あらすじ
なぜCFOが「企業成長」と「日本経済復活」の鍵なのか? 4年連続「ベストCFO」を受賞した著者が示す、企業と個人が目指すべき道とは。「CFOは冷徹な計算と非合理的なまでの熱意を併せ持ち、企業成長のエンジンとなるべき」というCFO思考こそが、企業のパーパスを実現させる。朝倉祐介氏、堀内勉氏絶賛!
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Posted by ブクログ
ファイナンス、経営戦略、IR、アカウンティング等、経営の基礎知識がわかりやすく網羅されている。
アニマルスピリッツやFP&Aの重要性が言及されているところが白眉。
企画の入門書として最適だと思う。
Posted by ブクログ
50歳を超えて、これまでの自分の仕事の領域を広げたいと思い、IT finance の領域をカバーするニッチな製品群の会社に移ってみて、ファイナンス領域とITを繋げる人ってなかなかいないなと思いつつ日々奮闘する中で手に取った本。
この本では、筆者の徳成旨亮氏の経験知と知識が混ざり合って濃縮されたビジネスマン向けの良書でした。
CFOが相対するのは、株主であり、株主からいかに支持を集めるか、その為に必要な様々な活動が体験談として語られていましたが、個人的に気になったのは、2章にあった「「サプライズのない経営」で資本コストを下げる」や、第3章の「米国のCFOは「経営スリートップ」の一員」のところ。
「サプライズのない経営で資本コストを下げる」は、一章にある「投資家の期待リターンを知る事がCFOの第一歩」に資本コストとして8%=伊藤レポートのROEとの相関も示唆しつつ、この資本コストを下げるために、決算が予想した数値に近い数値で着地する事や業績予想が大幅に外れない等、情報開示やIR活動に熱心である事が要件と言っている。確かにこの辺りの決算、予測値との乖離は株の乱高下のイメージもあったので、CFOからすると資本コストを安定的得るために重要な業務なんだなと。
3章では米国と日本の組織構造の違いや受け持つ役割の違いも書かれており、米国ではCFOの下にCIOやCRO等が付いていて横並びの日本との違いは印象的でした。特にIT業界の自分としてはCIOの上にCFOなのかという点が意外に感じました。組織図イメージは、P175にあるので、ぜひ見て欲しいところ。アメリカでITFinanceという領域がCIOに受けるのは、彼らの上司がCFOだからなのねと妙に納得してしまった。
本の後半で面白いと思ったのは、5章に「労働生産性を高めないと日本人の生活水準は下がる」という数式。
(日本国の経済力「Y(GDP)」、日本国の労働力「L」、日本国の人口「P」)
Y/P = Y/L * L/P
1人あたりの国民総生産(平均的生活水準)= 労働者1人あたりの生産性*労働参加率
L/Pの労働参加率は少子高齢化で減少するので、生活水準を維持していくためには、Y/L(労働者1人あたりの生産性)を上げないと生活水準が下がると。
まあ、元のYをシンプルに割り算しただけなので、当たり前の結果になっているものの、生産性を高めないと生活水準下がるよと言う警鐘としては、他でも使えそう。と言うか、既に生活水準の格差は広がっていると思われるので、この本を読んでいるような人がもっと頑張ると格差はもっと広がりそうだが。
他には、FP&A( Financial Planning & Analysis)業務、経営企画や事業部門企画の担当業務と管理会計・予算業務が合体したイメージの領域担当。この仕組みを取り入れている企業としては資生堂やNEC。CFO経験者のキャリア紹介等。
この本は、最初手に取ってから数ヶ月寝かしてしまったのだが、もっと早く読めば良かったなと思えた本。
Posted by ブクログ
2025年1冊目、とても分かりやすく面白かった!いろんな人におすすめしたい良書。CFOに対するイメージが変わっただけでなく、日本経済や自分のキャリアに関する考えが変わって、頑張ろうと前向きになれた一冊。すごく頭がよく、説明が上手なんだろうなということが文章から伝わってきた
Posted by ブクログ
CFOは守りの要であり、攻めの起点である。
金庫番的な思考を綺麗に書き換えることができた。
ダイバーシティ、ESG・・と一見受動的になりがちな観点も、自社起点の攻めの視点で取り組むことで世界が変わる。
それを担うのがCスイートの一角を担うCFO。
◆CFOの在り方
・CFOはCEOの最大の批判者であり、最大の支援者
・CFOは会社の健全性を守る最後の砦
・CFOは社内外のステークホルダーに対する最良のスポークスマン
◆CFOは資本市場と社内の結節役、会社のスポークスマンとして自社に関するあらゆる質問に答えられる準備と覚悟を要する。
◆自社の資本コストは直接聞く。
投資家からの回答は(MUFG、ニコン)7〜9%に落ち着く。
日本の場合はおおよそ8%がハードルレート。
◆サプライズのない経営が資本コストを下げる。
◆税額は管理可能なものであり、コンプライアンス範囲内での税務プランニングは税引後利益とFCFを最大化できる。
◆ピケティの不等式
裕福な人はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない。
Posted by ブクログ
面白かった。勉強にもなったし、良い本。
アニマルスピリッツ→実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱量。
足りない所は勉強していきたい。
Posted by ブクログ
これまでの「金庫番的な」経理から、「アニマルスピリッツ」を持った経理になることが、企業の成長に大切であることが強調されていて、ビジネスパーソンとしての熱い思いが社会を変えていく言動りょになることを改めて実感しました!
