あらすじ
人のさがをのぞきこんだような、美しくもおそろしい短編をあつめた作品集。「鶴の家」「野の果ての国」など、10編とエッセイ。
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Posted by ブクログ
安房直子さんの物語は、いつも何か物悲しかったり、不穏な影が差しているので、読んでいるとだんだん心配顔になっていってしまう気がする。
だけど物語を紡ぎだす言葉が美しく、それによって浮かび上がる世界に魅了される。
安房直子さんの物語そのものが魔法みたい。
結局は物悲しく不穏な世界の虜になってしまうのだ。
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人のさがをのぞきこんだような、美しくおそろしい短編集。
人間のさが、欲深さを描きながらも、けっして断罪しない。だから考えてしまう。
『夕暮れ海の物語』『木の葉の魚』『奥さまの耳飾り』どれも哀しく美しい話の中でふっと怖いと感じてしまう。
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これは、わたしの知っている安房直子とは、ちょっと違った感じの物語集です。
喪失感とか、どうしようもないあこがれの気持ちとか、そういったところは、安房直子なのです。それらの感情や、そこに映し出される異界をガラスごしに眺めている印象があるのが、わたしの知っている安房直子の童話なのです。
でも、この本に書かれている作品では、実際に、その世界にアクセスしてしまう。しかも、帰ってこれなくなっちゃうのです。
そして、その話が、教訓めいていないだけに(多少は「欲張りすぎ」とかあるのですが)、よけいに淡々としていてこわいです。
鶴の家
死んだ人の数だけ、お皿の鶴が増えていきます。
これは、けっこう怖いです。
最終的には、ハッピーエンドなのですが、なんか、怖さは後に残ります。
というか、ハッピーエンドはあんまり後に残らなくて、怖さはあとにひいている感じです。
日暮れの海の物語
さて、カメから逃れることができたのですが、
「わたしはかめを裏切った……。」
と、心に思い続けながら生きていくのが幸せであったかどうか。
長い灰色のスカート
あっちにいってしまうのは、怖いとともになんか甘美な感じもします。
これは、この本に収められていく作品のほとんどに共通する雰囲気です。
神隠しにあいやすい子に対するあこがれが、自分のなかにあるようです。
木の葉の魚
ちょと、金子みすずの詩を思い出してしまいました。
こうやって、網にかかる大量の魚たちが、みんなこんな物語をもっているとしたら……。怖いですねぇ。
奥さまの耳飾り
「魔法というのは、悲しいものだ。」
どこかに、この考えがつねに潜んでいるのかもしれません。
そして、恋愛も、魔法のようなものなのでしょうか。
野の音
人さらいの話です。
そして、なぜか、さらわれたくなるような弱さ、ここではないところに生きたくなる弱さを人はもっているんだと感じさせられます。
青い糸
これも、誘われて、行って、帰ってこないお話です。
女の子が、男の人を連れて行きます。
男の方が、さそわれやすいのかもしれません。
火影の夢
これも、女の子が、男の人を連れていく話です。
幸せだった過去に戻ったのだから、もしかすると幸せかもしれない。
そう感じながらも、なんか、ゾッとするような印象も残るのは、なぜなんでしょう。
野の果ての国
悪夢のみせた幻でしょうか。
それとも、本当にあったことでしょうか。
それは、多分それは、それぞれの読者の判断ということになるのでしょう。
銀のくじゃく
夢なんか追いかけるから…。
でも、夢を追いかけずにはいられない。
それが、滅びにつながっていても。
そんなお話です。
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[ 内容 ]
「鶴の家」「日暮れの海の物語」「火影の夢」「銀のくじゃく」ほか、あざやかな色彩のホラー10編。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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他の方のコメントでもいつもと違う感じ、とあるが
初読の作品が多かった。
・鶴の家
鶴の復讐にしては、不思議な選択だなあと思いつつ。
けれど、不幸が多く、それは偶然だったのか、はたまた。。最期、ある意味人柱の人数というか、供養が済んだという事なのだろうか。
それとも、ひとつひとつの命を覚えて呼び続けた春子の行動が供養に繋がったのだろうか。
・日暮れの海の物語
これは既読。よく覚えている。さえは、人によっては忘れて、忘れたふりをして違う人生を歩めただろうな、と。。
いっそ、亀に嫁いだ方が幸せだったのだろうか。
・長い灰色のスカート
読み終えて、これはどういうことなのだろうなぁ、と。
色々と理由が不明のままだけれど、だからこその怪談というか、怖い物語なのだろうか。
異形の者になって、記憶が残っているかどうかにもよるけれど、弟のその後が気になる。
・木の葉の魚
こういった話はもはやフラグがたつというか、そうならないと話が進まないとは思うけれど、ラストのオチが、幻なのか現実なのか。引き揚げられたら、姿戻って救われるのか、そのまま魚として扱われるのかー。。
・奥様の耳飾り
奥様の愛情がどういった種類のものなのか気になる。
小夜は、その後、どう折り合いをつけて生きるのだろう。それとも、いずれ忘れるのだろうか。
・野の音
千と千尋の神隠し の 戻れなかったバージョンのような。でも少女は楽しそうだったし、それはそれでありなのか??木の精と一生宅連だけど。
・青い糸
予想外の展開と結末。男性側には明確な想い人がいたので。でも可愛らしく、と感じたのなら、新しい恋をして、幸せになれたと思おう。
・火影の夢
後悔しても時は戻らないし、だからこそ思い出は切なかったりするけれど、本作者の物語って、戻れるパターンも時にある。そして、現実に戻る場合と戻らない場合と。
店主の愛想が良ければ、耳をすませば のお店のような感じだろうか。
・野の果ての国
異形の者や異世界についていった話が多かったので、本作はちょっと意外。別の巻に載っていた話で、そのまま鹿になったり、鳥になったりする少女の話もあったので
本作の少女は その前に家族を、兄弟たちを思い出して懐かしさを感じたのがポイントだったのだろうか。。。
・銀のくじゃく
はたおりのその後が気になる。。地縛霊じゃないけれど。。いつか、旗に惹かれて集まってくればよいけれど。
弟のその後も現実的に考えると憂鬱。
・エッセイ
シャガールはきちんと見たことないなぁ。
鳥に憧れる、そういえばそんな時もあった。モチーフに取り入れたり。懐かしい。。
作者、短歌を学んでいたとは知らなかった。
紫式部を題材にした舞台で、短歌という限られた言葉では伝えきれない思いを伝えたくて、物語を書き始めた、という台詞があったけれど
本作者もまた、言葉の意味、伝わるイメージを大切にしてきたのだなぁ。
Posted by ブクログ
このシリーズが大好きですが、今回はちょっと暗めだったり悲しい雰囲気のお話が多かった印象で、個人的にはいつもの穏やかな感じのほうが好きですが、こういうお話も書かれるんだなあと知れてよかったです。
Posted by ブクログ
不思議な童話集
鶴の家 皿と鶴の数
日暮れの海の物語 海亀 嫁入り
長い灰色のスカート 弟 行方不明
木の葉の魚 不思議な鍋
奥様の耳飾り クジラ
野の音 大木 葉っぱ
青い糸 マフラー 小鳥
火影の夢 暖炉
野の果ての国 ヘチマ ハチの巣
銀のクジャク 緑
Posted by ブクログ
みんな、どこか遠くに行っちゃう話だった。騙されたカメは可哀想だよな。滅びたクジャクの国のクジャク達はどこに行っちゃったんだろ?一羽だけ残されたじいやが気の毒('・ω・')