あらすじ
「これが私の最高の教科書だ」――ファーストリテイリング(ユニクロ)を率いる柳井正氏の「幻のバイブル」、ついに電子書籍化。アメリカのコングロマリット(巨大多国籍企業)ITTのCEOとして14年半も増益を続けた「経営の鬼神」ハロルド・ジェニーンの経営回顧録。長らく絶版となり「幻の書」と化していたが、「プレジデント」誌の柳井氏インタビューを契機に2004年に復刻。25版を超えるベストセラー&ロングセラーとなった。「本を読む時は、はじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ」……社員教育や朝礼に使えるビジネスの名言が満載。
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Posted by ブクログ
・若いうちは働き回ってさまざまな経験を積み、30か35歳ぐらいにやったらひとつの職業を選んで落ち着くこと。そうすれば、30年〜35年間はその職業に身を捧げる事ができる。その間に会社のトップは3,4回交代する。だから、良いマネージャーにはチャンスがある
→37で転職経験がない人間を例に考える。今から色々な経験を積む事が出来るか?
→YES!副業として経験を積んでいく事が出来る。転職だけが全てではない
→総じて、プロフェッショナルとは何かを自問させられる書籍である。自分が掲げる目標は低くないか、高い視座を持って、言ったことをなにがなんでもやり抜く。グリットやり抜く力って感じ
・実績は実在であり、実績のみが実在である
→痺れる心理ですな、含蓄が色々あるが、実績のみがその人を語るって事だね。お化粧はいくらでも出来るが、実績はお化粧出来ない。
人間の性格と同じだね。見た目可愛くても性格くそは結構いるもんな。実績が実在していない→存在しない存在なのか?
Posted by ブクログ
理念や戦略など、ハロルド・ジェニーンの知恵と意識がキュッと詰まった本である。彼が活躍したのは1960-1970年代。時代が異なるとは言え、彼の訴えていることのなかにまだ実現されていないこともあるし、逆行してしまったこともあると思う。巻末の柳井さんの言葉も含蓄がある。沢山の経営本を読むよりも、こういう本を繰り返し読もうと思った。ハウツーものはそれこそ、瞬読(私の造語)すればよし。同書はじっくり心と身体に落とし込む本かなあ。
Posted by ブクログ
マネージャーだけでなく、全てのメンバーが持つべき視座・視点!
①「唯一の本当の間違いは、間違いを犯すことを恐れること」
②チームを組むには「努力に値する」目標と情熱の共有が必要。
高い目標を示さない限り、誰も熱狂的に仕事をしない。
③ビジネスはかまどで作る料理のようなもの。
重要な決定はマニュアルではなく、決定は人物の内部から出てこなくてはいけない。
④「ビジネスは誰もが二通りの通貨-金銭と経験-で報酬を支払われる。金は後回しにして、まず経験を取れ」
⑤良いセールスマンであるためには良い人間たれ。
肉体も頭脳も精神も清潔そのもので、正直で率直であること。
⑥階層に関係なくだれもが直接に意見を述べ合い、いかなる状況に関しても現実の事実に基づいて検討がおこなわれるような場をつくる。
⑦マネジメントの良否はそれがみずから設定した目標を達成するかどうかによって判定され、その目標が高ければ高いほど良いマネジメントだといえる。
ex.マラソン選手
⑧事業はスポーツに似ている。
サッカーでは監督はゴールへのルールと戦略を示し、ポジションを割り振る。
しかし、「ここでキックしろ」の命令はできない。
⑨「経営者は経営をしなくてはならない」
Posted by ブクログ
言葉は言葉、説明は説明、約束は約束…何もとりたてて言うべき事はない。だが実績は実在であり、実績のみが実在である。ITT社を58四半期連続増益に導いたハロルド・ジェニーン氏の名著です。
Posted by ブクログ
