あらすじ
一族の闇、怨霊の跋扈、そして骨肉の争い――この国に平穏をもたらした彰子を描く、感動の平安絵巻 彰子への出仕を頑なに拒否していた厄介な女房である紫式部。当初は手を焼いていたものの、彼女との絆や『源氏物語』はやがて、彰子を稀代の国母へと成長させた――。敬愛する夫・一条天皇の突然の死、一族内での足の引っ張り合い、頻発する火災や疫病……怨念うずまく宮中で闘い続け、時の権力者である父・藤原道長に唯一反旗をひるがえし、七代の天皇を支えた藤原彰子の感動の生涯を描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
国母として頂点に君臨せざる負えなかった彰子。
なんだか、己の親類縁者に振り回されないよう、定子の産んだ子供たちを守ろうとしながらも、思い及ばず。
そして、長生きの家系である彰子は次々と多くの死を見つめることになるのが切ないですね。
友人と彰子の家系は長生きという話をしていたことがあるのですが、それもよし悪しかと(;^_^A
幾度となく炎の災に襲われて、また流行り病に帝が倒れ、何とも言えないですねぇ。
ですが道長亡き後、彼女いなければ道長の家系が衰退するのは早かったでしょうね。
後半、いろいろと武家社会にちかづいてくる兆しも見える物語、大変面白かったです。
『はなとゆめ』が清少納言と中宮定子の友情物語に終始していたことを考えるとこちらは一族の物語でした。
しかし、諸々の事情で読破にこんなに時間がかかってしまった(-"-;A ...アセアセ
Posted by ブクログ
平安時代とは道長頼道の時代だと思っていたが、彰子の存在の大きさをとても感じた。
紫式部が仕えた方としか習っていないのは、とてももったいないことだった。
それにしても、この時代の放火、悪霊の考え方、そして何よりも身分、家を守るための婚姻を現代になぞらえるとぞっとする。
Posted by ブクログ
彰子の長子出産から亡くなるまで。下巻は丁寧に説明された年表を読む感じで、少々駆け足で物語が進むため他の方のレビューを見ると賛否両論ある様だが私は充分楽しめた。それにしても当時は刃傷沙汰が無い代わりに建物がよく燃える
Posted by ブクログ
藤原道長の娘、彰子が主人公の物語下巻。
摂関政治の頂点とも言われる道長、頼通の時代のことが語られるのだけど、ちょっと思っていたのとは違った。
一条天皇が存命の頃から中宮定子の忘れ形見の息子が亡くなる当たりまでは彰子の細やかな感情が伝わって読んでて面白かったのだけど、それから後は、ほとんどが身内の昇進や天皇への娘の入内、病に罹った折の加持祈祷、内裏の火災などが人を変え、場所を変え、何度も語られるので、なんというか飽きてしまった^^
彰子を主人公にしたため仕方ない面はあるのだけど、政治的な面、例えば前九年の役に対する朝廷の動きとかそういうのはほぼ語られない。ちょっともったいないと思ってしまった。
物語の構成というのはなかなか難しいものだなあとあらためて思った。
ちなみに病気になるとなにかと加持祈祷したり寄進したりして病気を治そうとする平安時代は、そりゃ、長生きできないよなあと今更ながら思った。