あらすじ
青島医師の前にさらなる難しい患者が登場!
ベストセラー『処方箋のないクリニック』待望の第2弾。ありふれた病気の裏に潜む人間関係トラブルを解決する名医青島倫太郎の前に、さらなる難しい患者たちが登場!
左遷されたキャリア広報ウーマンは、ストレス解消に強い酒を飲むのが習慣になってしまい……「ストロング系女子」
Uターンして古民家カフェを立ち上げるつもりのサラリーマン。移住前に母の思いも寄らぬ病気が発覚して……「アンチスイーツ」
人生一発逆転を狙う輸入商社勤務の女性。理想の彼をゲットするため、過激なダイエットを選んだが……「悩める港区女子」
ゲームにはまっている元大学生は青島総合病院内のコンビニでアルバイト中だが、同僚女性が突然店で倒れてしまい……「スマホ首ゲーマー」
定年後におだやかな暮らしを過ごしている夫婦。夫が急に終活について思いを語り始めたのはなぜなのか……『理想の最期』
青島の前に現れた蕎麦アレルギーの男の子とその母親。封印していた留学時代の記憶と人生を変えた事件が甦る……「アメリカから来た親子」
読後感爽やかで、人生が前向きになる全六編!
解説は『神さまのカルテ』シリーズで知られる医師・作家の夏川草介さん
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
医療テーマの小説だけど全然難しくなくて
患者目線であるのもすき。
倫太郎先生の武器は話を聞いてあげること。
空間を作ってあげること。
ピースを埋める。そうあればいいな。
どこがすごく好きかというと結構リアルな、そこらで起こってそうな事例を物語にしていて、ストーリーとして楽しめると同時に現代医療の課題についても軽く触れたりしているところ。最先端でバリバリやる医者も医学の発展には必要だけど、患者1人と向き合ってゆっくり不安を解消してあげるのも知識経験が豊富な医師ができることなんじゃないかな。面白かったから続刊でないかなーー
Posted by ブクログ
『処方箋のないクリニック』待望の第2弾。
そうだった、青島総合病院の総合診療科。
全てが完璧に解決するわけではない。だけど、Dr.青島と話をして、最悪の事態を免れるならよかった。
尊厳死と安楽死の違い。考えたこともなかった。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
内科医青島倫太郎は、エリートだったアメリカ生活を離れ実家の病院の代替わりの手伝いで帰国し、青島総合病院の離れにある家で看護師の小泉ミカと医療相談を請け負っている。そこにやってくるアルコール依存手前の広報ウーマン、上司のパワハラで転職を考える営業マン、玉の輿をねらう港区女子、スマホ首ゲーマーのコンビニスタッフ、突然夫に尊厳死を希望された妻、そばアレルギーの男児の母親。ありふれた病気の裏に潜むトラブルを、ハーフパンツの内科医が優しく解決していくほっこりとした医療小説。
【感想】
文庫本で夏川草介氏が解説でも書いてあるように、医療関係者は病院や診療所を舞台にした物語を読んでも純粋に物語を楽しむことが難しい(人による)。自分もリアルな描写は疲れてしまうし物語の世界でまで病院と関わりたくないと思ってしまうことがある。この作品は重すぎず、ゆっくりとした医療を展開しているし短編集のように読めるので読みやすい。青島倫太郎のハーフパンツが、アメリカ時代の彼女、メイの兄ケニー(胃癌で死去)が最後にデザインしたパンツ=形見だったとは。
Posted by ブクログ
シリーズの第二弾。
今回も様々な難しい患者が登場する。
それを古い洋館で医療よろず相談のクリニックで医師の青島が解決していく。
解決していくというより導いていくという感じか。確かに処方箋のないクリニックである。
Posted by ブクログ
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「この不思議な
診療所は
今の医療に、
足りないものを
教えてくれる」
夏川草介氏推薦!
アルコール依存症、
痩せ薬、
蕎麦アレルギー、
終活…
またまた悩める
患者さんたちが
青島総合病院へ集結!