経営とかマネジメントとかって、つまりお金の出入りをともなう組織運営なのだろうな、なんてのが漠然とした印象だった。俺自身は心理学科卒だからさぁ、経営とか経営学といわれてもピンとこないところはあったんだよね。「世界標準の経営理論」とか読んでみたけれど、マーケティングをいうのか、アカウンティングをいうのか、はたまた経済学とどうちがうのか、漠然とした印象しかつかめなくてね。
本書を読んで、「あぁ」と腑に落ちるところがあったと思う。へぇ、じゃあなんだったの?と自分に問い返してみると、いや、お金の出入りをともなう組織運営のことなんだけどね、と同じことの繰り返しになってしまうんだけど、それでも自分の中の納得感は違うのだ。
「本を読むときは、はじめからおわりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。」
とは、至言だ。経営、マネジメントのノウハウといったって、こうすればよいというやり方があるのとはちがう。ただ「できる限りのことをする」のだ。
「経営者は経営しなくてはならぬ!」
あはは。そうだよね。でも、現実に何をすればいいのかわかんないから、ふんぞりかえって終わる人が多いのではないだろうか。結果、官僚主義、つまり前例の踏襲で終わってしまう。
エゴチズムの部分とか、自分をふりかえって、そんなつもりはなかったけど、俺自身エゴチズムの毒に侵されている部分はないか?なんてイタかった。
90年代前後のアメリカに向けて書かれた本ではあるが、今の日本の企業や組織運営にかかわる人が読んで、大きくためになるものだと思う。
何度も読み返すべき本だろうな。
Posted by ブクログ
この本は、ユニクロCEOの柳井氏が「はじめに」を書いて解説している。その解説が面白くて読み始めた。
柳井氏は父親から事業を受け継ぎ、ユニクロを広島でオープンし、次いで岡山に2店をオープンしたころにこの本に出会ったという。
「山口県宇部市の書店にたった一冊置かれていた」この本を、柳井氏は山口県で唯一の読者と(思い込んで)読み、三行の経営論に衝撃を受けた。
『本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。』
この本の著者、ハロルド・ジェニーン氏は経営者として、58四半期連続増益を出し結果を残しているが、本書を読むと、バリバリの厳しい経営者の姿というより、人間らしさがにじみ出ていて親しみを感じる。
企業家は常に正しい考えを持ち、ルールに従い正しい行いをしなければならない。
近道はない。見せかけやごまかしはすぐばれる。
そして、設定した目標に必ず到達しなければならない。
一人であれば自分だけのマネージメントをすればよい。
しかし、何千人、何万人も従業員のいる大企業では、どうやってその人たちに同じ目標に向かって力を出してもらうか。
いろいろな成功した経営者がいるが、この本を読むと、この人の下で働きたいと思わせられる。
Posted by ブクログ
自分は経営者ではありませんが、経営管理に携わるものとして、心に留めておきたい心構えがたくさん書かれている良著でした。
特に、「経営とは最初に決めた目標を達成するまでできる限りの手を尽くすことであり、手を尽くさずに不十分な結果を受け入れて理由をつけて弁解してはならない」というところは、心に刻んでおこうと思いました。
Posted by ブクログ
ゴールから考えて行動する考え方、健康診断する様に会社の数字の意味を捉えて対処する話、会社には人事組織図に書かれている組織と血の通った人間関係の組織がある事を理解したマネジメントの話などなど参考になる話が沢山あり興味深く読んだ
Posted by ブクログ
成功者の回顧録かと思ったが、そうではなかった。これから先起こるであろう会社内での出来事が書かれた予言の書のように感じた。現代でも十二分に活用できる一冊だと思う。特にエゴチズムに関しては気をつけようと感じた。この先も自分が行き詰まったら本書を開いて学び直したい。若干冗長に感じたので星四つです。
