あらすじ
木曜日、午前十時。それは私たちが生きることのできる唯一の時間......。3回の自殺未遂を繰り返したピアニスト樹里は、叔母に連れらていった拘置所で無差別殺人を犯した死刑囚・佑に出会う。母との確執、弟の死......。互いに激しい反発心を抱く二人は、心に大きく深い傷を持つ。やがて二人は......。映画・原作ともに大ヒットを記録した純愛劇を、完璧なまでの美しい世界観で佐原ミズが描き切る----。
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Posted by ブクログ
なんだか切ない。
ようやく、生きるための目的ができたとたん・・・。
子供が苦しむ理由はやっぱり親なんだよね
理由を探せばもとはやっぱりそこ
不幸な生い立ちの影に苦しむ理由は結局はそこなんろう。
彼らが悪いんじゃない
彼らの出会いはやっぱり必然だったんだろうし
洗礼を受けたシーンで、ただ手に触れただけのシーンなのに、こんなにも心が震え、感動してジーンとするなんてと思うほど、逆にこんなことにさえこんなに感動するなんてとビックリするけれど、だけどそんなシーンに血が通う感覚、人間らしさをみて、夢も希望もないまま生きてきた意味さえ見いだせず刑を執行されなくてよかったとさえ思った。
普通の少女マンガのラブストーリーならこれだけじゃ絶対物足りないはずなのに
もうこの作品に関してはもうこれはこれで十分すぎた。
逆にこれが印象深く残った。
そんなささやかな幸せを喜ぶ状況にこの後くる現実に胸がくるしくて、切なくて、やるせなくて・・・。
もうどうすることもできない運命を呪いたくもなるけれど
彼も彼女も一言もそんな恨み言も言わなかったし、恨み言が頭をかすることもなかっただろう。
最後の最後は本当に神々しさを感じた。
号泣必至のこの作品。
一度読んでみることをお勧めします。
Posted by ブクログ
マイガールが有名な人ですが、わたしはスキマスイッチとのコラボのスキマ式がすごく好きになって追っかけるようになった作家さんです。
この作品は、非常に気になっていたのですが、(映画にもなってるし、翻訳は蓮池薫氏だったりするしそれなりに話題でしたよね)もうあらすじ読むと、絶対にあることを超えなくちゃいけない。
そこに絶対にいくに決まっているので、あまりにも重いでしょーってことで読んでなかったんですよ。
マイミクの方が最近映画の感想を書いていて、あーやっぱり読もう。って思って読みました。
読んでよかった。
でもすごくつらい。
佐原さんの透き通るような絵が作品の雰囲気にあってます。
だからこそ、祐が殺人を犯したのか、その暴力的な瞬間というシーンは痛ましい。
自分が大事なものは、誰にでもではない。
そして闇は誰もが抱えていて、それが惹きあって強烈な化学反応のような爆発に転じる場合もある。
悪い場合もあれば、いい場合もある。
そんなことをなんとなくつらつらと寝不足気味の頭で考えつつ読みました。
Posted by ブクログ
とにかく考えさせられるお話でした。涙がずっととまらない。死刑に処せられるということは、それだけ重い罪を犯したわけですし、被害者関係者から言わせれば当然となるところだろうと理解はできるのですが…難しいです。看守の井上さんが、「笑いの無い人生だった彼に俺たちがしてやれる事は死刑台で首に縄をかけるだけなのか?そんなの寂しいじゃないか…」と言って祐に心を砕いてくれていました。祐が生きる支えにしていたものが自分のせいでなくなっていくことの絶望。それでも井上さんのおかげで樹里と出会えて、絶望だけで終わらなくてよかった…のかな。それとも生きたいという願いが出てきたときに死を迎えるのは酷なことだったのかな。ただ家族や友人のいない祐がひとりぼっちで死ななくてよかった。死を悲しんでくれる人がいてくれてよかった。