あらすじ
大手広告代理店を早期退職したキョウコは、相も変わらず古いアパート「れんげ荘」で、貯金を切り崩し、月10万円の暮らし。キョウコは、老後に少々不安を感じながらも、兄夫婦のところに、突然やってきたおネコさま御一行、「れんげ荘」の住人で人生の先輩のクマガイさんと一緒の楽しい外食や季節の花などに心癒され、日常の暮らしに喜びを感じながら、今日も楽しくのんびり生きています――。「人間やネコたち、みんなが楽しそうにしているのを見ているのが幸せだ」 無職のキョウコさん、ひとり気ままに隅っこ暮らし――。心やすらぐ書き下ろし長篇。 大ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、待望の第8弾。
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Posted by ブクログ
今回も変わらず大きな出来事はないけれど(キョウコが風邪をひいたとか、ケイが犬猫を迎えたくらい)、「ふふっ」と笑ってしまう場面はたくさんで、やっぱりこのシリーズは好きだ。
家族に犬猫がいる人は大きく頷くところが何ヶ所もあるし、何より最後のクマガイさんの話がとてもいい。
私はまだまだ高齢者には遠いけれど、最期を迎えることを考えてしまった。
やらなくてはならない責任は、生きるっていうこと。
久々に胸に残る言葉だった。
Posted by ブクログ
ちょっとマンネリ化してきたこのシリーズだけど、ほのぼの読めるので新刊が出ると読んでしまう。今回は周りの可愛い動物たちとキョウコさんが風邪をきっかけに老後をぼんやりと考えている。誰しも色々と考える事だけれど、今回の体調不良がキョウコさんの中で何かしら転機になったのかな。
毎度ながらクマガイさんの言葉が良い。彼女みたいな考え方はとても素敵だと思う。
「何でも覚えている必要なんてないの。自分がいやな思いをしたことばかりを覚えている人っているのよね。早く忘れた方がいいのにって思うんだけれど、そのいやな事をまた、反芻しちゃって、何度も暗い気持ちになってるの。楽しいことならいいけど、いやなことを何度思いだしたってしかたがないじゃない。ちゃんと覚えておくべきものもあるかもしれないけど、ほとんどは忘れたほうがいいものばかりだったって、今になって感じるのよ。同じ牛ならおいしい草を反芻したほうが、精神的にも肉体的にもいいものね。(p187)」