Posted by ブクログ
経営者=マネージャーとは…ということを説き、
MBAなどの机上知識ではなく実業に基づいた現場に根差した仕事をせよという強烈なメッセージ
仕事のための仕事…それが自己実現
現場まで降りていって最前線の情報を掴み、数字を抑えて判断していくことが肝要
そんな奴はクビにしろ、報酬は定時に対してではなく全時間に対しての報酬である…など
M & Aについては足元のUSスチールの議論も彷彿とさせる
Posted by ブクログ
マッチョな経営論。
セオリー通り経営されて成功している企業はないと喝破。
軍隊ですらプラグマティックな動きをする。キャッシュカウ等各セグメントの社員のやる気を削ぐとする考えが、形式論に終始する組織論とは一線を画する。
・過失は恥でも不面目でもない。ビジネスにつきものの一面であり、重要なのは自己の過失に立ち向かい、それらを吟味し、それから学び、自己のなすべきことをすることだ。唯一の本当の間違いは、間違いを犯すことを恐れることである。
・経営とはかまどで料理をすること。鍋から目を離さない。
・本を読む時は初めから終わりへと読む。事業の経営はそれとは逆だ。終わるから始めて、そのボトムラインに到達するためになさねばならぬあらゆることをするのだ。
・予期しなかったものを獲得した時に得るものーそれが経験だ。
・経営者は経営をしなくてはならない。自らが定めた条件を満たすためになんでもする。
・人に何かをするなと命じるのはかまわない。しかし、本人が納得しないことをさせたかったら、納得するまで説得しなければならない。
・それでも納得しない場合は、まず当事者である彼/彼女の考えで進め、進捗報告を受け、助言をした上で取捨選択させ、判断つきかねることがあれば相談する、主導権は当事者に置く、敬意を持った態度を取る。重要なのは誰が正しいかではなく、何が正しいか。
・リーダーシップは経営と分かち難いが、客観的な管理とは異なる。人から学ぶことができない。自身の人生、経験のみから学ぶ。
Posted by ブクログ
経営者の中の経営者が書いてるなって本だった。
一介の従業員である自分にとっては、視点がなかなか付いていけない内容が多く読むのが難しかったが、経営者の立場にある人は納得できるところが多いのかなとも感じた。
だから、柳井氏にとっては最高の教科書と言わしめるような内容になっているのかなと。
「本を読む時は、はじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりからはじめて、それへ到達するためにできる限りのことをするのだ」
これは経営者でま従業員でも、なるほどと思える内容。
目の前のことを一生懸命やり積み上げるのももちろん必要だが、将来を創造してバックキャストすること、その重要性を改めて認識できた。
巻末の柳井氏の言葉はグサッと刺さってきた。
ここだけを読むのもありだと思う。
Posted by ブクログ
楠教授とユニクロの柳井さんがおすすめということで読む。
もう少し経ってからまた読み返したい。
誰だって初めは経験不足で、それから段々経験を積んでいくんだ。ただ、十分な経験を積むまでに、大抵歳を取り過ぎてしまう。
2022/11/14
簡単に読み返す。
ゴールを決めて、そこから逆算するということを実践したい。
経営とは目標を達成すること。
Posted by ブクログ
柳井さんの付録が秀逸。そこにすべてが書かれている。
この本で書かれたことをユニクロで取り組んだと書いてある。
ユニクロを知っているだけに、わかりやすかった。
1,まずは目標を設定し「逆算」せよ
2, 部下の報告ー「5つの事実」をどう見分けるかー
「揺るがすことができない事実」「表面的な事実(一見事実と見えること)」「仮定的事実(事実とみなされていること」「報告された事実(事実として報告されたこと)」「希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)」
