【感想・ネタバレ】キーエンス解剖 最強企業のメカニズムのレビュー

あらすじ

営業利益率は脅威の55%超、社員の平均年間給与は2000万円超──。売上高は1兆円に満たないながらも日本の時価総額ランキングで第3位に入るのがキーエンスだ。日本を支えてきた製造業の弱体化が指摘される中、なぜキーエンスはこれだけの結果を残せるのか。その神髄は顧客の心をつかむ営業や商品開発、人材育成の仕組みにある。外部にほとんど明かされないキーエンスの正体に日経ビジネス記者が迫る。

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Posted by ブクログ

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高い基準の当たり前を当たり前に遂行できる文化こそがThe キーエンス。
その魅力は人が育たないわけがないと言える仕組み。
目的に合わなければ情報発信はしない徹底的な合理主義。
即日提案の圧倒的スピード。待ちの姿勢は一切なし。
強い組織の在り方が詰まった一冊。

◆「行動していたとしても、書かなければやっていないのと同じ」

◆評価体系は意外にもプロセス重視。
根底にあるのは、行動を変容させれば結果がついてくるという考え方。
さらに採用するのは性格的に負けず嫌いの社員。

◆ニーズの裏のニーズまで徹底的に聞く。
「タブレットが欲しい」の裏には営業効率を高めたいといった最終目的があるかもしれない。

◆キーエンスの仕組みは性弱説に基づいている。

◆営業実績の共有が会社の資産になるということを繰り返し浸透。
加えて会社への役立ち度が個人の給与に返ってくる仕組み。
トッププレイヤーより平均値を高める仕組みを海外でも意識。
同じ職場のこの人ができているのだから真似できそうと思ってもらう。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

転職斡旋をしている方々から、マネージャー・課長以上の管理職という役割での応募があった場合、キーエンスの人であれば係長・主任レベルの人からの応募でも会っておくという趣旨のコメントを読んだことがあります。キーエンスとはどんな会社なのだろう?と興味を持ちました。そして手にしたのが、高収益をあげており、従業員の給料も高額である会社、キーエンスを知ることができそうな本書です。
工業用の機器を販売している会社です。製造業の中ではトヨタカンバン方式という手法が広く認知されており、できるだけ在庫を抱えず適正な稼働を生み出すことが良いとされています。しかしながら、このキーエンスという会社は、在庫を持たないという発想ではなく、完成品の在庫をある程度抱えることで、注文から即納品することができています。商談の時には、デモで操作性の簡易さを実演して、顧客が望んでいる以上の商品提供ができています。
営業部門向け情報システム(SFA)が盤石に機能していることも本書を読むとわかりますし、営業マンが日々先輩社員とともに切磋琢磨しているロールプレイという仕組みを通して、販売力向上に常に取り組んでいたり、数値化と仕組みをきっちりと構築してビジネスを進めている素晴らしい企業だと理解しました。
真似できるところは、すぐにでも真似して良いと思うのですが、簡単にはいかないでしょう。自社の指標を個人の行動にまできちんと落とし込むことが必要です。その行動が、きちんと業績にプラスの影響が与えられるものかを確認できて良い循環が生まれます。私の中でキーエンスブームがしばらく続きそうです。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

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収益トップ企業の中身を知りたく読破。
交渉履歴の共有。誰に会うか、何が不足しそうか、他にお困りの方はいませんか?〜とにかく幅広にあっている。分単位での日誌、面談後5分以内に記録する文化。
18時からロープレを10分から15分開始。顧客側もさまざまな設定。年齢は関係なく改善点を言い合う。KPIがプロセス評価〜どれだけ実演したか。電話の件数。ロープレには台本がある。より細かな具体的な回答。分析シート〜累積取引社数、取引に関わった人数、商談に関わった人数、訪問者数、飛び込み回数、電話の発受信数、、、3人以上が打率が高い。ハッピーコール〜部下の提案がどうだったか上司が確認する。補足することが目的。電話も上司が横で聞く。営業がどこまでその先を知ってるか。現場からのニーズカード。何件から聞いたのか。即日回答!
やっていることはシンプルだがその精度や徹底ぶりが凄かった。モチベーションも維持されており理想的な企業運営。学びが多く初の星5つ。

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2024年05月30日

Posted by ブクログ

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キーエンスの強さの秘密に迫るレポート。
しかし、JustSystemに投資してたって全然知らなかった。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

