あらすじ
空前のベストセラー『日本沈没』が遂に完結!
著者・小松左京氏がどうしても書きたかった「列島沈没後」の日本人の姿。国土を失った人々はパプアニューギニアや中央アジアなど世界各地に入植、それでも政府機能だけはオーストラリアで維持されていた。国家の再興をかけ政府が取り組む2つの巨大プロジェクト。日本海に人工の陸地を建設するメガフロート構想とあらゆる気象データをスーパーコンピュータで解析して未来を予測する地球シミュレータ。日本人が自らのアイデンティティーを確立しようとする矢先、世界を震撼させる驚愕の事実が明らかになる。
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Posted by ブクログ
第二部はあまり評判が良くないようであったが、私は非常に楽しめた。
ただ、第一部では小野寺と阿部玲子との関係性や、「異変」を前に各個人がどのような思惑で動くかといった個人レベルでの感情の動きがよく見えて面白かったが、第二部では政治的な駆け引きや「異変」後の世界情勢等の描写が多く、それでいてページ量は第一部と同じ程度のため、個人の感情の動きや思惑があまり見えづらかったのが残念だった。特に小野寺が25年の間、どのように生活してきたかの描写が少ないため、阿部玲子と再開した際のp375「無にしてしまうには、この26年間は重すぎる」の重たさが伝わったこなかったのがもう一つ物足りなかったように思う。
ただし、沈没後の日本や日本人の有り様といった議論については面白く読めた。中田首相の愛国心と、鳥飼外務相のコスモポリタニズムの議論も興味深く読めたと思う。
最後の宇宙への移住(?)の落ちももう少し情報量があっても良いように思ったのだが…(あれでは解釈の幅がありすぎて…)