【感想・ネタバレ】ナポレオン 2 野望篇のレビュー

あらすじ

1796年、26歳のナポレオンは、イタリア遠征で数々の歴史的勝利を収めた。パリに凱旋し、次に向かったのはエジプト。灼熱の砂漠を行軍し、華々しい勝利と手痛い敗北を繰り返す中、ナポレオンはイギリスやロシアをはじめとする諸外国が対フランス大同盟を結成し、フランス本国が危機に瀕していることを知る。――フランスを救えるのは、俺しかいない。急遽帰国したナポレオンはクー・デタを起こし1804年、34歳でついに初代フランス皇帝の地位に就き、ヨーロッパ諸国との全面戦争へ突入してゆくのだった。第24回司馬遼太郎賞受賞作。激動の第2巻!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「できることなら、私は世界を征服したいと考えている。シャルルマーニュのように大帝国を築きたいと思っています。」(本文抜粋)
ナポレオンがこうも自身の野望に突き動かされたのは、故郷コルシカから拒絶されたことにありました。(1 台頭篇参照)
故郷の為に一身を捧げた結果、彼は憎きフランスへの逃亡を余儀なくされます。

帰るべき故郷がないならば、ナポレオン・ボナパルトによる覇権国家をひとつ創ってしまえば良い。
フランスにて常勝将軍の地位を確立するうち、彼はいつしか意識するようになります。
今の地位は、そのための道具に他ならないのだ、と。

第1章 冒険
 ナポレオンは国家の重鎮タレイランに野望を打ち明ける。
「そのためには、戦場に出られてはいかがです」
エジプトへ進路を決めるが、地中海に敷かれたイギリス艦隊の網をどう切り抜けるか。

第2章 エジプト
 上陸、そして征服を果たすフランス軍だったが、イギリス艦隊提督ネルソンに帰路を閉ざされてしまう。イギリス艦隊の補給元シリアへ向かうも、そこではペストが猛威を振るう。

第3章 権力
 エジプト遠征中、フランスは窮乏に喘いでいた。五総裁の無能を確認したナポレオンは、シェイエスと共にクー・デタの決行を決意する。

第4章 戴冠
 今や第一執政と地位を確立させたナポレオンを、不意の爆弾が襲う。暗殺を企て、混沌たる革命の時代への逆行を望むのは誰なのか。

第5章 覇業
 仇敵イギリスへの侵攻は失敗に終わった。それでもナポレオンは、自身の野望の為に未使用の軍隊を東のドイツへと向ける。

見どころ
1.フランスを常勝国に成らしめた戦術
ナポレオンが率いる軍隊は、急行軍が当たり前でした。並み居る大軍に対し、一瞬でも数的に上回ることで勝利をもたらしたのです。移動手段が徒歩のみだった時代において、軍隊をいかに自由に出現させるかは勝敗を分ける要因だったと思われます。

2.問題の尽きることがなかった女性との関係
ナポレオンには妻がいましたが、醜聞の尽きることがない女性だったそうです。自身も常勝将軍の栄光を手に入れていたナポレオン、妻への仕返しか他国で女性との関係を作っています。そのような夫婦仲は軍隊内外問わず有名で、なんと仇敵イギリスでは戦争のプロパガンダとして利用されました。

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2023年09月02日

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