あらすじ
“写真”が暴くもうひとつの真相。あなたは見抜けるか
各章の最終ページに登場する一枚の写真。その意味が解った瞬間、読んでいた物語は一変する――。二度読み必至の驚愕ミステリ。
※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
道尾作品3作目。読んだ中では一番面白かった。「スケルトンキー」のサイコパス兄弟の設定や「ひまわりの咲かない夏」の信頼できない語り手よりもリアル志向な展開なのが好みだし、章の最後に提示される写真によって物語の真相が明らかになる構造も面白かった。
最後弓子が代筆した告白文が白紙だったことに救われない夫婦の間にある絆を感じた。また、竹梨の告白文も目の見えない邦夫が破いたことで世に出ることは無くなった。ただ、これでよかったのか。二人はもう殺人の罪を償うことができなくなってしまったし、おそらく子供達は人を殺したことをほとんど悔やまずに成長していく。
「平和っていうか」と表現される街の景色には、その美しさからは想像できないような人間の罪が渦巻いている。
Posted by ブクログ
章末の写真に隠された真相があるという面白い小説だった。
第一章の写真はぱっと見よく分からず、この写真は後で何かしら使うのかなくらいにしか思ってなかった。
その時は車で引かれたのが直前でアパートから飛び出した邦夫だと思い込んでしまっていたからだ。
のちに邦夫が出てきて「生きとったんか!」となった。
再度一章を読み返し、それぞれ雅也、隈島、邦夫の立ち位置と進行方向を元に地図とにらめっこしてみると答えがきちんと見えて、「なるほど!」と納得しすごくすっきりした。
二章以降の写真を見たときも、「え?」とか「やっぱりな」など面白い発見がありすごく楽しめた。
三章では竹梨がボールペンを持っていることがサラっと書かれていて、ここで書き込んだのかと驚いた。
この章は竹梨の過去や最後の嘆きは読んでいてとても辛かった。
珂と山内が最後に平和だと口にしていたが、よくよく考えてみると殺人を犯した人が誰も捕まっていないことに気づきゾクッとした。
Posted by ブクログ
非常に面白かった。
読みやすい。
以下ネタバレなので注意。
短編集であるが、各短編の最後に写真がある。
・各短編には謎があり、写真を見ればその謎が解ける仕組みになっている。
または、短編の内容がガラッと変わる。
最後の短編は全ての短編につながる。
Posted by ブクログ
各章、シンプルに面白かった!
第1章は、安見邦夫が実は生きていたというトリックにまんまと騙され、度肝を抜かれた。
第2章は少し怖くて、ラストが少し陰鬱な気分になった、、
あと写真を見た時にぱっとどういうことか分からなかったのが悔しい、、自分で真相に辿り着きたかった笑
第3章、1番唖然としたかな。1章で出てきた宗教団体があれだけで終わるのは少し味気ないなって思ってたけど、まさか竹梨刑事が入信していて、元上司の隈島の事故すらも虚偽の証言をしたり、真相に辿り着いた部下を殺したりしてたなんて。
終章は、竹梨の告白文は風に飛ばされ、邦夫の告白文は結局妻が書かなかったというオチで、最終的に、この物語で殺人を起こした人は誰も捕まっていないのに、呵と山内が自分たちが見えている部分だけで街を「平和」と勘違いしていることと、“街の平和を信じてはいけない”ってタイトルとが対立してる構造が秀逸やなと思った!
いけないⅡも読みます!
Posted by ブクログ
4つのミステリの連作になっているのですが、最後に写真が一枚ついて、それで謎が解決したり、真相が判明したりとどんでん返しが生じるという仕掛けです。
これはかなり特異なトリックですね。
すんなり分かるかというと写真を読み解かなくてはいけませんから、実は難しかった。ネットの特にGrokさんに解説していただいてなんとかついていきました。
写真の後に解説の頁が必要だったのではないかなぁ。まぁ話のタネにはなりますね。
Posted by ブクログ
最終章が良かったから最終章のみで星3。
最終章に全振りの作品です。
全4章で各章の最後に写真があり、それが誰がやったか?誰が死んだか?のヒントになる。
最後の4章でその答え合わせを描く。
4章のタイトル、「街の平和を信じてはいけない。」
殺人を犯した人は、罰せられる事も無く生活を続けていく。
少年2人は平和だと言い、罪を償おうとした大人は偶然で生きる。
終わり方は完璧だと思う。
Posted by ブクログ
ミスリード多いけど章ごとで
一応区切られるから読みやすい。
自分の理想しか認められない、
解釈違いは絶対認めないという
現実逃避している糞みたいな
自己保身の化け物が、
傾倒している宗教の活動が
妨げられないように隠蔽工作を
行っている様は怖い。
とある考察では警察内部でも
十王還命会の信者がいそう、
というのを見かけて納得した。
この本では殺人を犯した人間が複数人いて
そのうち5人も罪が明るみにならず
今も街のどこかで生きているという恐ろしい結末。
知ってはいけない平和。ほんとそう。
Posted by ブクログ
一章は事故で亡くなったのが息子だったのは驚いた一方でラストはねられた方は冒頭の地図をたびたび確認しながら読んでたので最後の写真を見る前に誰が死んだのかがわかった。あといるはずの夫をあまりにも無視した書き方はさすがにずるさを感じる。2章も写真を見る前にあいつなのではと予想はついて写真で予想通りだったんだけど怪異に近い彼の謎の説明があるのかと思ったらそんなことはなかった。3章は終盤で誰が入信しているか分かったので水元がどうなるのか予想ついてしまった。写真を見て手帳にどういう細工をしたのかは理解した。終章も妻が書いたふりをしている可能性も考えていたので意外性のない写真だった。
あとミヤシタさんが殺されなければならない理由が作品内で説明があると良かったなと思った。
全体的には向日葵の咲かない夏のような重苦しさはなく先が読みたくてすぐに読み終わり気軽に楽しめた。