あらすじ
「死んだ人のことはちゃんと可哀想にしてあげなきゃ駄目でしょう。」
一度読んだら引き返せない、怪異が侵食する恐怖のネット怪談。
インターネット上に伝わる多くの怪談。
その中に何故か特定の「あの子」が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。
とある掲示板のQRコード、インタビューの書き起こし、出典不明な心霊写真、匿名のメールデータ。
筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラーモキュメンタリー。
一見バラバラに見える情報から、浮かび上がってくる「ネット怪談の裏側の物語」とは。
──「もうやり直せないよ 残念でした」
【目次】
第一話 これは横次鈴という人が体験した怪談です.docx
第二話 behead-コピー
第三話 受信トレイ(15)
第四話 ##name1##
第五話 0x00000109
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Posted by ブクログ
最高に後味が悪くて、最高でした!!!
同人界隈の解像度など、どの描写もリアリティが高いからこそ不気味さがひしひしと伝わってくる。
そしてどういうことなんだ?と読み進めていくとラストは本当に悪意に満ちていて最悪で、これはまんまとやられました。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた梨さんの本を正月なので買って読んでみた。
「かわいそ笑」、遠回しにこんなに悪意が伝わるタイトルがあるでしょうか。
「横次鈴」にふりかかる多数の怪異。
ネット掲示板等に怪談や奇妙な話はたくさん転がっているため、目にすることはよくあるが、興味本位で沢山調べることが恐ろしくなります。
各話繋がっている部分があるが、その真実は完全に明かされることなく、そして誰にもわからない…
「これは〇〇さんが実際に体験したお話です。」
〇〇に自分の名前が入れられた状態で語られる恐ろしさ!
現代ホラーの最先端を味わえました。
Posted by ブクログ
最悪でした。(褒め言葉)
イラスト?見て唸ったし。
この本をくれた人に「めっちゃ怖いよ〜…」と文句を言うくらい。
体験談系の話の寄せ集めって事かな?好き好き、面白い〜と思いつつ読み進めて
いや、悪意やば……。
脳内音読について言及するのはやめて貰えませんか?怖いよ。
あのトイレはOD用の薬の引き渡し場所なのか、ドラッグなのか、売春なのか少し気になった。
「俺」は何人いるんだ?と思ったけど、ラストの方までいってやっと何となく納得?かな。
あと、設定的に、ギリ20代の私で通じるくらいだから、それより少し下、20代半ばになるともうわからないかな?
個人サイトって、スマートフォンの登場後、一気に廃れたから。
最初から最後まで気味も後味も悪い、悪意に塗れた作品で面白かったです。
Posted by ブクログ
2000年代のインターネットをうまく使った、自分の好きな仕掛け(梨さんの好きな仕掛けでもある)がよい。本・小説という媒体を最大限利用しているのも好印象。特に、小説を読むときに当然やるであろう主体の想像を呪いに変えてきたのは感心してしまった。読み手に危害を加えてくるタイプのホラーであればこれくらいやってもらわないとね!
Posted by ブクログ
インターネット黎明期におけるホラーサイトの閲覧者と恐怖体験を、体験者から聞いたことを筆者の伝聞形式で集めた(体の)モキュメンタリー。その時代のインターネット特有のキツさと話自体の不気味さ、バラバラの話が明らかに繋がっていることにかなり最初の方に気づかせられるのに核心にはなかなか踏み込めないことへの焦燥感があった。
面白い読書体験だったけど記憶から消したいレベルで不快感も残った作品。
Posted by ブクログ
あーあ、自分も呪いの加害者になっちゃった。
普段、自分が本を読む時の癖がまんまと…
モキュメンタリーホラー2作目にしてはなかなか難しくて、考察読んで自分の考えと合致して安心した。これは評価分かれる。
恐怖!というより、ジワジワくる薄気味悪い怖さ。
かわいそ笑
Posted by ブクログ
被害ではなく加害を押し付けるのが斬新。
とはいえ、最先端(出版は3年前だけど)のモキュメンタリーを楽しむのにはデジタル機器が必要ってのがなんとも。
Posted by ブクログ
昔のインターネットに触れていたかどうかで恐怖の度合いが変わりそうな気がした。
ネット特有の用語とか空気感とか、あんまり知らない人からしたら全体的にハテナになりそう。
私はインターネット黎明期よりも後に生まれて噂で昔のインターネットを知っているくらいなので、昔のインターネットにあった怖い話、という感覚で読めた。
あんまり実感として怖くはなかったかも。
「お前の死因にとびきりの恐怖を」を先に読んでいたのだけれども、この2作品にはどこか似通った空気を感じた。
「お前の〜」はポジティブで「かわいそ笑」はネガティブ要素が強いけど、どちらも似たような景色の道を歩いている気がする。
初めのQRコードを読み込んだらTwitterに飛ぶ仕様が1番ドキッとした。
Posted by ブクログ
匿名掲示板や個人サイト文化の描写が丁寧だっただけに夢小説についてももう少し深堀りしてくれて良かったんじゃないでしょうか。となり、そこでやや引いた視点になってしまった。私はXX年前から夢小説真剣部なので。でも痛いあとがきの書き方は完璧。なんならもっとウチらの古傷抉ってよかったよそこで。たぶんそういうのがいちばん呪いとしても効くと思うし絶対。オタクには。局所的に。
梨作品はwebメディアとの相性が良いし、これもネット文化を絡めた話だったので、わざわざ本で読む意味あるか?と思ったけど最後にダメ押しでトドメ刺してくる感じはさすがやな〜と思いました。
参加型
読者参加型の物語。ホラーと言うほど怖くはなかったが、虫のシーンなど、ぞわぞわする描写が上手いと思った。ネットの記事やブログに載るような怖い話はほとんど読んだことがなく、『かわいそ笑』も人のおすすめだったので、このようなジャンルは新鮮だった。