3,リーダーシップー現場と「緊張感ある対等関係」をつくれ
目標と戦略と方法論は示すが、あとは個々に考えて、一緒にやりましょう
一番いい会社は社長の言っていることがその通り行われない会社
会社を統率する人間は、その会社の人々が本当は彼のために働いているのではないということを認識しなくてはいけない。彼らは彼と一緒に自分自身のために働いているのだ。彼らはそれぞれに自分の夢を、自己達成への欲求を持っている。
4,意思決定ーロジカルシンキングの限界を知れ
社長の机がきれいなら、副社長以下が仕事を抱えている
経営者は経営しなければならぬ
5,部下指導法ーオレオレ社員の台頭を許すな
ミドルマネジメントでもトップマネジメントでも、ほしいままに放任されたエゴチスムは、周囲の現実をその本人に見えなくさせる。彼はしだいに自分自身の幻想の世界に生きるようになり、しかも自分は絶対に誤りを起こさないと本気で信じているために、下で働く人々を困らせる
成功は失敗よりずっと扱いにくい
6,数字は握力ーデータの背後にあるものを読み解け
数字の含蓄を成就するには、数字が持つ意味の絶えざる暴露、絶えざる反復、過去に読んだものの保持、そして数字が代表する実際の活動への親近によるほかない
7,後継ぎ育成法ー「社員FC制度」が究極の形だ
企業の給与水準は、会社の従業員、マネジャー、役員のすべてを満足させ、幸福にし、もっとたくさんもらえるようになろうと努力させ続けると同時に、会社自体の利益をも確保できるように考案された、微妙な価値体系である
Posted by ブクログ
【要点】
①経営の秘訣
本を読む順番と、経営の順番は逆。
→本を読むときは初めから終わりへと
読む。一方で、経営は未来から現在
にかけて遡って行動する。
※逆算思考が大事。ゴールを明確にする
事でやるべきアクションプランを整理
でき、適時・的確な判断を下すことが
できる。
②二つの組織
ビジネス上の(ロジカルな)組織とプラ
イベート上の(エモーショナルな)組織
のことをいう。
自分の欠点を補うため「チーム」が大事
であるが、チームを信頼してよいかどう
かの判断材料はエモーショナルな部分も
一因となる。
③数字は会社の体温計
現状把握をするには数字(事実)が大事。
数字を把握できてないと計画・対策を立
てられない。
数字がわからなければ逆転の発想ができ
ない。
④経営者の条件
・自ら定めた目標を達成する又はやり
きる力が必要となる。
(情熱・忍耐力・謙虚さが必要となる)
・リーダーシップは最も重要な一要素
である。
【感想】
本書は、経営者から見た組織論並びに
リーダーシップ論等の内容が記されて
いるものの、一会社におけるコンピテ
ンシー(行動規範)にあたる内容で
あり、本書の内容を実践していけば、
いわゆる「デキるビジネスパーソン」
に近づくことができると感じた。
特にマジージャー層のビジネスパー
ソンに一読してほしい内容となって
いる。
Posted by ブクログ
経営のプロフェッショナルの方達が、どのような考え、想いを持って経営をしているのか、色々なエッセンスがつまった本だなと思います。
中間管理職の今の自分の立ち位置からは普段見えていない取締役会のあり方も参考になりましたし、数字をきちんと追いかけることの大事さなどマネジメントとして絶対に外せないことも改めて実感しました。
巻末に改めて柳井さんのコメントがあり、振り返りができました。きっと繰り返し読むことでもっと新たな気づきがあると思うので、現時点では(自分がその良さに気づけていないので)星4つです。
Posted by ブクログ
終わりから始めて、到達するためにできる限りのことをする。ただし長期計画を当てにして短期を疎かにせず、短期であらゆる手を打つ。
マネジメントとは結果を達成すること。実績のみが実在であり、上手くいくまで試行錯誤する。
揺るがすことができない事実、をチェックする。
成功から学べるか?
