【感想・ネタバレ】ダブル・ファンタジー(上)のレビュー

あらすじ

35歳の奈津は売れっ子脚本家。仕事は順調だが、マネージャーである夫の支配的な態度に萎縮し、精神的にはギリギリの日々。そのうえ奈津は人一倍性欲が強く、躯の奥から溢れる焦りと衝動になんとか堪えていた矢先、敬愛する56歳の演出家・志澤とメール交換を始めたのを機に、女としての人生に目覚めていく。志澤の、粗野な言葉遣いでの“調教”にのめり込む奈津。そして生と性の遍歴が始まった…。柴田錬三郎賞ほか文学賞三冠受賞。文壇に衝撃を与えた迫力の官能長篇!

...続きを読む

水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大林。同時に4人と関わるのではなく、常に好きな人は一人というところが女性の特性なのかも。(移行期は交錯しますが……) 心も体も満たされたくて、妥協せず彷徨い続ける奈津の姿は、濃厚な官能表現がありながら、力強く清々しくもあります。かつて恋をしていた人にも、いま恋をしている人にもオススメしたい大人のための小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

【2025年49冊目】
脚本家である奈津は、たった一夜を共にするべく男を呼んでいた。客観的評価の高かった彼がどんな風に身体を重ねてくれるのか――期待した分、失望は大きかった。奈津をかき乱した演出家・志澤、奈津を束縛する夫・省吾。男に振り回されながらも創作家として前に進む女を描いた上巻。

最初のメールのやり取りのところで読むの止めようかなって思いました。なんだこの茶番、いやもういいから、さっさとやんなよ、と思って胸焼けがすごかった。志澤の対応にイライラしてしまって、「こういう年上の男が一番嫌いかもしれない」と思ってましたが、メールの箇所を通り過ぎてからは読みやすくなりました。

志澤はもはや年の功というか、奈津が勝てないのも当たり前というか。まだ上巻ですが、奈津が大成したときにもう一度寄っていって「あえて突き放してた」ということもできるし、そのまま奈津が何もできなければ流したままでいい。狡い年上の男だ…メールの感じは嫌いでしたが、対応としては間違ってない?気がします。

夫との会話は、読んでるだけで心が疲弊しましたが、メールの箇所ほどではなかったかな(まだ言う)典型的なモラハラ男過ぎていっそ単純でわかりやすい。結局マンションの場所を教えているし上げているのは奈津の弱さなんだろうなぁ、わかる気もする自分に共感性羞恥を覚えるなど。

清々しいほどに生々しい一作。下巻がどう転がるのかなあ。

0
2025年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

35歳の脚本家・高遠奈津が主人公。

異常に性欲の強い奈津の物語とくれば当然男との関係が描かれますよね。

旦那、先生と崇める演出家の志澤、大学時代のサークルの後輩石井。

さてさて下巻ではどんな展開が待っているのやら。

説明
内容紹介
女としての人生が終わる前に性愛を極める恋がしてみたい。35歳の脚本家・高遠奈津の性の彷徨が問いかける夫婦、男、自分自身
内容(「BOOK」データベースより)
三十五歳の脚本家、奈津は、才能に恵まれながら、田舎で同居する夫の抑圧に苦しんでいた。ある日、夫の創作への関与に耐えられなくなった奈津は、長く敬愛していた演出家・志澤の意見に従い、家を飛び出す決意をする。束縛から解き放たれた女性が、初めてめぐり合う生と性、その彷徨の行方を正面から描く衝撃的な官能の物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村山/由佳
1964年、東京生まれ。大学卒業後、会社勤務、塾講師などを経て、93年「天使の卵~エンジェルス・エッグ」で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。主な著作に、第4回中央公論文芸賞・第22回柴田錬三郎賞・第16回島清恋愛文学賞を受賞した『ダブル・ファンタジー』「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなどがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

0
2021年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「すずらん本屋」で面白いと紹介されていたのと、著者の村山先生が「ネコメンタリー」で特集されていて著作を読んでみたくて読んだ本。奈津と志澤のメールのやり取りが面白かった。奈津の夫が怖いと思った。

0
2018年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村山由佳先生の小説の面白さは、人間の欲や、異性との関係性をどんどん暴いてしまうところだと思った。観察眼の鋭さ。

0
2024年10月27日

「小説」ランキング