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ゆるブラック企業=やりがいを求める若手を緩く働かせてやる気に答えられない企業。
キーエンスは属人的な才能に頼っているのではない。仕組みづくりと徹底的にやりきる強さ。やりきる風土。
目的をはっきりさせる、その過程で取引先も鍛えられる。
「キーエンスは化石にならない」常に変化し進化し続ける。

「他にお困りの方はいませんか。」常に新規顧客を探す姿勢と圧倒的な速さ。直接営業。代理店を通すオムロンとの違い。
営業は3年で一流になる。ロープレ1000本ノック。
週2日社内日、3日外出日。一日5~10件のアポ。外報は1分単位で書く。5件以上のアポがないと外出が許されない。外報は商談から5分以内で書く。すぐに書かないと真実が書けない。
SFAを徹底的に活用する。
個人の行動をAIで分析して成果を上げる。
顧客には月に3~4回は電話をする。電話の件数もKPI。
勝ちパターンのエピソードをたくさん抱える。商談に現場の人を同席してもらうこともそのひとつ。

採用は性格診断を行う。負けず嫌いの人を採用する。

営業担当者の上司が顧客に電話をかける=ハッピーコール。フォローとともに監視とサポート。
SFAの活用、データ分析と、人的なコミュニケーションの両面を追求している。

オムロンの営業車は購買部にいる。キーエンスの営業車は工場にいる。

即納にこだわる。即納は利益率を上げる。納期がかかると営業が時間を取られる。10万のコストをかけて1万円の商品を即納にこだわる。営業は営業だけで、他の仕事はそれぞれのエキスパートがいる。

営業利益の15%程度を業績賞与として還元する。
成果だけでなくアクションをとっているかで評価される。日々のアクションが結果につながる。
残業時間は57時間、業界の2倍越え。女性は結婚や子育てのタイミングで退職する人も多い。

行動の際に目的を考える。今日の目的は何か。
オープンでフラットな社風。丁寧語で話し、さんづけ=年下も年上もない。

社内に風紀委員がいる。突然の内部監査がある。嘘の情報を見逃さない。虚偽の報告は許さない。仮眠するなら、それを正直に記載する。
社内の仕組みは性弱説=人間は弱いもの、誘惑に負けるもの、という前提。弱さも含めて可視化する。

採用は20秒自己PR。ESや志望動機は不要。説得面接。
採用にかかわる社員教育が多い。面接の様子をビデオで見る。採用基準もアップデート。「キャリパー」と呼ばれる性格検査。背金管が強くプレッシャーを楽しめる人。考えるのが好きな人。

イデオロギーは結局好き嫌いの世界。経営には織り込まない。思想の統一ではなく事業を行う集団であればいい。カリスマ性はいらない。カリスマ性を求めるとバトンタッチがうまくいかない。
J&Jもカリスマ性を求めない。

海外でも製販一体。


20250626再読
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代理店は使わない。速さが圧倒的。
会社全体の受注が増えればボーナスに跳ね返る仕組み。
細かい情報でも集める仕組み。
仕組みとやり切る風土。
ロープレ1000本ノック。
1分単位で外報を書き込む。商談から5分以内で書く。
SFAを使いこなす。
一日にかけた電話の本数もチェックする。数十個のKPI
上司によるハッピーコール=相手先へのフォロー兼チェック。いいことも悪いことも上司が監視。
ID制度で、情報を上げて成約すれば金一封がもらえる。

商品企画部はニーズカードを必死で見る。
当日出荷が利益よりも大事。
ファブレスだが、生産子会社もある。試作や初期量産を担う。協力会社への監視の役目もある。
社員是認が経営二参画する=賞与に反映する。
時間チャージ=時間に対する意識を高める狙い。
社内に風紀委員=内部監査チームがいる。
嘘をついた人が得をすることをものすごく嫌う。嘘の情報から正しい戦略は生まれない。

採用には時間をかける。面接をビデオで分析する。
キーエンスでは私語禁止ではないが業務に必要ないブダ話はしない。

創業者の滝崎氏は尼崎工業の出身。機業回目でトヨタへの提案で目が出た。のちに創業事業は利益率が低いので切り捨てられた。

ジャストシステムは、キーエンスの傘下になった。スマイルゼミのソフトとサブスクで高収益体質になった。
キーエンスのDNAをもった企業が誕生している。横浜市のアペルザ、スニーピークビジネスソリューションズ。

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2025年06月26日

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