Posted by ブクログ
アニマルスピリットが社会を動かす
アニマルスピリッツ指数
株主以外のステークホルダーは債権者
株主資本コスト= リスクフレート+β×市場リスクプレミアム
PBR= ROE×PER
PER= 1/(r-g) r:資本コスト、g:期待利益成長率
rはサプライズのない経営
→株主コミュニケーション、業績見通しの安定、守りのESG(ESGでサプライズなし)
gは非連続な成長を導く投資、人材育成、攻めのサステナなどバランスシート思考
海外はCEO CFO COOの鼎立経営、日本は文鎮型
リスクアペタイト
コダックと富士フイルム
→コダックも正解。配当と自社株買いで株主に還元し、次世代へとバトンタッチ
事業ポートフォリオは投資家が考えるもの、企業はシンプルに一つ二つの事業に集中して成長
→コングロマリットディスカウント
Posted by ブクログ
・MUFGフィナンシャルグループとニコンのCFO
・機関投資家との対話(アクティビティスト対応)
・資本コストの考え方(ROE 8%と資本コストの関係性、PBR1倍との相関)
・CFOの網羅すべきタスクの多さ
・アニマルスピリッツの重要性
Posted by ブクログ
今のところ今年一番面白かった。
CFOの仕事はまさに金庫番というイメージだったが、もっと広範で重要性が高いものであるということがよく理解できた。一方で、日本企業では筆者のようなCFOがマイノリティだとすれば、どうやって育てていくのか?育ちにくい環境だとすれば日本企業におけるCFOのあり方とはどういうものなのか?という疑問も出てきた。
コーポレートガバナンスコードの舞台裏の話や、モルガン・スタンレーへの出資の話など、ワクワクしながら読むことができたし、PBRを上げるための方策などもよく理解することができた。
Posted by ブクログ
CFOの役割は財務会計にとどまらず、IRSRやSDGsなど投資家との窓口も務めるなど、足元のCFO職のあり方につき経験者として解説された本。うまくいった人だから言える内容とも取れるが、経営の仕事に携わりたい人は参考になろう。
Posted by ブクログ
こういう実用書を社会人として初めて読んだけど、面白かったし、分かりやすかった。
AIが進化して経理の仕事はどんどんスリム化していくけど、その中でも人間にしかできないこと=「アニマルスピリッツの発揮」ということは胸に刻んで働きいていきたい。視野が狭くなりがちな会社員生活だけれど、ルールに縛られずむしろその有効活用に創意工夫を凝らして、目的意識を持って主体的なアクションを起こすという志は、自分に約束し続けたいなあ。
自分の価値を最大限に高める、そのための努力をしようと改めて思わされた、!
