あらすじ
「これが私の最高の教科書だ」――ファーストリテイリング(ユニクロ)を率いる柳井正氏の「幻のバイブル」、ついに電子書籍化。アメリカのコングロマリット(巨大多国籍企業)ITTのCEOとして14年半も増益を続けた「経営の鬼神」ハロルド・ジェニーンの経営回顧録。長らく絶版となり「幻の書」と化していたが、「プレジデント」誌の柳井氏インタビューを契機に2004年に復刻。25版を超えるベストセラー&ロングセラーとなった。「本を読む時は、はじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ」……社員教育や朝礼に使えるビジネスの名言が満載。
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Posted by ブクログ
経営者=マネージャーとは…ということを説き、
MBAなどの机上知識ではなく実業に基づいた現場に根差した仕事をせよという強烈なメッセージ
仕事のための仕事…それが自己実現
現場まで降りていって最前線の情報を掴み、数字を抑えて判断していくことが肝要
そんな奴はクビにしろ、報酬は定時に対してではなく全時間に対しての報酬である…など
M & Aについては足元のUSスチールの議論も彷彿とさせる
Posted by ブクログ
・購入背景
ある本(確かストーリーとしての競争戦略)で引用されていたのをきっかけに知る。
58四半期連続増収を成し遂げた男ハロルド・ジェニーンの社長としての日々を通して経営者としての重要なマインド・スタンスが、具体的な事例を伴って書かれている。
ファーストリテイリング代表柳井正さんが「私の最高の教科書」と絶賛していることもあり、購入した。
・この本を読んで自分がどう変わったか?
ビジネスにとどまらず人生を歩んでき上で持つべきマインドのヒントを得た。まだ働いていないため具体的にイメージしにくい部分もあったので、社会人になってから読み返すことでより一層理解を深められると感じる。手元に常においておきたい一冊。
・内容
ビジネスで結果を残すにあたって持つべきマインドを教えてくれた一冊であった。ハロルド・ジェニーン本人の体験談も面白いが、巻末の柳井さんの解説がよくまとまっていると思う。本文は少し冗長であるため、時間がない人や要点だけをサクッと知りたい人は、巻末だけを読む、あるいは『超訳・速習・図解 プロフェッショナルマネジャー・ノート』を手にするのもありかもしれない。ただ、その場合、ジェニーン氏の言葉が「ろ過されて要約されて概略しか届かなくなり、本当を知ることができなく」なるかもしれないので、その点にはご注意を。
・個人的に印象的だった箇所
1.三行経営論とボトムライン
2.金は後回しだ、まず経験を取れ。
3.5つの事実
ここでは特に3について深く触れたい。
3.5つの事実
5つの事実は、ジェニーン氏が実際にITTの社長として働く中で全社のマネージャーに宛てたメモの中で登場している。彼曰く、事実は5種類存在する。
①本当の事実(揺るがすことのできない客観的な事柄)
②表面的な事実(一見事実と見える事柄)
③仮定的事実(事実とみなされている事柄)
④報告された事(事実として報告された事柄)
⑤希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)
経営判断するにあたっての貴重な判断材料となる事実といのは1番目だけだであって、2番目以降は逆に誤った経営判断を導かねない間違いを含んだ事実なのである。私達にも覚えがあるのではないだろうか。「〇〇さんから聞いた話です」「一般的に△△だとされている」「このことから◻◻と(好意的に)解釈できます」などなど。人間は人からよく見られたい、評価されたいという心理が働くため、少し盛った事柄を報告をしてしまうこともある。ただ、それらは、全然事実でない事実なのであり、これにより「計り知れない金と時間と士気のロス」がもたらされているということが述べられている。そこでプロフェッショナル・マネージャーに求められるのが「本当の事実を嗅ぎ分ける能力」なのである。それでここからが重用なのだが、ジェニーン氏はその嗅ぎ分けるための方法としてメモに付言を残している。
一見してどんな印象を受けようとも、念のため、必ずそれを”揺すって”みること。
常識や一般論を疑えと最近よく言われているが、やはり一度揺さぶってみることの重要性は大きいようである。