あらすじ
もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。
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Posted by ブクログ
〜1周目〜
2023.02.08
とても面白かった。
一気に読み進めてしまった。
恋愛が怖くもあり、楽しみにもなる一冊なのかなと思う。
この水無月さんの好きな人の周りの人を排除したくなる気持ちはとてもわかって、また悩んだ時に読みたいなと思った。
Posted by ブクログ
てっきり、恋愛はもう辞めようときっぱり諦めきれた水無月さんの回想を振り返りながら未来を前向きに生きていく話かと思いきや。
中毒症状って抜けられないもんだよね。と頷いてしまう終わり方に、裏切られたというか結局先生も同じ人なんだろうね、と思った締めくくり方でした。
先生の周りの女性たちが、先生を利用して自分を見失わないように別の手網も握っておく、不安を分散させて依存しすぎないように、毒を用法用量守っているのに、水無月さんは脳内では大丈夫と思いながらもじわじわと狂気へ蠢いている様子が面白かった。人は見かけによらないし、というか元より水無月さんは狂気であった。
なんでそんなこと、を思ったら実は過去では_なんてカミングアウトされたらとてもとてもびっくりしながら面白い!と思いつつ、
自分の中にもこんな狂気があるんじゃないの、と過去の恋愛や言動を振り返りながら、感想に纏められていた「まるで自分のことかと思った」と共感する女性の一人なのかも…しれない…とワナワナ。
最近すごく興味があるのは自他境界について、
やっぱり他人の問題とか他人の機嫌を自分が悪いと自責しすぎる、とかそういった自分がどうにもならない問題を引っ張られすぎてしまうと、自分の軸が分かんなくなってしまうのだろうな。
結構、水無月さんは他責であると言われていて、
先生に逆恨みだと言われた場面では私もギクリと思う節があって、自分で環境を切り開いていくことを諦めて流されてそんな感じでゆるりと生きてきているからなのだろうな。
今からでも間に合う、隠れた他責に脳みそが支配される前に私がこうしたい!と思える環境へ身を移動するのが最善だろう。
Posted by ブクログ
旦那と離婚して創路に尽くし依存する水無月のお話だった。
ファンだった創路のもとで働き始めて依存している事実に目を背けながら創路に相手してもらえるように尽くし、他責でありながらだんだん狂気的になる水無月の姿は思うところがあった。
水無月が嫌がらせをして執行猶予になっていたこと、創路の娘の奈々を閉じ込めたこと、同僚の井口のストーカーに連絡先を教えたこと、創路がまだ会いにくることなど最後の引きずり方にタイトルを感じた。
Posted by ブクログ
ページをめくる手が止まらなくなった作品。
創路という男にいつの間にか魅了されるのも分かる気がする。所謂、沼というやつだろう。藤谷という人物像が最後まで掴めなかった。その不思議さが水無月を惹きつけたのだろうか。人間は醜くて、尊いな、と。
Posted by ブクログ
スラスラ読めた。
どう見ても水無月は異常者で自分の価値観とは合わないんだけど、そのストーカー異常者になぜか感情移入できてしまう不思議な小説だった。
心情の描写がそれぐらい上手なんだなぁ。
水無月さんが自立して生きていけることは今後もないのだろうなぁー
キャラが魅力的
個性的なキャラクターばかりで、会話や描写も秀逸でした。話のテンポもよくあっという間に読めました。また読み返したいと思える作品に久しぶりに出会えて嬉しいです。ただ、ラストの肝心なところが描写されていなかったので、ここどうなったか気になる!とちょっと不完全燃焼の読後感。まぁ、そこは読者の想像に任せますという事なのでしょうが、せっかくキャラクターが面白いので、できれば書いて欲しかった。
Posted by ブクログ
再読
主人公の水無月美雨の場合、恋愛というより依存。
もうこうなるとホラーで、自分自身を苦しめるだけなのに、どうしようもできないのだろ。
もう本当に人間って本当に怖い。
それなのに、また以前のような関係に戻ってしまうのは、男女の関係の奥深さよ…。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読み始めた。冒頭の一人称が男性だったのでこの人が主人公かと思って読んでいたが、職場の水無月さんとの会話から一人称が彼女に移り変わる。一人称の交代が自然で読みやすかった。最初はよくある、傷つけてくる男性だとわかっていながらも沼ってしまう女性のお話かなと思いながら読んでいたが、全然違った。どんどんヒートアップしていく水無月の狂気的な行動は、彼女と関わる男がそうさせたのか親の育て方なのか先天的なものか、分からないがそんな彼女に対して創路が言った、被害者ヅラするなという言葉が印象的だった。親にこうさせられた、とか最終的には自分で決めた選択であるはずなのに他責思考な主人公の発言が自分と重なる部分があり考えさせられた。生まれた環境は人生を左右するものとして大部分を占めているという思い込みが強かったが、そんな理由で自分の選択肢を狭めるのはもったいないよなと思った。