あらすじ
もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。
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Posted by ブクログ
最初のシーンから急に主人公が変わって、初めは追いつくことに必死でしたが、状況を飲み込めてきた頃にはこの小説の伏線回収が見事に行われていくところでした。
恋愛で相手を愛しすぎないように、と努めていた水無月が結局は中毒者でどんどん独占欲が増していく姿は正直自分が恋愛をしている時の第三者目線のようですごく醜く感じました。
愛しすぎないことは難しいけれど、結局それは変えることができないし、治すこともできないのかな、とタイトルを見ながら考えました。
Posted by ブクログ
振られたのを契機に。
結局、「諦めると決めたことをきれいに諦めて、二度と会わないと決めた人にはほんとうに二度と会わない」って言葉を水無月は守れなかった。
恋愛において、主観と客観は大きくかけ離れていることは周囲でも、自分でも良くあることだ。友人の不毛な恋愛を止めるときはもっともらしいことを言うが、自分が誤った恋愛をしている時は全く自覚はなく友人の言葉も耳に入らない。水無月も他人には理性的ではありながら、自分の恋愛をコントロールできていない。
私自身、彼の手を強く握っている自覚は無かった。初めての彼氏で、むしろ様子をうかがいながら恐る恐る手に触れるくらいの感覚だった。それでも彼にとって負担だったのであれば、本当に根本的な部分でずれていたのだと思う。
「好き」のほどよい距離感って何回か恋愛を経験しないと掴めないのだと思う。
次は優しく長く手を繋いで行ける人と出会えたらな。
また数年後に読み直したい。
Posted by ブクログ
〜1周目〜
2023.02.08
とても面白かった。
一気に読み進めてしまった。
恋愛が怖くもあり、楽しみにもなる一冊なのかなと思う。
この水無月さんの好きな人の周りの人を排除したくなる気持ちはとてもわかって、また悩んだ時に読みたいなと思った。
Posted by ブクログ
わかんない!わかんなすぎた‼️でも気になりすぎて凄い勢いで読んだ。奈々ちゃんちゃんと救われたのかな流石に?自分の娘を監禁した女に懲りずに逢いに行く創路が意味不明。そして盗作どうなった?結局なんでスケジュール白紙だったんだ??
しかし怖い。依存することは怖い。そして自分にこの傾向があることを改めて自覚して嫌になった。自分も一歩間違ったらこうなる気がして読んでて苦しかった。うーん何が言いたいのかよくわからない難しい本だった。
Posted by ブクログ
愛するってなんだろう、恋愛ってなんだろう、と改めて考えさせられる作品だった。
結局、水無月は親との関係や離婚の経験から、相手に嫌われないこと=自分の価値であると思っていて、その自分の価値を損ねないために、相手に尽くしているように感じた。
愛は見返りなく与えるということにスポットが当たりがちで、もちろんそれも間違いではないと思うけれど、相手の善意や好意をそのまま受け取ることもまた愛だと思う。(ここは最近自分がバウンダリーの勉強をしている中で感じていること)
水無月は、嫌われないために献身的に相手に尽くすことこそが愛だと思っていて「受け取ることも愛」という視点が抜けていると思う。(創路からの「1年仕事を休んでいる間も給料を出すから翻訳の勉強をしろ」という申し出も、創路の善意であるとは受け取らずに跳ね除けていた)
相手への善意は得てして自分が嫌われないためのエゴになってしまうこともあり、無償の愛を他人に与えるのは難しい。(私も嫌われるのが怖くて勝手に相手のためと自分で言い訳をして尽くしてしまった経験が多くある)だからこそ、受け取ることも愛だということを忘れずにいたい。水無月のように、自分が嫌われないための行動を相手のためにしているものと脳内変換したり、与えればいつか相手も自分を愛してくれる、と信じて周りが見えなくなることが、まさに恋愛中毒を指しているのではないだろうか。
と言いつつ、自分も恋愛の渦中にいるときにはその中毒症状に気づけないのだけれど……苦笑
Posted by ブクログ
SNSで見た一文だけで購入した本。非常に難しい本だった。なぜかと考えるとこれまで自分が見てきた本には作者の伝えたい本が明確にわかる構成、文章で出来ていて比較的見やすい印象の本が多い。この恋愛中毒は、タイトルや水無月さんの行動、言動、思考から推測したり考察したりして進めていくことに重きを置いていて読後の余韻というのが半端なく読んでからも楽しめる作品だった。構成にも驚かされ、初めに出てきた井口という男性が主役かと思ったが働いてる会社の従業員のおばさんの回想がメインだった。水無月さんは離婚をして生きていく意味も原動力もなく静かに過ごすことが現状の幸せでもあった所に創路という小説家に出会い壮絶な経験と落ちてはいけない恋愛感情に揺さぶられるという物語に見えた。最後の何ページかまでは。水無月は中毒者だ。これまでの離婚も他者を愛しすぎた故の異常な愛情表現による離婚を経て今があった。執行猶予中でもありながらその中毒により創路の周りの女性や子供や妻にまで影響を及ぼし結果的に今も中毒は治っていないというエンドを迎える。他者の人生も自分の人生も恋愛に狂わされている水無月は井口に何を伝えたいのか、そいつも中毒者だと警告しているのか。読み終えてからの考察がこの本の魅力だと思う。他の女性達は自分の夢であったり、家族だったりお金であったりストッパーの役割を担うものがあったため中毒に陥らなかっただけでここに出てくる登場人物、ましてや現実世界の人間全ては恋愛に狂わされかけている。その恋愛という崖にストッパーがなく堕ちていってしまったのが水無月だったのだと思う。私たちは常に恋愛中毒予備軍である。
