【感想・ネタバレ】梟の一族のレビュー

あらすじ

梟の一族――。誰ともなくそう呼びならわされた限界集落で身を隠すように生活している住民たちには秘密があった。彼らは眠らないことに加えて、生まれつき常人離れした身体能力を保有しているのだ。それゆえに歴史の影で大きな役割を果たしてきた。榊史奈は一族の末裔中、唯一の十代として期待を一身に背負いながら平和に暮らしていた。集落が何者かにより襲撃され、一名が死亡し、その他全員が彼女を残して消えてしまうまでは……。敵の目的とは一体何なのか? 単身で逃亡生活に追いやられた史奈は一族の生存を信じて、また己のルーツに関する真実を知るため、戦い続ける。サイエンス×忍者エンターテインメント。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

滋賀の山奥にひっそりと生きる、忍者の末裔の集落で起きた事件が発端となる物語です

(他の方のレビューにある、「もっとアクションが読みたかった」に関しては、文庫背表紙についているあらすじがアクションを予想させる煽り文であるのが悪いと思います。特に「襲撃者と戦い続ける」の一文ですね。これがミスマッチの要因かと)

個人的に、一族の者以外は何者も信用するなとの史奈(主人公)の祖母桐子の教えの故に、史奈自身にとっての敵・味方が目まぐるしいほどに入れ替わる(正確に言うならば、そのように見えてしまうという感じ。後から思えばそれぞれの登場人物は一貫した論理で動いています)のが臨場感があってとても楽しめました。

睡眠を必要としない、という一族の特性と、それを巡る睡眠研究者、一族の特性を引き継がなかった「カクレ」という者、里を降りた者、それぞれの思惑が交差して、しかしそれぞれの真意がきちんと伝わらないところにヤキモキしました。

そして、物語は一族の負の歴史、「シラカミ」という一族にしか現れない奇病を患った者と彼らへの一族の非道な扱いに収斂していきます。

研究者は一族からシラカミになる者をこれ以上出したくなかった。史奈の母希美は、娘がシラカミになるのを防ぎたかった。眠らない一族の中で眠る子供として生まれた者の疎外感、眠りを必要とする人類の中で眠らない特性を持つ一族が感じる疎外感。シンプルに性格が忌避されて希美の許婚になれなかったのを、一家からシラカミが出てからだと逆恨みに走る「村雨」という男の悲哀。

属する集団が変わるとマイノリティが変わるという史奈の言葉も示唆的です。

複数人の日誌が入れ替わり現れるような書き方の文章が苦手な方は読みにくいかもしれませんが、慣れれば臨場感をより強く感じられてよいですよ!おすすめです

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

23/12/13〜12/20

梟の力を個性として認めてほしい
特別視しないでほしいと願う史奈

成長、アクション、サイエンス、忍者、いろいろな要素がバランスよくあって楽しめた

続きももちろん読む

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半部分から飛ばしてました。
グイグイ引き込まれます。
途中で急に主人公が乱暴になるのが
印象的かつ良い感じです笑

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2022年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者初読。ずっと気になっていた本で、やっと読めた!そして期待を裏切らなかった!面白かった!特殊な体質を持つ一族<梟>の話で、一族が住む里が何者かに襲撃されるところから物語が始まる。登場人物が全員適度に怪しくて、誰が味方なのか、最後までハラハラドキドキ。シリーズ化されているようなので、続きが楽しみ。でも正直「トゥンク」ってなる場面はいらなかったなぁー

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「梟」とよばれる忍者の末裔。梟が住む集落が何者かに襲撃され住民が行方不明になる。誰に何のために襲撃したのか…。唯一残った高校生の史奈が行方不明の住民を探す話。

帯にミステリー×化学と書いていたが、化学はあまり?出てこず。設定が面白くて、楽しく読めた。
続編も読みたい。

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

滋賀県の山の中の限界集落にひっそりと暮らす梟の一族。そう聞くと、甲賀の忍?とまず思う。

梟は、眠らない。睡眠を必要としない一族なのだ。
梟の一族が住む集落が、ある夜襲われた。
祖母の指示で風穴に隠れ、たった一人残った梟純血の娘、史奈。
行方不明となった一族の皆はどこにいるのか?生きているのか?

現代を生きる忍の、エンターテイメント小説かと思いきや、意外にも梟の一族の謎に迫るサイエンスミステリーでもあり、若い史奈の成長物語でもあるように思えた。

最後まで、先が気になり一気読み。
少しごちゃついた部分もあったけれど、勢いで楽しく読み切った。
出来たら、これからの史奈たち梟の一族を見てみたい気がする。

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「梟の一族」を読み終え、最も印象に残ったのは、一族に代々伝わる神秘的な儀式でした。それは単なる儀式ではなく、一族の命脈を繋ぎ…

もう少し、梟についての深掘りが欲しかったかな。

カバーデザインがとても素敵。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内省的な読書体験が続いていたせいか、本作のエンタメ感にはシンプルに気持ちが高ぶった。自制的で落ち着いているけど等身大の女の子がなにやら”普通”ではなさそうだ、と思わされる幕開けはたまらなかったし、ホテルでの軽やかな脱出には声が出そうになるほどワクワクした。男子なら一回はこんな妄想してるんじゃない?
ただ残念なことにそこが興奮のピークとなってしまった。もっととんでもないアクション活劇が繰り広げられるかと思っていたけど、物語は梟の一族としてのアイデンティティに重点がおかれていくことに。それも決してつまらない訳ではないんだけど、もっと爽快な超人ぶりを期待してしまっただけにミスマッチで消化不良になってしまった印象。。
あと恋愛要素は必要だったのかな?里の外の世界で生きていく、という側面を描いているのだとは思うけど、取ってつけた感は拭えなかった。

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2022年11月08日

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