あらすじ
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた! この“世界”ではいったい何が起きているのか!? いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。
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Posted by ブクログ
本格ミステリの俊英が描く学園ホラー。夜見北という田舎に転校してきた転校生を巡る過去の事件とクラスに纏わる奇妙の謎が魅力的で、全編に渡って常に何かが起こりそうな不穏な雰囲気を描くのが非常に上手い。病室の死の気配から始まるどことなく寒々しい雰囲気わ、同じ言葉を繰り返す九官鳥や思わせぶりな祖母や叔母、クラスメイトの面々など、ホラーの手つきとして素晴らしく、どこかじめじめとした忌まわしさすら漂っている。上巻の半ばまでは主人公が述懐するほどに思わせぶりな展開が多く、やや辟易としたものの、展開は遅くても怖い描写だけで読ませるあたりは流石の筆力であるとも思う。
設定だけ捉えるとラノベのようでありながら、しっかりと親世代が出てくるのもポイントであり、それ故に突飛な設定でも地に足のついた生活感がある。いないことにされてる謎の少女、ミサキメイは果たして生きているのかいないのか?それとも実は主人公が死んでいるのか?というシックスセンス的な展開を予感させながらも、クライマックスでしっかりとその謎を明らかにするあたりはやはり本格ミステリを手がけてきたが故の、謎に対して明確な解答を出してくれる安心感がある。しかし恐怖は始まりに過ぎず、因習村ならぬ因習クラスとなった中でどのように「災厄」が起こり、どうすれば解決になるのかが気になったまま次巻に手を伸ばすことにする
Posted by ブクログ
サービスアパートの図書室で借りた。
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた。この“世界”ではいったい何が起きているのか――。
ホラーって書いてあって躊躇してたけど読んでみた。
1998年が舞台。
主人公の恒一だけがなにも知らされなくて、こちらも一緒になって気になりまくる。
三年三組の生徒やその血縁者が亡くなるという超自然現象。
“「それが起こってしまうと――始まってしまうとね、その年の三年三組では毎月、必ず一人以上の死者が出るの。生徒自身の場合もあれば、その家族の場合もあったり。事故死だったり病死だったり、ときには自殺だったり、何かの事件に巻き込まれてしまったり……で、これはきっと呪いだ、なんて云われたりもして」”
“「クラスの人数が一人、増えるの。誰も気づかないうちに増えているの。誰がそうなのかどうしても分からない〈もう一人〉が」”
恒一の叔母の怜子が怪しいとは思ってたけど…三年三組で以前亡くなった人には当てはまらないよな~と思って除外してた!
怜子=三神先生が見抜けなかった!
ヒントは散りばめられていたのに。
同一人物の叙述トリックは、「十角館の殺人」で経験してたのに!悔しい…。
Posted by ブクログ
26年前に飛行機事故で亡くなった
中学3年生ミサキ。
そしてその同じ中学校の同じ3年3組に転校してきた
主人公が同じクラスのミサキ・メイに興味を持ち始めていく。
そしてクラスの生徒、関係者が次々と死んでいく。
みんなが見えないモノが見えるなど、ただの学校の怪談モノかと思いましたが、話が進んでいくとそれ以上の面白さ。
ミサキ・メイの謎は上巻でアッサリ、ネタバレされたが、だから下巻では新たな謎がありそうな予感。
主人公の家族も怪しさを出しながら、下巻に続く。
Posted by ブクログ
安定の綾辻行人さん面白かった。
過去にアニメを見たことがあったけど、三年三組の死者が誰だったかどんどん記憶が曖昧になっていくように、お話自体の記憶が曖昧になっていてびっくり。犯人まで見たのに全然覚えていないものだなぁ。見崎鳴が幽霊なのか実態なのか判明するまでの不気味な感じ、面白かった。下巻も楽しみ。