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シリーズ第二弾です。
私は本作の方が好きでした。
ちょっと身近だったからかな。
身体が不調を訴えるときって、
精神的にも辛かったり苦しいときがある。
そんなときに、
相手の生活や状況に応じて、
適切な診療やアドバイスを行う。
特に今回は主人公の医師である倫太郎の過去も描かれており、最後まで楽しめました。
Posted by ブクログ
総合内科で医療相談をしている青島倫太郎は過去にはアメリカでエリート街道をまっしぐらの医師だった。
今はハーフパンツを履き、オレンジ色のナース服を着るミカちゃんとスイーツを食べながら仕事をしている。相談に来る患者は医療についてわかりやすい説明を受けながら、心も癒されていく。
これでは儲からないのではとも思うが、弟の経営手腕で立派な総合病院が隣に立っているから、患者は時々やってくる。アルコール依存になりかけている人や尊厳死を求める夫の気持ちが理解できない妻などが青島医師と話して目から鱗になる。私たちも一緒に学び考えさせられる。
Posted by ブクログ
よかった。
変わり者の医師が病気とそれにまつわる人間関係を軽やかに、丁寧に、鮮やかに解きほぐす物語。
病気というとそれのみにフォーカスされがちだけど、生活習慣を正すこと、間違った知識に惑わされないこととか、大事だなと思った。
病気の裏にはその人の生活、人間関係や大事にしているものが隠れていて、そこを掬い上げる青島が良い。
医療について知らなくてもとてもわかりやすいし、人間の温かさ、互いを想うからこそすれ違うつらさなど人間ドラマが素敵な一作。
☆3.6
Posted by ブクログ
総合病院などに行くと待ち時間が長い割には診療は10分以内。多くの患者を診ないといけないので仕方ないとは思います。でも一人一人体質も違うし事情も違う。もっと話したいと思っている人も少なくないはず。この小説の青島倫太郎医師はそれを理解し、「今の医療に足りないピースを埋めたいと思っている。」と話しています。でも現実、大きな病院では難しいでしょう。小さな病院ならある程度可能かもしれません。
Posted by ブクログ
医療とはひとくくりには難しい
さんざん待って3分ほどの診察。
多くの検査。医療費は昨今の国の政策により
高い個人負担。
かなりクレーム言われた(笑)
前作を読んで面白かったので2作目。
優しく、面白い。時にスリリング。
青島先生の過去が解りすっきりした。
自分の信じている真実と人の信じている真実は違う。
そうだよなあ
夏川先生の後書きも嬉しかった
Posted by ブクログ
「ストロング系女史」
「アンチスイーツ」
「悩める港区女子」
「スマホ首ゲーマー」
「理想の最期」
「アメリカから来た親子」
六話収録の連作短編集でシリーズ第二弾。
今回もハーフパンツがトレードマークの青島医師が患者の心に真摯に向き合い前へ進みだす力をくれる。
本作の最も惹かれる部分は病院メインの内容ではなく、人の心に巣食う問題に重点が置かれている所。
それがとても身近で共感を呼び、いかに心と身体が密接に繋がっているかを思い知らされる。
青島先生の様な医師が実在すればどんなに良いだろう。
最終話で知るハーフパンツの意味に感涙。
Posted by ブクログ
こんなお医者さんがいたらいいなぁ〜と思わせるシリーズの第二弾!
先生の過去が顕になります。アメリカでこんな恋愛経験をして辛い別れがあり、人間的に成長して今の形の医療に取り組んでいるのかと分かる回です。
どこの診療科にかかればいいか分からない病を或いは病とは言えないものを、相談出来る窓口は確かに今はあまりありません。おじいさんやおばあさんの知恵袋やお坊さんの説教、老練な先生、そんな人達はいつの間にいなくなってしまった殺伐とした世の中に幅広い知識と見識を持ち、医者としての技量に裏打ちされた先生はとても頼もしい…。
身の回りにこんなお医者さんがいたらどんなに安心で、心強いかと思います。