あらすじ
ドクトル・バーチに関する情報を確かめるため、アラン・レイ高校への潜入捜査を開始した名探偵マルタ・サギーと、その助手リッツ・スミス。しかし、慣れない学校生活は波乱だらけで、捜査どころではなく……!?
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Posted by ブクログ
新書購入。
これは探偵小説ではない。推理でもない。たぶん。
異世界ファンタジー。
過酷になってきました。
この巻、最初の方は学園物でした。全寮制の男子校。
マルタ……、お前、向こうに友人いなかった理由がわかったよ……。
面倒くさいから、友好関係築く気にならないのだ、この男。
でも、だから、あるラインを超えてしまうと、人は彼を貶しながらも好意というか善意かを持つらしい。
そんな彼が叫ぶのです。
お願いだ待ってくれ。
僕から
オスタスを
奪わないでくれ。
と。
次はきっと、彼は偶然ではなく、懸命に、自分の居場所であるオスタスに帰ってくるのでしょう。
それが、成長ということなのかな?
親からも存在感を疑われ「生んだ実感がない」とまで言われ、彼も酷い台詞だとは思っても憤ることもなく(つまりこの時点で親にも期待も愛着もなかったのだろう)、学校にも執着せずたわいない理由さえなくやめてしまった彼が。
オスタスに帰りたいと思う。
すごい進歩ですね。
次の巻が楽しみです。
Posted by ブクログ
かれの名は、マルタ・サギー。
+++++
とりあえず続きをください。ってか、短編集もあとでいいのでとにかく続きを。ってかオスタスにもどれんのかああああ?
Posted by ブクログ
この巻を読んで、この著者の感覚が好きだなあと思えた。
自分の気持ちを改めて自覚するマルタ。
それを見てまんざらでもないバーチ。
楽しませる自信がなくてマリアンナを誘えないマルタと
その悩みをバーチに相談するやりとり。
その内容と、
恋について語るアンとジャックの男女の年の差の
その内容。
当たり前のような事を改めてそうだよなと思わせるのは素敵だ。
オスタスに来て居場所を得たマルタ。
探偵の仕事もそれなりにこなせるようになって、
上手くいきかけていたかに見えた日々に
どんでん返し。
バーチが眉間を撃たれて死んじゃったよ!!どうなるの!?
ハラハラな展開で続く。
楽しくなって来た!
Posted by ブクログ
サブタイ「恋の季節」の通り、進展します。
表紙もなんだか明るくて、今回はきゅんきゅん展開を進めるのかと思いきや、野梨原さんはやってくれました。
めっちゃ気になります!
これはこの巻だけで読んではいけない。
マルタの喪失感が痛いくらいに苦しかった。
Posted by ブクログ
“「リッツは僕が守るよ」
何が出来るか自信はないけれど、マルタは心の底から素直に思い、素直に言って、素直に口に出した。
自分の心にある、静かに光る恒星のようなもの。
時々感じるその苦しいような熱さに、この時マルタは一人で誓った。
「リッツは僕が守る」
リッツは顔を真っ赤にしてひとつ震えた。泣きそうだった。
「だって、ほら」
マルタは大きく息を吸って、それからいつものように笑う。
「リッツがいないと、僕、生活できないよ」”
ええっと?
展開が意外すぎて。
えーっと、っと。
頭の芯が冷えていくような鳥肌。絶望に似た虚無感。
続きが気になる。
高校でのマルタの行動が好みだ。
“「待ってよ」
シェリーは淀みも、躊躇いもなく宣言する。
「つきましてはゲームの潤滑な進行を鑑みて『名探偵』カードの『カード戦争』における効力、登録を全て抹消することを決定いたします。今までの参加、ありがとうございました。またの参加をお待ちしております」
お願いだ待ってくれ。
僕から
オスタスを
奪わないでくれ。
その言葉は音にならなかった。
マルタの喉に張り付いて音にならなかった。
「以上、○○年○○月○○日『カード戦争』委員会」
やっぱり日付は聞き取れない。
『カード戦争』委員会の使う本当の言語は、翻訳出来ないのだ。
マルタの目の前が白くなっていく。
オスタスの春の空が。
気絶してオーガーに抱えられたままのリッツが。
血を流して動かないマリアンナが。
白く、かすんで、空気と、温度が変わる。
エアコンの風の匂い。
新建材の家。
見慣れた、自分の家のリビング。
マルタは十分ほども茫然と突っ立ったままだった。
そしてやがて、その場に座り込んで、両手をついた。
薄い合板だ。
ワックス仕上げの。
瞬きを忘れていたようで、目が熱い。
眼球に瞼が張り付いていると感じる。
そう思った途端目の奥が熱くなった。
「ああ」”