あらすじ
江戸の“デリ”が舞台の美味しい人情連作短編集。
お雅が営む煮売屋「旭屋」は、旬の食材で作るお菜で人気。お雅の周囲でまきおこる騒動においしい料理が色どりを添える。
感情タグBEST3
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夫と離縁して、煮売屋の「旭屋」で女将として奮闘しているお雅。見世を開業するのを支援してくれたのは元舅。煮売屋に訪れる人たちとの交流と、四季の食材を上手に使った惣菜に癒される本です。
奉公のお妙とおようとお雅。桜の枝を見ながら三人で「女子会」するシーンが楽しそう。もちろんお酒のあてもおいしそう。
本書は料理をする描写がふんだんに登場するのが良いし、それをわしわしと元気に食べる仕事人のお客さんの様子も、読んでいて楽しい気分になりました。
夫の浮気で離縁されたお雅ですが、元舅の久兵衛とは今もいい関係という設定もなんだかすてき。それが原因で元夫に付き纏われるというトラブルもあしましたけど、それでも良い縁は途切れないでほしいものです。
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元祖ポテサラじじい登場の第一話から始まり、お雅の女将として、女性としての成長が心を温めてくれる。
「時代小説って古臭い話ばかりなんでしょう?」と思う人にも読んでほしい一冊。
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大店である酒屋の嫁だったお雅。だが、亭主の妾に子どもができたことから離縁。
元々、料理茶屋の娘だった雅は煮売屋を始まることに。
舅が用意してくれた店で朝から晩までお菜を売る日々。
うう、美味しいものがたくさん出てくる作品は大好きです♪
私は魚が苦手なのでつくれませんが、母が生前、父のためにイワシの梅干し煮を作っていたなぁと思いだしたりもしました。
毎日食べるものだからこそ、酸いも甘いもあるお菜。それはお雅を巡る人間模様のよう。
ご馳走様でした。
楽しかったです(*^^*)
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夫と離縁して煮売や「旭屋」を開いたお雅。美味しいお菜が評判で近隣のおかみさんたちや働く男衆たちで賑わっている。
そんな店には頑固な差配や恋に浮かれた常連客、昔の亭主まで現れて賑やかだ。
日々の暮らしやみせの切り盛りに忙しいお雅の一年を描いた作品。
様々な出来事が起きるが嫌なことや嫌な人がでで来ないのですべてが暖かく、うまくまとまる。
読後感のよい一冊。
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大店のお内儀だったのに子ができず外に亭主が子供を作り離縁して舅に絆されて煮売屋を営むお雅。舅が通ってこられるくらい近いのによく亭主に見つからず、人の口に登ることもなく2年間過ごせましたね。基本嫌な人間は出てこないのでゆったりした気持ちで読める。出てくるお菜がどれも美味しそう。浪人者で寺子屋の師匠礒谷とはこれから特別なことがあるのか、進展が楽しみ。
Posted by ブクログ
離縁した先の義父のおぜん立てによって営む見世。
そこには、色々な人がやってくる。
人情ものというべきなのでしょうか。
これまた料理が美味しそう。
そして時代が時代なので、あかぎれなど
細かい描写も。
元夫にばれないように、と暮らしていたわけですが
諸事情でばれて…な展開も。
坊ちゃんですから、楽な方へ流れよう、とするのは
ものすごく分かりやすかったです。
2番目さんは、これの手綱を握って…と思うと
非常に大変そうです。
それが解決(?)したかと思ったら、次は自分の母親。
丁寧に、美味しく。
お金を頂戴するのだから、と言われれば
確かに、です。