あらすじ
わが国のコーチング界をリードする第一人者による、誰にでも、今すぐできて、自然に続く、
究極の人材マネジメント・メソッド。それが、この「3分間コーチ」です。
骨子は、著者がニューヨーク大学での講演でも話し、世界中から集まったコーチ達の喝采を浴びました。
もともとは、アメリカで生まれ、著者は、はじめてそれを本格的に日本に導入したことで知られますが、
それを、日本ならではの人材マネジメント手法として進化させ、それが、欧米からも注目されているのです。
その基本は、コーチングのスキルではなく、まず、部下のために3分の時間をとること、部下のことを考える時間をとることです。
マニュアル通りの質問技術を覚えることではなくて、部下を理解し、部下に話させ、部下を成長させることを目的とします。
では、具体的に、どんなときに、部下は、上司との会話を求めているのか?
本書では、その「場面」をあげることに重点が置かれています。
なぜなら、さまざまなマネジメント法はあっても、実際に、いつ、どんな場面で、
どんなふうにつかったらいいのかがわからず、結局はつかわれないのがほとんどだからです。
さらに、今すぐにでも可能で、部下にも上司にも負担がかからず、かつ、効果が高い。
そんな方法があるの? と思われるかもしれませんが、あるのです。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
2008年と、20年近く前の本と知ってびっくり。
プレイング・マネージャーとして忙しいマネージャーのため、日常的な「3分間」程度のコミュニケーションで、部下育成、チームの力を引き出すための工夫集。
一読では咀嚼しきれてない気がするのと、「コーチングの理想」が書かれていて、逆にほんとにできるかな、、、が不安になるのだが…そこはstep by step.エッセンスだけ捉えるのと、自分自身が良い心の状態を保つということで。
p.20 マネージャーの役割
1. スケジュール管理とタイム・マネジメント
2.実施戦略の立案(仕事の優先順位。部下1人ひとりの能力とスキル)
3.リスク・マネジメント
4.判断(必要な決定/必要な上位者への決定依頼)
5.部下育成
p.27
なにを話すかよりも、3分間その人のために取る、そのこと自体が、その人を大事にしていることを伝える
p.29
ふだんから部下について考える時間をとる、
会話をメモする
・今必要としているスキルは?
・強みは?
・どんな能力を持っている?
・今の仕事を選んだ動機は?
・過去の成功体験は?
・今、どういう状態にあるか?どこを向いているのか?
・どんなときに、いちばん力を発揮するのか?
現在の部下が何を思っているのか。どこでつまづいているのか。
部下全員分のデータベースをつくることで、毎日部下1人ひとりのことを考えることで、コミュニケーションを交わす起因に。
p.41
毎朝、今日一日のビジョンやスケジュール、To Doについて3分間のコーチングで業務効率アップ
p.47
気づき⇒熟考⇒選択⇒行動
p.50
アイデアと実行の間には深い溝。コミュニケーションが橋渡し
p.74
新しい仕事を始める前は、コーチングに最適の場面
p.81
異動者のコーチング
①異動先で求められる能力・業績について明確化
②現在の自分の能力の棚卸(総点検)
③異動先で起こりうることについて想定
p.103
・怒らない。しかし、注意はする。
・相談がなかった案件には厳しく対処。
・「相談した時点で責任は自分に移る!」という。
・指示は的確に。あまり多くは求めない。
・資料やデータの提出日は「いつまでだったらできる?」と確認して決めさせる。
p.122
・そもそも部下は話さない
自分の意見に自信がないとき
上司の意に沿わないことを行ったら責められる
どうせ言っても無駄
⇒
頼られている、認められると感じるとき
安心感があるとき
自分へのリクエストがはっきりしているとき
居場所
p.141
・ビジョンはつくり続ける
ビジョンは、コミュニケーションを交わす中で鮮明になっていく
ビジョンは、つねにそれについて語り続けていないと、すぐ見えなくなる
p.153
・問の共有
近い将来、我々が遭遇するリスクは?
我々のサービスはいま世界一?