Posted by ブクログ
私の苦手な経営者の一人、柳井正氏の推薦という点もあり、なかなか読まなかった1冊でした。が、これは素晴らしい本です。
特に、共著として名を連ねているアルヴィン・モスコー氏というベストセラー作家の筆のさえもあり、読み物としても面白く仕上がっています。
経営者としてはまさにたたき上げのジェニー氏の体験談からくるエピソードは説得力があり示唆に富む。
例えば、事実にも種類がある・・
表面的な事実(一見事実のようにみえる)、仮定的事実(事実とみなされている)、報告された事実(事実として報告された)、希望的事実(願わくば事実であってほしい)などはほとんど事実ではない。(P108)
第6章の「リーダーシップ」、第7章「エグゼクティブの机」、第8章「エゴチスム」などは現場を知り尽くした知恵とでもいうべきものでとても得るところが多い。
第12章「取締役会」は1985年の初版以来、本書で指摘された問題は35年間未だに解決されないままで、多くの経営者には耳の痛い話だと思われる。
「取締役会のメンバーに支払われる報酬額も再検討されるべきかもしれない。もし彼らがその報酬に依存しているのであれば、どうして自主的にふるまえよう。たいていの取締役の報酬は、それを得るためになされる働きに対しては高すぎ、なされるべき働きに対するものとしては低すぎるように思われる」(P274)
第13章「結びとして」でのまとめ(P297)も必読です。
そして、本書のはじめにとあとがき(付録)で、柳井氏の解説が展開されるわけですが、その文章には「僕は今、売上高1兆円構想の設計図を描いている」という言葉がある。2004年発行から15年たった今、売り上げ高は2兆円に迫ろうとしています。本書を教科書にした経営を愚直に行った結果ですので、これほど頼もしい宣伝効果はないでしょう。
とはいえ、故人となったジェニーン氏の人柄は知る由もありませんが、なぜかジェニーン氏となら一緒に働きたいと思うが、柳井氏とはちょっと無理というのも読後の正直な気持ちです。
Posted by ブクログ
・購入背景
ある本(確かストーリーとしての競争戦略)で引用されていたのをきっかけに知る。
58四半期連続増収を成し遂げた男ハロルド・ジェニーンの社長としての日々を通して経営者としての重要なマインド・スタンスが、具体的な事例を伴って書かれている。
ファーストリテイリング代表柳井正さんが「私の最高の教科書」と絶賛していることもあり、購入した。
・この本を読んで自分がどう変わったか?
ビジネスにとどまらず人生を歩んでき上で持つべきマインドのヒントを得た。まだ働いていないため具体的にイメージしにくい部分もあったので、社会人になってから読み返すことでより一層理解を深められると感じる。手元に常においておきたい一冊。
・内容
ビジネスで結果を残すにあたって持つべきマインドを教えてくれた一冊であった。ハロルド・ジェニーン本人の体験談も面白いが、巻末の柳井さんの解説がよくまとまっていると思う。本文は少し冗長であるため、時間がない人や要点だけをサクッと知りたい人は、巻末だけを読む、あるいは『超訳・速習・図解 プロフェッショナルマネジャー・ノート』を手にするのもありかもしれない。ただ、その場合、ジェニーン氏の言葉が「ろ過されて要約されて概略しか届かなくなり、本当を知ることができなく」なるかもしれないので、その点にはご注意を。
・個人的に印象的だった箇所
1.三行経営論とボトムライン
2.金は後回しだ、まず経験を取れ。
3.5つの事実
ここでは特に3について深く触れたい。
3.5つの事実
5つの事実は、ジェニーン氏が実際にITTの社長として働く中で全社のマネージャーに宛てたメモの中で登場している。彼曰く、事実は5種類存在する。
①本当の事実(揺るがすことのできない客観的な事柄)
②表面的な事実(一見事実と見える事柄)
③仮定的事実(事実とみなされている事柄)
④報告された事(事実として報告された事柄)
⑤希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)
