あらすじ
薬売りだった父を亡くした、はる。一つ年上の兄は、口入れ屋から奉公先を紹介してもらい、その支度金ではるを親戚に預け、江戸へと旅立っていった。十年の月日が流れ、江戸からやってきた絵描きの彦三郎の絵に生き別れの兄の姿を見た彼女は、兄と再会すべく江戸へと旅立つ。彦三郎の世話で、かつては人気の一膳屋だったものの、偏屈者の治兵衛が継いでからすっかり寂れてしまった「なずな」で、住み込みで働くことになるのだが……。慎ましくも美味しい庶民の料理、そして彩り美しい江戸の四季の中、一生懸命に生きる人々を描く時代小説の開幕!
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Posted by ブクログ
札幌生まれ、佐々木禎子さん、初読み作家です。「思い出牡蠣の昆布舟」、はるの味だよりシリーズ№1、2021.10発行。兄寅吉23歳を探すため、下総から町絵師彦三郎に連れられて江戸に来たはる22歳の物語。花川戸「なずな」の料理人として治兵衛に雇ってもらいことに。素直で優しい春を中心に常連たちが憩う「なずな」。とてもいいシリーズに出会うことができました。佐々木禎子さんのファンになりました。
Posted by ブクログ
これを読んだ日には牡蠣の昆布舟を作りました!
美味しくて、心温かくなれる時代小説。
時代小説初心者(TV時代劇が好きなので興味はあるけど、これまで読んでこなかったので今後は積極的には読んでいきたい勢)にも読みやすく、情緒や空気感を伝えてくれる素敵な作品。
なにより、出てくるものがしっかり美味しそう!
しかも手順やら、作る時の考えやらも描写が丁寧です。
ただただ料理ドーン! 知識ドーン! として終わるのではない筆力によって作品に引き込まれ、とても良い読書体験ができました。
飴のように優しいだけじゃなく、ダメなものはダメと諭してくれる人々の人情もまた味わい深い。
失敗も多いけれど、ついつい応援したくなる主人公もよかった。
Posted by ブクログ
作中と今の季節がぴったり重なって、冷たい空気と料理のあたたかさを感じながら読んだ。はるの生真面目さがとても可愛らしくて応援したくなる。そして他のみんなもとてもあたたかい。やさしい、ではなく、あたたかい。それがとても好き。
そしてなにより料理が美味しそう!素朴なのに丁寧さが溢れていてお腹が空く…納豆汁飲みたい…
シリーズ4冊あるようで、続きが手元にないのが悔しい…はやめに集めて一気読みしよ…
お兄さん、なにしてるのかしら。
Posted by ブクログ
必ず迎えに来ると言って、親戚に預けて出て行った兄の消息を絵師の彦三郎が兄の似顔絵と兄から預かったお金を持って、主人公はるに届けてくれます。はるは絵師の彦三郎の人柄を頼って、江戸に出ます。「なずな」という一膳飯屋を彦三郎と「なずな」の店主の治三郎などに助けられながら、昔、お父さんが作ってくれた味を思い出しながら始めます。余談ですが、預けられていた親戚も温かい人々で良かったです。
Posted by ブクログ
初めての著者の本、初めて表紙を見て買った本。
どんだけの牡蠣料理かと思って読み始めた。
多分シリーズになるんだろうなぁと思っていますが、誰かのシリーズ本に似ているような気もしないでもない。
もうちょっと独自性が欲しいと言ったら失礼か…。
Posted by ブクログ
ほっこりしました。小説に出てくる料理がすごくおいしそう。
気に入った言葉
どんな顔をしていても、残さず食べてくれればそれだけで嬉しい。