Posted by ブクログ
CFOは、欧米においては、CEO、COOと並ぶCスイートの一角。
日本では、まだまだ財務担当役員。
本当のCFOは、戦略と財務の両面を理解し、
CEOの最大の批判者かつ理解者として
企業価値の最大化のために尽力する。
日本の財務担当役員は、金庫番のイメージが強い。
経理、予算、税務、財務、は全て
企業価値につながる。
税務も、ルールに従うだけではなく、
コントロールしうるものである。
また、MAや融資に消極的であると、
投資銀行や銀行が、自社に対して良い提案を
持ってきてくれなくなる。
Posted by ブクログ
実際に日本の大企業でCF Oを務めている人が書籍を出すこと自体がそこまで多くないので貴重に思われた。あまり語られることのない、日本の大企業のおけるCFOの業務を包み隠さず伝えてくれていることも有り難かった。
また私個人的にはアクティビストや海外の投資家に対応する話が聞けたので、そこも面白かった。
CFOに必要とされるスキルセットのリストも一つの目安となるため今後のキャリアのためにも良かった。
後日、YouTubeに上がっていた著者が本書について語る動画を観て、その立ち振る舞いからより信頼のできる方だという印象がました。
Posted by ブクログ
2025年4冊目
日本経済の直面する課題を日系企業の経営者のマインドセットから指摘する。
徳成さんの大変豊富な経験を持っての見解はとても説得力があり、ビジネスマンの必読書だと思います。
現代人のが抱える日本人の国民性を超えて、本来持っているアニマルスピリッツを発揮する経営者が増えれば停滞感のある日本経済に光が現れるのかもしれない。
ただ、それは経営陣だけの問題ではなく、それらを執行する一従業員も持つべきマインドセットであり、それが目の前の生活を豊かにしてくれる一つの選択肢なのかもしれない。
Posted by ブクログ
日本企業の「資本コスト」はおおよそ8%。
ROEが8%以上から株価が右肩上がりになり、ROE10%ではPBRは2倍になる傾向にある。これは日本企業に投資する国内外の投資家の期待リターンが8%あたりにあり、ROEがそれを超えると株価が反応するから。
「金庫番思考」と「CFO思考」の違い
「金庫番思考」=その組織の運営が滞らないのうに資金繰りに目を光らせるのが役割
「CFO思考」=資金や資本の管理者であると同時に配分者。現在のCFOは資本のアロケーションを株主に説明し、理解を得る必要がある。
IR評価が各セクターで3位以内の企業は4位以下の企業に比して約0.5%、1位の企業は0.8%資本コストが低い。
IRにより資本コストが低くなる。0.3%の資本コスト低減効果を株価に直すと10%の株価プレミアムに相当する。
これからの日本企業に求められるCFO像
・CFOはCEOのビジネスパートナーであるべし
・CFOは会社の健全性を守る最後の砦であるべし
・CFOは「リスク」と「資本」と「収益」を三位一体に捉えてマネジメントする役割を果たすべし
・CFOは社内外のステークホルダーに対する最良のスポークパーソンであるべし
Posted by ブクログ
グローバル視点でのCFOという職業について
前提:海外投資家にとって、日本企業は魅力のある選択肢ではない。
日本企業にはアニマルスピリッツが欠けている。アニマルスピリッツとは、非合理なまでの熱意である。
日本企業はよくも悪くも事なかれ主義。永続することが第一の目的になっているが資本主義においては、利益を追求し、株主に利益を還元することが最も大事である。なぜならば株主は企業の一番のリスクを負っているから。
CFOは唯一CFOに物言える立場でり、ブレーキとアクセルを上手に使いこなさなければならない。
CFOは社内外に対して経営の説明責任を負う。
従来の金庫番としてのCFOからの脱却が日本には求められている。
ESG経営と、企業価値の向上を、目指す
経営のスリートップの一角を担い、将来のCEO候補。女性もグローバルには増えており、移籍も多く事例がある。
強気の経営が経済を活性化させる。資本、成長、リスクのバランスを取りながら舵取りをする。
コングロマリットプレミアムを生まない事業は市場からの撤退を求められる。セブンイレブン、ソニーの例
労働の生産性を高めなければ日本の生活水準は下がるY=一人当たり生産高✕労働参加率「移民でも来なければ下がり続ける」
アニマルスピリッツがかけていたことにより、市場を世界に席巻されてしまった事例が日本にはある「iモードの例」
プロのCFOを目指せ!
