あらすじ
もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
恋愛中毒だった
芸能人のおじさんの愛人の1人になる女の話。
離婚歴があり、元夫にいまだに執着している。
ドM(適切でない表現、奴隷体質というようなことが言いたい)で献身的で、いそうな女。
ずっと続きが気になる話で面白かった。
私っぽい。好きな人と思い通りになるために手段を選ばない、というか、選択肢がなくなるさまがかなり私に近かった。
登場人物
水無月美雨みう 自分の名前を嫌っている 弁当屋で働いていたところ功二郎に気に入られる 翻訳家でもある 愛人4
創路功二郎 有名人 結婚しているが、愛人が4人いる
美代子 功二郎の愛人1 銀座のママ
陽子 功二郎の愛人2 長身の若め
千花 功二郎の愛人3 モデル19とか
のばら 功二郎の現妻
奈々 功二郎の元妻との間の娘 19とか
藤谷 水無月の元夫
元夫との出来事は前半ほとんど書かれないのに、すごく執着・未練ありなことは伝わってきた
「諦めると決めたことを、ちゃんときれいに諦めるように。二度と会わないと決めた人とは、本当に二度と会わないでいるように。」序盤、印象的に書かれるこの文章だが、結末では、結局これは守られない。守られないとこが、恋愛中毒たらしめている。
Posted by ブクログ
『大どんでん返し』みたいな前評判のある本より、余程おもしろかった
じわじわと不穏さが見え隠れしてたところから一気にそうなるんだ!と、本を閉じたあとも興奮しつづけている。
そういう終わり方になるとは思ってもいなかったので。
依存してしまうところが、わたしも似たような部分あって、なんとなく辛さもわかるわぁとなっていただけあって、やば!となりました。
かなり好き
おもしろかった
一気に読みました
Posted by ブクログ
どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。愛しすぎて、相手も自分もがんじがらめにしないように。私は好きな人の手を強く握りすぎる。相手が痛がっていることにすら気がつかない。だからもう二度と誰の手も握らないように。
この抜粋に惹かれて読み始めた本。
ずっと水無月さんに感情移入しながら読んでしまった、すごくこわかった。
分かっていながらも飛び込んでしまった経験のある身としてはもうずっと、過去の自分を振り返ってるようだったし、自分の行く末をみているような気がした。
(もちろん状況や境遇は全然ちがうけども)
水無月さんは先生を好きだったのかな。先生へは憧れと好きを混同していたけど、愛しているのは元旦那さん?それとも2人とも愛してた?
でも、ここまで人に執着できることがすごいことだと思う。私は自分が嫌われて捕まるくらいならもっと賢くやりたい。けど、いざそうなったら何も考えられない気もする。
私も好きな人の手を強く握りすぎる。
強く握りすぎないために気持ちを分散させたいのに、好きな人がいるうちはそれもできない。好きな人以外の男の人は気持ち悪い。
だからこそ強く握りすぎてしまう。
恋愛中毒だからそんなことはできないけど、本当は、二度と誰の手も握らないのが正解なんだろうな。
Posted by ブクログ
水無月の言動は客観的に見れば異常なのに、少し共感できてしまう自分がこわくなった。
恋愛に執着したり、心の隙間をこじ開けて他の人で埋めようとしたりせずに、わたしは自分の人生を生きたいな〜と思った。
Posted by ブクログ
ドラマをまだ観ては無いが、そりゃあこれはドラマ化するだろうな、と納得出来る程ストーリー構成が素晴らしかった。自分が想像していた"恋愛中毒"の物語より、遥か斜め上に行った作品だった。
きっと水無月は親から貰えなかった愛というものを1番手に入れたかった人なんだと思った。
だから目の前の人に全身全霊、100%の愛を委ねて差し出してしまう、そしてまたその相手からも、自分は唯一無二の存在になりたかったのだろう。そんな水無月からの愛の重みは、相手がいつしか潰れてしまいそうなくらい重たいものになってしまい、離れたくなってしまうのだろう。
また水無月とは感情が異なるものの、完全には手を握らずとも定期的に会う人物も居る。それは決して"恋愛中毒"では無いが、これもまた互いに切り離せない何がある。そして相手から繋いだ手を離された時の水無月は、怒りの矛先を相手の周囲に向けてしまう。本人も悪いはずだが、周りが邪魔なのだと言わんばかりに攻撃をする。時折、盲目になっている相手に対し、水無月はどうしたらいいか、どうしたらよかったのかを悶々とする。きっと100%の答えでは無いが、私にはその答えが少し分かる気がした。
キャラが魅力的
個性的なキャラクターばかりで、会話や描写も秀逸でした。話のテンポもよくあっという間に読めました。また読み返したいと思える作品に久しぶりに出会えて嬉しいです。ただ、ラストの肝心なところが描写されていなかったので、ここどうなったか気になる!とちょっと不完全燃焼の読後感。まぁ、そこは読者の想像に任せますという事なのでしょうが、せっかくキャラクターが面白いので、できれば書いて欲しかった。
Posted by ブクログ
この筆者さんの作品が初めてで、
恋愛中毒、というタイトルから、もっとポップな恋愛小説を想像していました。
でも、予想が大きく裏切られ
読み終わった後、正直かなり
嫌な気持ちになりました。
初めての男、夫、憧れの作家
それぞれに対する依存がドロドロしていて、
途中から
読んでいて、痛いよやめときなよ
という声がこぼれそうでした。
ひりひりした。
自分は恋愛に依存しない⁇タイプだと思っているので、主人公のことが理解できないと思っていたけど、物語後半で
正しい愛し方とは⁇とわからなくなり混乱しました。自分の中にも、彼女のような愛し方が隠れているのかもしれません。
Posted by ブクログ
いわゆる“やばい女子”の物語なんだけど、主人公視点で進むから最初はただの地味な女子・水無月の目線に自然と感情が寄っていく。
ところどころ引っかかる違和感はあるものの、淡々とした日常の延長として物語が続く。
で、最後に正体が判明するあたりで一気に転調。
「え、今までの行動ってそういう意味だったの?」と世界が反転する瞬間が最高。昔の作品だから時代背景は今と少し違うけれど、逆にそのズレが妙に生々しくて面白い。
読み進めながら思ったのは、世の中で“ヤバい”と評される人も、その人自身の視点から見れば、その場その場で自分なりの最適解を選んでいるだけなんだということ。
それぞれが自分の正義で動き、自分を「正常」と捉え、周囲が「おかしい」と感じる。
この物語は、そんな“視点の偏り”や“世界の捉え方”に気づかせてくれる一冊。
世の中って自分が思う以上に、人それぞれの世界観で動いているんだと実感した。