Posted by ブクログ
てっきり、恋愛はもう辞めようときっぱり諦めきれた水無月さんの回想を振り返りながら未来を前向きに生きていく話かと思いきや。
中毒症状って抜けられないもんだよね。と頷いてしまう終わり方に、裏切られたというか結局先生も同じ人なんだろうね、と思った締めくくり方でした。
先生の周りの女性たちが、先生を利用して自分を見失わないように別の手網も握っておく、不安を分散させて依存しすぎないように、毒を用法用量守っているのに、水無月さんは脳内では大丈夫と思いながらもじわじわと狂気へ蠢いている様子が面白かった。人は見かけによらないし、というか元より水無月さんは狂気であった。
なんでそんなこと、を思ったら実は過去では_なんてカミングアウトされたらとてもとてもびっくりしながら面白い!と思いつつ、
自分の中にもこんな狂気があるんじゃないの、と過去の恋愛や言動を振り返りながら、感想に纏められていた「まるで自分のことかと思った」と共感する女性の一人なのかも…しれない…とワナワナ。
最近すごく興味があるのは自他境界について、
やっぱり他人の問題とか他人の機嫌を自分が悪いと自責しすぎる、とかそういった自分がどうにもならない問題を引っ張られすぎてしまうと、自分の軸が分かんなくなってしまうのだろうな。
結構、水無月さんは他責であると言われていて、
先生に逆恨みだと言われた場面では私もギクリと思う節があって、自分で環境を切り開いていくことを諦めて流されてそんな感じでゆるりと生きてきているからなのだろうな。
今からでも間に合う、隠れた他責に脳みそが支配される前に私がこうしたい!と思える環境へ身を移動するのが最善だろう。
キャラが魅力的
個性的なキャラクターばかりで、会話や描写も秀逸でした。話のテンポもよくあっという間に読めました。また読み返したいと思える作品に久しぶりに出会えて嬉しいです。ただ、ラストの肝心なところが描写されていなかったので、ここどうなったか気になる!とちょっと不完全燃焼の読後感。まぁ、そこは読者の想像に任せますという事なのでしょうが、せっかくキャラクターが面白いので、できれば書いて欲しかった。
Posted by ブクログ
あなたなんか執行猶予中なんでしょう?
この一文の後から一気におもしろくなった。
これを読んだ後、水無月さんが奈々に何かしでかす予感がしてゾワってなった。
萩原もおかしいけど、先生も最後までおかしい。自分の娘が酷い目に遭わされたのに、中毒症状って怖い。
恋は人を壊すかー。
自分を好きになれない人ほど、他人に依存してしまうのかな?
私は水無月さんほど、人を好きになったことないけど、それは、自己愛が強いからかもしれない。自然と傷つくことを恐れて、他人に全体重を預けないようにしてる気がする。ここまで、自分より他人を愛せる水無月さんが少しだけ羨ましくもなった。
Posted by ブクログ
「恋愛中毒」という強いワードに惹かれて読んだ。けど、めちゃくちゃ好みかと言うと、少ししんどいというかハッピーエンドが好きな私からしたらもやもやする終わり方なのであまり好まない類の小説ではある。「母性」を読み終わった時の感情に近いかな。
私は比較的綺麗な恋愛をしてきたんだなぁと思わざるを得なかった。好きな人に振られてもその人に無言電話をかけ続けたことはないし、かけようと思ったこともない。浮気をされてもその相手に執拗な嫌がらせをしたこともない。そういった意味では共感は何も出来なかったと思う。でも、好きな人の唯一無二になりたくて少し背伸びをしてしまう(数ある愛人の中で唯一無二になりたくて無理をしてしまう主人公)思いには共感できたかな。あまり好まないジャンルとはいえ、ストーリーはすごく面白くて早く全部読みたい!という思いですぐに読んでしまった。途中で主人公に前科があるということが分かったときは衝撃だった。最後まで分からなかったのは実刑2年(?)ってどんな罪?ってこと。奈々は監禁されただけで命に別状はないってこと?殺されてはないのかな?殺されてたら実刑2年どころじゃないよねきっと。Googleで調べてみたら財産犯、薬物犯罪、粗暴犯・性犯罪などが実刑2年ぐらいらしいんだけどこの中なら粗暴犯に該当するのかな〜?とか思いながら読んでいた。そこだけ読み取れなかったのが悔しいかな。
あと、個人的には最後の書評?が好きだった。ちゃんとした文章は忘れてしまったけど、「これだけ冷静に恋愛を観察できる人が結婚をするという判断をして、恋愛に夢を見ているのが嬉しい」みたいなニュアンス(もしかしたら全然違ったかもしれないけど)のことが書かれていて、それがすごく印象に残った。