あらすじ
かつて防衛庁の非公開組織に所属していた、丹原朋希と入江一功。2人の胸には常に、自分たちが救えなかったある少女の言葉がある。同じ“希望”を共有しながら、情報機関員とテロリストという、まったく異なる道に分かれた2人。入江たちが仕掛ける最後のテロで、もはや戦場と化し、封鎖された東京・臨海副都心。日本中が見守る中、この国の未来をうらなう壮絶な祭儀が幕を開けた。新しい何かは生まれるのか? 前代未聞のスペクタクル、驚愕の完結篇。
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Posted by ブクログ
福井晴敏氏は正しいと思う。
福井氏に添って生きていきたい、という思いばかりが強くなる。
「国益という名の重石を抱え、救援の手をこまねく政府の無策
――組織の論理がもたらす感性の硬直が、臨界副都心に取り残された一万の人間を殺す。
助けようと思えば助けられない道理はないのに、
無名の他所を人間と捉えられない想像力の欠如、
なにごとも合理で量る感性の摩耗が人を殺す。」
と、世の中を冷静に見極めたうえで、
「個々人が指の先ほどの美徳を発揮すれば、
がんじがらめの世界が救われる余地はいくらでもある。」
というシーンへと発展させる。
この辺りの美しさが、たまらない。
それから主要メンバーの幕の引き方、
ラストシーンへの展開の見事さ、
朋希と一功の戦い、戦い後の状態、
そのどれもが完璧すぎて。
さすがにこれだけ何冊も出してくれると、
主人公とその仲間(味方?)は死なないのだろう、
という予想はたってくる 笑
でもそれに関して不自然だとか、そんなことはもう思わない。
非現実的なことといったらどうせ、お台場が戦場になることからして、
「作り物」以上の何ものでもないから。
登場人物も、誰もかれも好き。最高。
人間くさい描写が特にないのに、
(性的な言葉はいっさい出てこないし、他愛もない描写・会話などもゼロ)
ものすごく人間味に溢れているキャラクターが、
大勢出てくる。
どの世代のどのタイプの人間も、すべて好き。
そして最後、参考文献のあまりの少なさに驚愕した。
自衛隊や兵器、戦場、国際情勢、経済、右翼、左翼・・・
何から何まで、専門的な知識に溢れているシーンを、
圧倒的なボリュームと緻密な描写で構成しているにも関わらず、
参考文献がたったの3冊って!!
いったいどれだけの知識が、福井氏の頭の中には詰まっているのだろう。
自叙伝的なものを読んだときには、
ぜんぜんそんなタイプに思えなかったのに 笑
・・・とにかくまあ、すごすぎる人だ。
Posted by ブクログ
久々の大作でした。この国の在り方を考えさせられる内容で「1日で3割が7割に変わる国民」や「全ての悲劇を生み出したのはこの国の状況」という言葉は胸に突き刺さりました。
Posted by ブクログ
毎度おなじみの「この国」のネジレの指摘。
超絶能力の主人公、哀愁ありつつ熱いおじさん、残した家族、権力争いする官僚、玉砕覚悟の特攻、アメリカの手の中にいる日本、、、著者の日本軍、自衛隊シリーズはこれで打ち止めとなった。
Twelve Y. O.(講談社、1998年/講談社文庫、2001年)
亡国のイージス(講談社、1999年/講談社文庫、2002年)
川の深さは(講談社、2000年/講談社文庫、2003年)
終戦のローレライ(講談社、2002年/講談社文庫、2005年)
6ステイン(講談社、2004年/講談社文庫、2007年)
Op.ローズダスト(文藝春秋、2006年/文春文庫、2009年)