いま、仕事に情熱を持ちこんでいるか?
p.156
・個人の目標を設定
What's in it for me?
会社や組織の求める目標から自分個人の目標を見つけさせる
p.166
フィードバック:事象の結果に対する制御機能
フィードフォワード:何かの朝貢に対し、起こっていなくても制御機能
p.182 人は、変化しないことのリスクが、変化することのリスクを上回ったときしか、変わろうとしない。
p.194
部下について考える時間。部下と「コーチング・カンバセーション」を交わす時間。この二つの時間は連動して機能。
Posted by ブクログ
円滑な部門運営に欠かせないのは一人一人の信頼関係で、信頼関係の醸成に大切なのが日々のコミュニケーション。
そのコミュニケーションの仕方について具体的なテクニックを含め記載されていて読みやすかった。
本書に書かれていることを違和感なく行うにはそれなりの練習が必要だと感じたが、部下のデータベースを作ったり、会話のログを残しておくことはすぐに取り掛かってみようと感じた。
Posted by ブクログ
相手のために時間を作る行為自体が「あなたを大切にしている」メッセージになる。
話すのは何かのついでで良い。一緒に何かについて話す。
3分をないがしろにすると、後で1時間かかることになる。
向こうから声をかけられる前に、自分から観察して声をかける。
普段から部下のことについてだけ、考える時間を持っておく。リストで欠けているところを雑談から情報収集。体調や誕生日など。
会話の後のセルフトークが重要。気づきを熟考→判断→行動
遅れの原因5つ①優先順位不明、②スキル不足、③優柔不断、④評価への不安、⑤モチベ低下
解決はポイントおさえて迅速なコミュニケーション。
外側から来る変化に対して、良し悪しに関わらず人は受け身になる→ストレス
自分から働きかける変化は責任や自立をもたらす機会になる。
変化が来る前に自分から起こしていく!
問題や課題は上司が解決せず、部下にどう向き合うかをコーチしていく。知識やスキルを挙げて身につけさせる。コミュニケーションの機会にする。
not to do リストを作る。
人が求めているのはアドバイスではなくブレインストーミングの相手。
イメージやビジョンは記憶できない。毎回意識する。
人間は常に非生産的な「本当かな」「大丈夫かな」との問いを持っている。別の問いを投げかけ続けることが大切。
それで私はどうなるのか?を誰しもが気にしている。目標を共有することで、互いに協力できる。人は楽しさの中で成長する。みんなで有能になる。
話せば自分の理解も深まり状態もわかる。
Posted by ブクログ
ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術
• 2つの時間:①部下について考える時間をとる②部下と的を絞った短い会話をするための時間をとる。
• 情報の収集と伝達だけがコミュニケーションの目的ではない。それ以前に、相手を認め理解しようとすることそのものが目的。
• 部下について知りたいこと:①基本的な情報(誕生日、趣味、家族構成、これまでの業績)②今の状態(体調、人間関係、仕事との相性)③仕事のスキル、タスク④能力(リーダーシップ、コミュニケーション)⑤適性、キャリア
• セルフトーク(会話の後、自分の内側で続く会話)が人の行動を決定する(会話そのものではなく)
• なぜ、決めたことが実行されないのか?:アイディアやプランを実行に移すためには、相応の量と質のコミュニケーションが必要(アイディアやプランと、実行の間には溝がある)
• 上司のいうとおりに部下が動くなら、上司はいらない
• 業務を妨げる(スピードを遅らせる)一般的な要因:①優先順位がわからない、間違っている②スキル不足(実行のためのスキルが足りない)③優柔不断(小さな取捨選択を迷ってなかなか決められない)④不安(失敗や自分に対する評価の恐れから、途中経過の開示が遅れる)⑤モチベーションの低下(たいていは①~④の結果として起こる)
• これらは、みな早めに上司に相談する、質問する、要望する(=アウトプットする)ことで解決する
