【感想・ネタバレ】シーソーモンスターのレビュー

あらすじ

バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」)
アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」)

時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。

【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】

※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画

〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(本作)
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』

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Posted by ブクログ

ネタバレ

螺旋プロジェクト作品

嫁姑、遺児同士の対立の2篇で構成された作品

シーソーモンスター
専業主婦が国家スパイという設定がありそうでなかなか見てこなかったので自分としてはすごく新鮮で楽しめた。その姑も実は、、というのも面白かった。

その対立している2人が腕を競うように尋問していくシーンがシュールさと残虐性が混ざって一番好き

自分を嫌悪する姑が自分と同じ境遇で、写鏡であることの皮肉が効いている

スピンモンスター
人口知能による支配の物語

人工知能ウェカセラリの破壊を目指す
構図としてはゴールデンスランバーやモダンタイムズに似てて個人対国家で懐かしさがあった。

内容がシリアスでいつもの軽いユーモアは薄かったけど、メッセージ性がその分強かったように思える。

・人間の歴史は、すべて争いだろ
・争いの間に小休止があるだけ
・争いはなくてはならないものだ。実験室でビーカーの中を撹拌するのと同じだ。かき混ぜなければ、実験にならないだろ。

0
2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○シーソーモンスター
面白かった!どうしても対立してしまう嫁姑が、どちらにも属さない夫を助けるために一時的に協力し、最終的にはお互いに丁度良い距離で共存を選んだ素晴らしい物語でした!

○スピンモンスター
シーソーモンスターよりも苛烈な対立をしている二人追う・追われる展開が大変面白かったです...。
裏で手を引く者の手強さが所々の描写から理解できるのがとてもゾッとしました!

初めて伊坂幸太郎さんの著書を拝読しましたが、伊坂さん自身の人格が素敵なんだろうな、と感じられる本でした...!あとがきもとても素敵で、螺旋シリーズの他作品を読みたいと思いました!

0
2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よくある話だが当事者にとっては大問題。の、代表格な嫁姑問題。
セツの嫌味も受け手が違えば年長者の的確なアドバイスだったかも知れないし、そもそも相手が違えばセツも言わずに済ませた言葉だったかも知れない。
何故か温和なやり取りが出来ない相手というのは確実に存在する。他の人とはそれなりに構築できる会話が、この人だとどうもうまくいかない。あれ?私ってこんなに性格悪い人なんだっけ…???って違う違う、これは私の話だ。あまりにセツと宮子の空気感に覚えがあって途中から自分の話にスライドしてしまった(笑)
え?
って事は海と山なの?
なんて。それならどんなにいいか。

セツと宮子はそれでもバディとして最高だった。
海と山のどうしようもない関係にいい形で折り合いを付けた。
セツと宮子、どちらもかっこよかった。
完璧に見える宮子の仕事がセツの目線になると雑さも見えるのがまたいい。

そして後半、スピンモンスター。
もしかして…と思ってしまったがセツの訳がない。そりゃそうだ。
でもセツに似てきた宮子が居た。
90歳のお婆ちゃんになっても頼もしさは健在で、あぁきっとセツも晩年まで元気だったんだろうなと思う。

中尊寺敦と水戸直人、檜山景虎の長い数日間。警察からの逃走劇のようで戦う相手は人工知能で。未来の予言が当たりそうで怖い。
田舎はどこまでデジタル化されるのだろう。
都会のニュースではスマートメガネによる盗撮問題を取り上げている一方で、私の実家がある超山奥はスマホを持つ人が最近増えてきたという状況だ。suicaをかざさなくても駅の改札を通れるようになるニュースも見たが、実家の駅はまだsuicaの導入すらされていない。
都会と田舎の落差がどんどん進んだ未来は逆に田舎の強さが出てくるのだろうか。

伊坂幸太郎には珍しく伏線回収されてないフックがあるが、中編ではちょっと足りなかったのかも知れない。一冊丸々ページを費やせたらなぁ。
拳銃で撃たれた水戸直人がサービスエリアで子供を助けた英雄と同一人物と世の中に知れたら。
檜山景虎のルール厳守のアイデンティティをもっと崩せたら。
寺井の手紙が何故「中尊寺敦という名前じゃないかも」とあったのか。
色々想像が膨らむんだよなぁ。

それでもとにかく面白かった!
他も読みたくなる。
と言うより読む。

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2026年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった!
セツ強い!セツと宮子の協力シーンアツい!!
ヴェレカセリは結局止められなくて、水戸は植物状態のようになってしまって、東西断絶の壁もできるかもしれなくて、なかなかしんどい終わり方。そのなかに少し希望があるだけなんだけど、不思議と暗くなりすぎない。

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2026年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂さんがまた面白そうなの出してるぞ、と手に取った作品。そしたら、「螺旋プロジェクト」の途中の時代だったけど、まぁ作家ごとの色があるし、話はそれぞれ完結しているだろうから、と読み始め。
嫁姑問題や苦手な人間関係が全て「海」と「山」のせいだったら、仕方ないよな、と思えるかな。それでも惹かれ合ったりする人もいるから不思議だし面白いよね、と思えた。そして伊坂さんお得意の殺し屋ワールド。その辺は現実離れしていて楽しく読めた。
近未来の話は、人の記憶の不確かさが怖い〜!ってなった。私の目にもレンズ入れて数年後に客観的に確認してみたい。

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2026年04月04日

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