【感想・ネタバレ】新・水滸伝(一)のレビュー

あらすじ

中国は宋朝の時代、勅使として龍虎山に派遣された洪信は、厳しく禁じられた石窟の中を掘ったため、封じられた百八の魔星はどっと地上に踊り出た。やがて、その一星一星が人間と化して、梁山泊をつくり、天下を揺さぶる。――これが中国最大の伝奇小説「水滸伝」の発端である。「新・水滸伝」は、少年時代からこの中国古典に親しんだ著者が、思うままに意訳し、奇書の世界を再現する一大絵巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初・水滸伝。 未完で終わったと知りつつも、読み始めてしまった。

<ネタバレ>
えらいたくさん登場人物がでてくるのは知っていたけれど、それがなぜ108名もいるのかは知らなかった。人間の強欲によって開かれてしまった扉。そこから弾け出た108名の星宿。
何かに流されるがごとく、梁山泊へと集まってゆく。

大義名分、同情に値する理由は大きくあるけれど、それでも殺戮にまみれて自らの手を汚してきた登場人物たちが”悪の根元”である高俅を成敗せんと向かって行く。善悪の棲み分けが曖昧なようでいて、とても明確であることの矛盾が面白い。

一番好きなのは、黒旋風・李逵。吉川英治の描く黒旋風は、とんでもなく無邪気で、いつだって迷惑を背負ってやってくるくせにどこか憎めない。最後の最後も彼のおちゃめで笑えるエピソードで物語りが終わってしまっているのも、巡り合わせだなぁと思う。作者の彼に対する愛情がとても良く伝わってきた。

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2013年07月20日

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