【感想・ネタバレ】海がきこえるⅡ アイがあるから〈新装版〉のレビュー

あらすじ

大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。
「その年上の女、たたるぞ」という松野の言葉が拓の脳裏に甦る。不倫の恋に傷ついた知沙。離婚した父とその再婚相手との間で傷つく里伽子。どうしたら人を守れるのだろう?
さまざまな思いと痛みが交錯しながら拓は東京ではじめての冬を迎える―。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

有名なタイトルの続編は、あまり印象的な作品がないと勝手に思っていたが、これは前作とはまた異なった視点から読めた。
今回は、大学生になった主人公とヒロインとその周囲の大学生や大人が登場する。
私自身30代社会人ということもあり、ヒロインの態度や言動には若いな…という印象が強く、むしろその周りの大人の言動に共感してしまうところもあったが、大学でのキャンパスライフや、当時の友人との関わり合いを思い出しつつ読むと、主人公やヒロインのことがよく理解できる気がした。
また読みたい一冊。

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1990年代、女の子に連れ回される男の構図も今はないものだから新鮮だった。爽快でもなく、ハートフルでもないのに読み終えた後にじんわりくるのは、アイという主題と、里伽子が見せた弱みと、手を繋いだ二人を読めたからか。
作中のおばあちゃんのビデオを見た後の気持ちと同じような気持ちになることを狙って作者は作ったのかも。
昔の大学生の話で、村上春樹とは違って遠くに感じなかったのは、親の姿を物語に見たからか。
あと女のひと同士の静かな争い、読み応えがある。展開が大きかったからドキドキしたのか。
里伽子っぽい知り合いが全く思い浮かばなかったことで憧れパワーで楽しく読めたのかも。
あとは、最後がすごい良い、「この夜はそのためにある」ってとこ、前作で主人公たちが高知城見た時の心情と同じ、繋がっているのかも。ひとりでいる時に読みたい文章。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初巻よりも、むとうりかこの事好きなった。不倫からの略奪婚…?妊娠流産という内容は重くてびっくり。私がりかこの立場だったら、不倫相手を選んだ父親のこともその相手も絶対に受け入れたくないだろうなぁと思う。お母さんを裏切るみたいで、
りかこはわがままでいじっぱりで友達にいたら絶対嫌いなタイプだけど、憎めない。そしてちょっとだけ羨ましい。私もりかこくらいわがままな女の子してみたい。
りかこと対照的な位置にいる津村知沙も、既婚者と不倫して別れて離れてそれでも好きで、待ち伏せして偶然を装って会いに行ったり、奥さんに会いにあったりどうしようもないけど、憎めない。
最後の終わり方が個人的にはイマイチだけど面白かった。

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2024年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海がきこえるを読み終わり、大人になったふたりが見れるなんて嬉しい!とおもってすぐ読んだ。
IIは津村知沙が不倫相手の奥さんに会いに行ったり、流産の話など出てきて、内容的にはなかなかハード。
お父さんの再婚相手の美香さんと里伽子と拓で食事するシーンは拓の気持ちになると逃げ出したくてたまらなかった。笑 里伽子はいろんな感情がぐちゃぐちゃになってどうしようもなくてすぐに暴走しちゃうけど、素直でまっすぐで可愛らしいなぁと思う。どんな気持ちも拓にだけは受け止めてほしいよね。
里伽子は美香さんが流産してしてしまった時、その様子を近くで見ていて凄くショックを受けていたけど、この経験をしたから憎いはずの相手である美香さんにも少し優しい気持ちを持つようになれたのかなと思う。
美香さんだっていい思いばかりしてるわけじゃないもんね。
里伽子や拓が少しずつ大人になっていく様子が感じられるのが読んでいて嬉しくて少し切なかった。

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2024年10月15日

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