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今の日本企業に足りないのはアニマルスピリッツ。Cスイートの役割分担や欧米企業との比較等、著者の実経験を基に解説された書籍。最終的には精神論かと思いつつも勉強になった。
Posted by ブクログ
アニマルスピリッツ「実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意」を賭けるに値するストーリーを描いているか。意思決定しているか。リスクを取っているか。
CFOに限らず、CxOが果たす役割は何か。
ガツンと来た。
Posted by ブクログ
CFO思考とは冷徹な計算とパッションをもちあわせることと理解した。そして若い世代がCFOを目指すために必要なことや、その仕事の面白みについて紹介されており、視野が広がった感じがした。
欧米の資本主義では淘汰されるべきは淘汰されて代謝あがってるけど、日本はそうなっていない。
かといって欧米に従ったところで勝算が低いのでいかに日本流でこれから投資家に評価してもらい成長企業になるか、それに必要なアニマルスピリッツ。
個人的にこれを読んだ率直な感想としてはCFOになりたい!とは思わなかったが、(そもそもの自分の興味のベクトルがwell beingとかなので違いそうかも、あとカバーする範囲が広くその分の責任をとるだけのパッションが今の仕事にはないように思ったので)、でも自分の興味を仕事に活かす方法についてはこれも参考にして引き続き考えていきたい。
会社の経営戦略やこれまでの取り組みの背景の大きな部分をこの本で深めることができて、自分の仕事と社会経済のつながりに気がつけて面白かった。
Posted by ブクログ
体系的にファイナンスについて書かれてある良書。多少専門的な用語も使われてはいるが、分かりやすく説明もされており、日本経済・基本企業の事例も詰まっていて非常に読みやすかった。CFOと書いてはいるが、全ビジネスマンに必読の書だと思う。
Posted by ブクログ
言葉としてあまり好きではないが、アニマルスピリッツの欠落はその通りと思うし、記載されているCFO思考が必要と思う。一方で、実業から離れた勘違いコメンテーターを作り出しそうな懸念もあり、もっと実業視点があった方が良いと思った。
Posted by ブクログ
日本復活のためには「アニマルスピリッツ」、すなわち「実現したいことに対する非合理なまでの期待と熱意」が必須。
そして、アニマルスピリッツの発揮には「金庫番思考」から脱した「CFO思考」が求められる。
経済学者の言論に「机上の空論」と感じることは多々あるが、現役CFOの言葉は重みが違った。
安全性を重視する日本的な金庫番思考「だけ」では成長はないという主張であって、単なる欧米礼讃本ではなく、事務系若手ビジネスパーソンは読んでおいて損はない。
ただ「金融資本主義」は絶対善ではなく、現時点での所与の条件に過ぎないと思う。
Posted by ブクログ
日本企業の経理、財務系で働いている人や人事の人などはぜひ一度読むべきだと思った。
お金の管理や決算書をつくるだけが経理の仕事
ではない。企業の保全を第一に考える金庫番思考ではなく、経営企画や戦略、IRなどへの影響も考えながら仕事をするCFO思考を持つことで価値のある人材になれる。
CFO思考に必要なのはアニマルスピリッツという
実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意である。
ようはどれだけ本気で仕事に臨めているかが大事だと思うし、そういう人を1人でも増やしていければ日本企業もまた成長していけると思った。
リスクアペタイトという考え方が面白かった。
アペタイト=食欲
リスクに対する食欲、リスクを取ることにどれだけ飢えているかという言葉
目的を達成するために進んで受け入れるリスクの量のこと。
リスクはなるべく減らすイメージしかなかったが、リスクをとらなければ成長はないので、リスクを進んでとりに行くという考えが新しかった。
CFOになるにはバランスが大事である。
金庫番の思考も必要ではあるが、成長するためにブレーキを踏む役割だけではなく全体のバランスをみて安定性と成長性を両立させることができるような管理職を目指したいと思った。
Posted by ブクログ
最近では珍しい、元気でバランス感覚のあるアツいおっちゃんという印象
言う通りで、何事も熱い思いを持って前向きに進めないとつまらないし、強い思いが合理性を打ち破ることがあるのは事実
それを、CFOとして一定の評価を得ている筆者が推奨している点は説得力、納得感がある
ただ、非合理なまでのパッションを持つ一方で、目指す最終目的は「企業価値向上」に置いているあたり、現代資本主義のど真ん中とも言え、どこか冷めた目で見てしまう自分がいたのも事実
Posted by ブクログ
従前の国内CFOの役割に対する問題提起。ケインズの「アニマルスピリット」という視点が面白い。三菱UFJ FG CFO、米国銀行CEO、ニコンCFOとして卓越した実績を残された著者ならでのは提言が光る。資産運用会社から求められるCFO機能、マクロ経済からのCFO機能、事業会社としてのCFO機能、海外と日本とのCFO役割相違からの分析など、切り口が網羅的かつ俯瞰的で非常に参考になる。本書にも書かれているとおり米国だとCスイートとしてCEO/COO/CFOは三本柱だが、「伊藤レポート」以降だいぶ状況は変わったとはいえ、日本だと財務経理部門トップくらいの立ち位置がまだまだ多い。本書の有意義な提言を生かしていきたい。