経営判断するにあたっての貴重な判断材料となる事実といのは1番目だけだであって、2番目以降は逆に誤った経営判断を導かねない間違いを含んだ事実なのである。私達にも覚えがあるのではないだろうか。「〇〇さんから聞いた話です」「一般的に△△だとされている」「このことから◻◻と(好意的に)解釈できます」などなど。人間は人からよく見られたい、評価されたいという心理が働くため、少し盛った事柄を報告をしてしまうこともある。ただ、それらは、全然事実でない事実なのであり、これにより「計り知れない金と時間と士気のロス」がもたらされているということが述べられている。そこでプロフェッショナル・マネージャーに求められるのが「本当の事実を嗅ぎ分ける能力」なのである。それでここからが重用なのだが、ジェニーン氏はその嗅ぎ分けるための方法としてメモに付言を残している。
一見してどんな印象を受けようとも、念のため、必ずそれを”揺すって”みること。
常識や一般論を疑えと最近よく言われているが、やはり一度揺さぶってみることの重要性は大きいようである。
Posted by ブクログ
不純な動機というかミーハーというか、ユニクロの柳井正が擦り切れるくらい読んだ本だというので興味を持って手に取った。別に柳井氏に憧れているわけでもないのに。そんなモチベーションだったので、物見遊山みたいな読書。少し古い本というのもあって最新の研究というよりも経営論なのか精神論なのかその両方の基本編という印象。
経営とは目標から逆算するものである。自分は何をやりたいのかをしっかり見定め、それをやり始めよ。そして数値化して計測し、体制を整え、責任を与えて任せよ。
最高経営者を中心としたトップ・マネジメント・チームの性格の反映として、どんな企業の中にもあって、それぞれの会社の個性をつくり出している。リーダーシップの質こそ、企業の成功をもたらす処方に含まれる最も重要な成分である。リーダーシップは学ぶことができる。他の人びとを導き、奮い立たせる能力は、計画的というより本能的なものであり、各人の日常の経験を通じて身に付き、そのリーダーシップの究極的な性質と特色は、リーダー自身の内奥の人格と個性から出てくるものだと。
― ビジネスマンとして成功するにはどうすればいいかという質問を受けた。その時、私は学生たちに、それには若いうちは動きまわってさまざまな経験を積み、三〇か三五歳ぐらいになったらひとつの職業を選んで落着くことだと答えた。そうすればその人は三〇年から三五年を、その職業に身を捧げることができる。その間に、会社のトップ・マネジメントは三、四回以上交替するのが普通だ。だから、良いマネジャーには常に機会がある。若い人たちがすべきことは、ただ仕事を選び、それにむかって努力しはじめることだ。自分の人生の経営をも含めて、あらゆる経営について私が前に述べたように、自分は何をやりたいのかを見きわめ、それをやりはじめることだ・・・。
この本を読んでわかったのは、確かに柳井氏の精神性に本書が根付いている事。“当たり前”の事にも見える。この“当たり前”を根付かせるのが難しいのだという事も分かるが、恐らく私は、本書を繰り返し読んで身体化させるようなことはしないと思う。
Posted by ブクログ
「58四半期連続増益の男」との副題からアグレッシブでバイタリティに満ち溢れた人物像を思い浮かべた。実際はかなりクレバーで分析力高く何より数字のロジックをもとに人々の意識の深いところへ訴えかけていくものだった。
最高の経営者像とは
自ら決断し目標、やるべきことを明言し失敗リスクを100%背負える
何をしたいのかを定め行動に移す
自らの行為と日常の態度により心から支持していることで人々を鼓舞する
最高の経営者に必要な資質とは
事実を客観的にとらえ、情報とノイズをはっきり区別し知的好奇心や根性も必要
事業計画と予算を定め達成の願望だけでなくやりきる推進力
論理だけでなく深いところの情緒により行動できる
今後の自分の行動に参考にしたいこと
多くの数字の報告とともにその質を上げる財務的アプローチ
トップの思いを行き渡らせるサポートとしてパーパスの見える化
前始末の意識でリスクを最小限に、ノーサプライズこそ最高の状態
本書から経営に対する熱い思いとプロはこうあるものと迫力があった。
