あらすじ
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『トム・ソーヤの冒険』のマーク・トウェインが「匿名」で遺した名著を漫画化
東京大学教授 石原剛が監修、九州大学准教授 妹尾武治が最新科学で解説
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100年前、匿名で出版するしかなかった名著は、生きづらさを抱える現代人に必要な劇薬だった! !
『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』
世界的文豪マーク・トウェインが「匿名」で遺した名著がついに漫画化。
「人間は機械である」だからこそ、自由に生きられる
東京大学教授、日本マーク・トウェイン協会会長の石原剛が監修。
九州大学 准教授 妹尾武治がコラムを執筆「AIと人間は何がちがうのか?」。
「サバイバル・ウェディング」「漫画バビロン大富豪の教え」「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください」の大橋弘祐が企画・脚本。
「嫌われる勇気」「僕は君たちに武器をくばりたい」の吉岡秀典がブックデザイン。
最強のビジネス漫画が誕生!
【目次】
第1章 人間は自己満足の奴隷か?
第2章 家族愛も社会的称賛も自己満足か?
第3章 自己犠牲は誰のための行為か?
第4章 人間は生まれで決まるか?育ちで決まるか?
第5章 人間は思い通りに思考することができるか?
第6章 人間は動物より「上」か?
第7章 「わたし」を動かすのは誰か?
第8章 人間はどう生きるべきか?
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
自分の中で噛み砕くのに時間がかかっている。まだ発展途中の段階だが、感想を記しておきたい。
【要約】
・19世紀、『トム・ソーヤの冒険』で知られる著者が、妻と子どもに先立たれ晩年に、匿名で執筆。当時、彼の主張は受け入れられなかった。
・著者の主張とは『人間は機械である』。人間は、気質と教育、環境による影響の蓄積からなる集合体で、本人の欲求を満たすために自動で動く。そこに自由意志は存在しない。
・近年、著者の主張を裏付ける科学的な証明がされている。
【感想】
自己欲求を満たすために、人は他者を愛し、憎しみ、時には犠牲になる、は納得できる。興味深いのは、人間は意志が脳に命令して行動するのではなく、書籍や会話など何十年と積み重ねてきたものが欲求をつくり、それを満たすために身体が自動で動く、実は意志は介在していない、という主張だ。
だから、他人と比較したり、心無い言動に怒りを感じる必要はないのだと、私の心を軽くしてくれた。
本書の編集が、読者の理解をかなり助けてくれる。
最後に、編集側からの投げかけで『何も希望を抱かずに、努力せずに、流され続ければいいのか?』『答えは否だ。』とある。
私もそう思う。書籍や会話を沢山することを通じて、自分の望ましい方向を知り、そこへ進むための蓄積を自らしていきたい。
Posted by ブクログ
人間は自らの承認を求めて動く単なる機械に過ぎない
人間にはあいも憎しみもない、そんな名称をつけているから本質が見えなくなる、あるのは主衝動だけ、満足したいという機械的な心だけ
結局すべては主衝動だ、あくまでも自分の良心を満たしているに過ぎない
そしてその良心は教育できる、環境しつけ書物などから
人間は不愉快でなければ人の不幸などどうでもいい
愛も憎しみも慈悲も貪欲も善意もみんな自己陶酔、自己満足だけが私たちの原動力であり機械と変わらない
自由意思は幻覚
人間は環境からの刺激を受けて全自動的に体を動かしている
人間は自己満足のために行動しその欲望もまた外部からの影響 自分から生み出しているものなどなにもない 自分の心すらコントロールすることができない
君が自由だと思っているその心も気質と教育から自動で導き出されているだけなにも自由じゃない
金も宝石も悪評も地位も世界的名声も誰かが価値があると思っているから価値があると
誰もが見向きもしなくなったら一門の勝ちもなくなるんだよ
人間は善に向けて鍛練はできるがどんなに高水準になろうとも自己満足だ
それは心の満足が自動作用の動力になるよう設計されているからだ
自らの無力さを自覚したとき人間は他社にも自分にも寛容になれる
まずはいい鍛練を積める場に身をおいてみたらどうだ
五木寛之
人間は大河の一滴
人間が他人の援助を自己満足のために行っていたとしても人に喜ばれることで自らの心が満たされるのであればそれはむしろすばらしいこと
人間は過去からの寄せ集めのガラクタですべては気質と外的環境できまる
その前提に立てば自らを誇ることもなくまた他社を批判することもなくアリのままの自分を認められるのではないか
人間は機械であると主張したマークの本当の狙いはアリのままいきられない人間に対する許しの思想だったのかもしれない
Posted by ブクログ
漫画だけでなく、所々挟まれている妹尾教授の解説もよかった。
人間は意思決定に基づき、選択をしていると思いがちだが、実は身体が先で意識が後付けで動いているらしい。
また、”自由意志”という考え自体が、ある種、作られた概念という話も面白かった。曰く、洋の東西を問わず、宗教は善いことをすれば天国に/悪いことをすれば地獄に行くと教えているが、それは社会秩序を保つ上で都合が良かったから。そして、その教えが成り立つには「人々は自由意志に基づき行動しており、行動の責任は行動した人にある」という前提が必要となる。そうして、ある種自由意志という概念が作られた。ただ、科学によって宗教の教えが弱められたように、自由意志も、その信憑性を科学が切り崩しつつあるという話だった。
確かに、生まれた環境や遺伝によって人々は制約を受けており、ある状態に置かれている人の責任をその人の行動に全て帰することはできないという論調は高まっている。それが昨今の、ダイバーシティの流れにも繋がっている気がした。
Posted by ブクログ
たまたま本屋さんでカッコいい表紙が目に入って購入。幼い頃に読んだ記憶がある「トムソーヤの冒険」や「ハックルベリーフィンの冒険」を書いた方の本(を漫画化したもの)、というところにまんまと惹かれてしまいました。
内容をまとめると、「人間の行動は全て自己満足が由来」「何をもって満足とするか、は環境等の外的要因によって機械的に決まる」ということになるのかな…
率直に、この考え方自体には、あまり新しさを感じません。
私自身は生まれてから今まで、ずっと自己満足を満たすために生きてきた感覚があるし、周りの人間もそうでした。でもこれも、 "環境等の外的要因" になっていたのかもしれないですね。
原作は100年前に出版されてるとのことですし、当時は衝撃だった内容も、今では社会に浸透してきているのかなぁと思いながら読んでいました。
人間が機械なのであれば、各機械が止まらず動き続けられるようにするための仕組みを作ったり、パッチを配布したりするのが社会の役割だったりするのかなぁ。
何にせよ今度ちゃんと原作も読んでみようと思います。