかる時間は、文章(記事の長さ)、テーマの難しさ、画像など加工する必要のある素材がどれだけあるか、といったことに左右されます。私の場合は、400字詰め原稿用紙で数枚以内の文章と写真数点を使った記事が定番で、これを書くために構想に5分、執筆に30分、チェックに10分、素材の仕上げに15分とトータルで1時間使うことにしています。
P193
使える時間を考えて、問題のない範囲で短い文章(技術的に高度なテーマの場合などは、説明が長くなることもやむを得ません)を書くことを心がけてください。これはブログを続けるために意外と重要なポイントです。
P193
そして、最低限の短い文章を書く時間だけを割り当てることで、「完璧に書こう」という誘惑を避けて時間内に記事を公開することに注意を向けられるようになります。
P193
まとまった文章を書くことが初めてという人は、ネタ選びのポイントや、文章の語り口が安定するまでに時間がかかります。まずは1カ月、毎日何かしらのネタを選び、簡単でもいいので決めた時間内に文章を書き、公開することを続けてみましょう。ネタや文体が変わってもかまいません。むしろ、少しずつ変えていく中で、自分の書きやすいネタ、しっくりとくる語り口をみつけるつもりでやってみましょう。
P197
例えば、ウェブで調べ物をしたときに、自分のブログの記事がみつかることがあります。今の自分が忘れているのに、過去の自分が調べて書いているのです。
P198
また、ブログの効果で、あなたのイメージがはっきりとしたものになります。『twitter』では古い発言はどんどん押し流されて読めなくなってしまいますが、ブログでは古い記事を読むことも容易で、その蓄積が、あなたの人物像を作ります。「あの人は○○が好きらしい」「○○のことは、あの人に聞けばいい」というような認知が得られる、いわゆるセルフブランディングの効果です。
P198
趣味の達人が「たくさん実践すること」とアドバイスする理由は、何度も繰り返すことでむだをなくした本質的なテクニックが浮き彫りになってくるからなのです。写真を週に100枚撮る人は、週に10枚しか撮らない人に比べて単純計算で10倍の題材、10倍の構図、10倍の失敗を繰り返し、経験を積んでいることになります。
P219
目標となる回数が決まったら、趣味に取り組むたびに回数を数えていきましょう。趣味の回数を数えるのには、『Daytum』を利用します。このとき、ただ「写真」や「CD」として数えるのではなく、写真であればカテゴリー「写真撮影」を設けて「風景」や「人物」のようにテーマ別に数えたり、CDならば「ジャズ」や「ポップス」などジャンル別に分けたりと、細分化して数えてみましょう。
P222
趣味の成果は、親しい人や同じ趣味を持つ仲間と共有したほうが楽しいものです。ここまででも、習慣の記録を共有することで、自分にプレッシャーをかけたり、アドバイスをもらったりすることをすすめてきました。趣味の成果を共有し、感想をもらうことは、プレッシャーというよりも、達成感や満足感のような前向きな感情に直接つながります。
P223
本書においてライフログは習慣作りという目的のための手段なのです。しかし、ライフログに主眼を置けば、「ライフログを取り続けることで、習慣ができていく」と、言うこともできます。
P233
それは記録を取ることで、習慣化したい行動に対する意識が高まるからです。成果を確認でき、習慣作りの途中であれば、どれくらいまで達成できているかも確認できます。
P234
行動の記録を取り続けている限り、その行動は途切れることがなく、したがって三日坊主に終わることもありません。
P235
記録を取るためには、行動を起こさなければなりません。「記録を途切れさせない」というだけのモチベーションであっても、行動が続いてさえいれば習慣化に近付いていると言えるのです。また、家計簿のように、記録すること自体が意味のある習慣として認知されているものもあります。
P236