特に失敗リスクを100%背負うとあるがこれができる方はどれだけいるだろうか。
覚悟があるから強く、そして魅力的で人がついてくるのだろう。
やはり人間力、どれだけ信頼されまた周囲を動かす、鼓舞することができるか。
Posted by ブクログ
ファーストリテイリングの柳井会長のお勧めマネジメント本。内容は可もなく不可もなく。自分に有益だと思う箇所のみメモに書き留めれば良いと思います。
Posted by ブクログ
ファストリの柳井さんも監修?の書籍です
13の経営に関わる内容、真髄が書かれている本となります
正しくは14(全14章構成)
個人的に勉強になったのは
・帯にも書かれている第二章
三行の経営論
本を読むときは初めからおわりへと読む
ビジネスの経営はそれとは逆だ
終わりから始めてそこへと到達するためにできる限りのことをするのだ
・三章
ニューヨーク大学の教授が言っていた
成功したいのであれば、みずから選んだにせよ巡り合わせだとしても
自分が属する場所て上位20%のグループに入ることが必要
・五章
マネジャーは、
結果を達成したいと思うだけでは不十分
達成すると誓ったことを成し遂げること
・5章
ビジネスにおいては
競争相手よりまさればいいという点
・9章
数字が示すこと
数字のみでは、何をなすべきか教えてくれないが
指標となること
Posted by ブクログ
ファーストリテイリングの柳井正会長が「最高の教科書」と勧める本。
経営はまず結論ありきという、終わりから始める経営を実践するためのノウハウや対処法、心構えが具体的に記されている。
過失は恥でも不面目でもない。ビジネスにつきものの一面であり、重要なのは自己の過失に立ち向かい、それらを吟味し、学び、自己のなすべきをすることだ。唯一の本当の間違いは、間違いを犯すことを恐れることである。
Posted by ブクログ
ユニクロの柳井さんは、人材育成に自分の時間を3割を割き、今後は5割以上にしたいらしい。その柳井さんが経営の教科書と高く評価するのが本書。「経営者は経営すべし」という身も蓋もない宣言であるが、スポーツマンや職人のように、「経営道を極める」ために努力に努力を重ねる経営者がどれくらいいるかと言われれば、確かに心許ない。最初から最後まで読むのが良いが、忙しい人は、巻末の柳井さんの解説を読むだけでも十分勉強になる
Posted by ブクログ
経営とは逆算。目標から逆算して何をやるか決め、実行すること
ビジネスの対価は報酬か経験。まず経験をとれ
目標に達するまで挑み続ける事が経営
達成しなければ経営でない
ビジネスは競争相手に勝てればよい
リーダーシップは学ぶ事は出来るが、ほとんどが自身の経験でしか学べない。
ビジネスの成功がリーダーをエゴチスムに追いやり、組織を衰退に追いやる。
数字は行動へのシグナル、思考の引き金。
肝心なのは数字の背後で何が起きているか突き止めること
マネジメントの良否は自ら設定した目標を達成するかどうかで判定され、目標が高ければ高いほど良いマネジメント。
あまりに低い目標は誰でも達成できるからマネジメントと呼ばない
リーダーシップの力の源泉は論理ではなく、深い情緒
なすべき事をしようとする原動力は論理ではなく、深い所に内在する情緒
Posted by ブクログ
楠木建の「戦略読書日記」で紹介されていた本。名経営者の著書はだいたい外れがないので、相当期待して読んだが、「真面目かっ!」と突っ込んでしまいたくなるほどまじめすぎる内容で、正直面白くなかった。
尋常ない勤勉な人で驚くほかない。
唯一、面白いなあと思ったのは、エグゼクティブの机は汚い、と言い切っていること。これは楠木氏も解説者の柳井氏も触れていた。
「私が反対するのは、きれいな机のエグゼクティブのオフィスの様子とか机の上の状態よりむしろ、彼の心的態度に対してである。きれいな机は科学的経営への、ビジネス・スクール仕立ての方式への、データ整理保存への、過度に厳格な時間配分への、機構化した権限委譲への、そしてまた未来が自分のプラン通りのものを生み出すという当てにならない確信に基づいた無保証の自信と独りよがりへの固執を象徴している。そんなものを、夢にも信じてはならない。」