• 部下がコーチを求めるとき:プロジェクト(仕事)の①開始時、②途中段階、③終了後次のプロジェクトへ移行するとき-仕事の開始時がベストタイミング
• 常に聴く姿勢でいる
• 部下の態度は、上司の態度の反映
• 新しい部署でのマネジメントのコツ:①いつも話しやすい環境をつくる②夕方はパソコンを閉じる③どんなに忙しいときでも部下から話しかけられたら、それを聴くのを最優先にする④機嫌がよいときも悪いときも対応を変えない⑤みんなが困っていることに関しては、部長に掛け合うなどすぐ解決する方向に動く⑥話をするときは腕を組んだりふんぞり返ったりしない⑦話の腰を折らないで徹底的に聞く⑧怒らない、しかし注意はする⑨相談がなかった案件には厳しく対処する⑩「相談した時点で責任は上司である自分に移る!」と言う⑪指示は的確に、そしてあまり多くは求めない⑫絶対にやること、やらなくていいことを明確にする⑬資料やデータの提出日は「いつまでだったらできる?」と確認して決めさせる⑭人によって受け取り方が違うので、重要なことは一人ひとり伝え方を変える⑮すべてにおいて、なぜやるのか、どうしてやらなければならないのかを説明する⑯「全部やれっ!」といってもできないので、指示にメリハリをつける。
• 気の利いたことを言わなくていい
• 「何かあったらいつでも聞いてね」では聞けない→部下が質問できるようにするのが上司の仕事
• コーチング・カンバセーションの具体例:①スケジュールについて聞きたいことがある②会社のビジョンやミッションについてどう思っているか聞きたい③営業のスキルについてたずねたいことがある④ストレスはたまっていない?⑤休みの取り方、相談してね⑥パソコンなど、ツールの使い方で困っていない?⑦人間関係、コミュニケーションについて少し話そう
• アクノレッジメントの定義:相手に現れている違いや変化、成長や成果にいち早く気づき、それを言語化して、相手にはっきり伝えること(望ましくは、相手が自分自身ではまだ気づいていないことを先に察知してそれを伝えることができればより効果的なアクノレッジメントになる)
• 人は、自分のやったことを通して、自分自身の成長や変化を知ることに喜びを覚え、そのこと事態に達成感を持つ。この「自己成長感」が人のやる気や自発性を強く促すエネルギー源となり、人を結果重視型から、プロセス志向型に移行させる。そして仕事自体を楽しむようになる。
• 部下の肯定的な態度や行動をアクノレッジメントすることで部下を方向づけることができる
• 信頼関係を築く:互いに「居場所」をつくる
• お金のためではなく、恐れからではなく、好意と信頼のなかで、人は進んで仕事をする
• 要望する:部下からの「ノー」を恐れない。本当の信頼関係は、してほしいこと、してほしくないことを要望することによって築かれる。(そもそもコミュニケーションとは相手に要望すること。①話を聞いてほしいときには「私が話しているときにはこちらを見て聞いてください」②後輩の育成を求めるのであれば「後輩の話を聞いて、彼を育ててください」③納期を守らせたければ「納期を守ってください。時間どおりに出社してください」
• 決して脅すのでものなく、命令するのでもなく、遠まわしな言い方でなく、目を見てはっきり<要望>する
• ビジョンはつくり続ける
• 「問う」のではない。問いを共有する(会社のコミュニケーション活性化に必要)
• WIIFM:What's in it for me? 私が手にするものは何?
• 互いの個人の目標を公開すると、その達成に協力しあう環境が生まれる
• コーチ型マネジャー:①シャドーイング(ベテラン社員に影のようにはりつき、その一挙手一投足を見逃さずに学んでいくという技術の訓練法②モデルとなる、モデルを学ぶ
• いいマネジャーは、そこまでやる:①部下たちの不平不満を徹底的に聞く。ノートに事細かに書き取りログを残す。しらみつぶしに確認し、打てる手をうって信頼感を勝ち取った後、次に、自分が彼らに何を期待しているのか、何をしてほしくて、何をしてほしくないかを伝える
• 会話することは楽しい:この思いが真に人の自発性や自律性を引き出す