あらすじ
広次と薫の恋は、壮絶な結末を迎えた。それから18年後、薫の愛したふたりの娘は、美しい姉妹へと成長していた。美輝は北海道大学に入学し、正義感の強い修介と出会う。函館で祖母と暮す美哉は、愛してはいけない男への片想いに苦しむ。母は許されぬ恋にすべてを懸けた。翳を胸に宿して成長した娘たちもまた、運命の男を探し求めるのだった。女三代の愛を描く大河小説、完結篇。
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Posted by ブクログ
評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
広次と薫の恋は、壮絶な結末を迎えた。それから十八年後、薫の愛したふたりの娘は、美しい姉妹へと成長していた。美輝は北海道大学に入学し、正義感の強い修介と出会う。函館で祖母と暮す美哉は、愛してはいけない男への片想いに苦しむ。母は許されぬ恋にすべてを懸けた。翳を胸に宿して成長した娘たちもまた、運命の男を探し求めるのだった。女三代の愛を描く大河小説、完結篇。島清恋愛文学賞受賞作。
Posted by ブクログ
【本の内容】
<上巻>
女は、冬の峠を越えて嫁いできた。
華やかな函館から、昆布漁を営む南茅部へ。
白雪のような美しさゆえ、周囲から孤立して生きてきた、薫。
夫の邦一に身も心も包まれ、彼女は漁村に馴染んでゆく。
だが、移ろう時の中で、荒ぶる夫とは対照的な義弟広次の、まっすぐな気持に惹かれてゆくのだった―。
風雪に逆らうかのように、人びとは恋の炎にその身を焦がす。
島清恋愛文学賞受賞作。
<下巻>
広次と薫の恋は、壮絶な結末を迎えた。
それから十八年後、薫の愛したふたりの娘は、美しい姉妹へと成長していた。
美輝は北海道大学に入学し、正義感の強い修介と出会う。
函館で祖母と暮す美哉は、愛してはいけない男への片想いに苦しむ。
母は許されぬ恋にすべてを懸けた。
翳を胸に宿して成長した娘たちもまた、運命の男を探し求めるのだった。
女三代の愛を描く大河小説、完結篇。
島清恋愛文学賞受賞作。
[ 目次 ]
<上巻>
<下巻>
[ POP ]
港町函館。親子三代の愛憎の物語。
いつまでも、高く響く海猫の鳴き声と青い目が忘れられない。
人を愛することはどういうことなのか。
夫婦の契りを交すこととは。
生命の誕生とは何を意味するのか。
多くを考えさせられた作品だった。
谷村志穂のこれぞ力仕事というか、背負い投げを喰らってズッシリと青い畳に投げつけられた、そんな作品だ。
運命の男女、薫と広次がふたり歩いていて、函館山の山肌から順に、夕陽が海へ向かって石畳の道を美しく照らしていく象徴的なシーンがある。
禁断の恋を貫いたふたり。
父親の違う姉妹。
すべてを見守る、おばあのタミ。
誰にも止められない時という齢。
北海道人の心意気とやさしさ、知恵、哀愁そして人生がランボーの詩のように函館の海に溶けていく。
どうにもならないのが人生の真実だが、わたしの魂は救済された気がした。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 参考となる書評 ]