【感想・ネタバレ】新しいきみへ 3のレビュー

あらすじ

『明日世界が終わるとしたらどうしたい?』 高校教師の佐久間悟は、旅先の小田原で出会った魔性の少女・相生亜希と行動を共にしていた。世間を騒がせる原因不明の市中感染は更に拡大し、日常の崩壊は一気に加速する。謎の敵を追い詰めるべく決死の覚悟で奔走するふたり。教師と生徒の禁断の恋愛劇は、衝撃の事実と共に変貌を遂げる――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ああ、3巻にしてようやく作品概要が判ったような気がする…
それは悪い意味ではなく、第1巻からずっとパニックのまま進行し誰も説明してくれなかった状況を「こういう事じゃないかな?」と言ってくれる人が現れたという意味なのだけど

日本中にウイルスがバラ撒かれ、無辜の人々が次々と死にゆく世界。そこでは誰も抵抗できず、ただ呆然と成り行きを見守るだけ
前巻までは本作の方向性をそのようなものと考えていただけにこの巻で示された「主役と脇役」という考えには震えてしまったね


悟と相生亜希はどうにかウイルスをバラ撒く主犯格に近づけた。おまけに悟はその犯人と顔見知りの模様。
何か手掛かりがある筈。でも本質的に彼らは無力だから犯人を追い詰めても何も出来ない
悟は現場に辿り着けず、相生亜希は犯人を取り押さえられない
だからこそ、悟の教師としての言葉が光るわけだね
強くもないし正義感もない。そんなどこにでも居る罪人が教師となって子供を導く立場となった事で教えられるように成った言葉。それが相生亜希が絶体絶命と成った局面を変えるものになるなんてね

ただ、それでめでたしめでたしに辿り着けるほど生易しい物語でも犯人でもないのが難しい…


それにしても相生亜希の正体は色々と驚きだったというか予想通りだったというか…
以前からタイムリープを予感させる言動を披露していた彼女、あの破滅しか無い世界を何十回も繰り返してきたのか
そういった意味で彼女は間違いなく「主役」
けれど前述したように彼女は無力。何度も繰り返しの時を過ごした事で多少の知識と記憶を身に付けただけの少女に過ぎない

それだけに前の繰り返しの悟が指示したという計画の成否が気になるね
無力な少女を無数の繰り返しにより強化していく「新しいきみへ」プロジェクト
それは物語の「主役」を「脇役」が盛りたてて行くかのような構図

全てを失敗し全てを失って、また再び始める事になった相生亜希
今回のループ開始時では「急に歳をとったような」と形容されていた少女が、新しいループでは全てを飲み干すかのようにパンも牛乳も接種した。
その姿にはこのループが半端な形では終わらないと期待させてしまうね

0
2022年12月08日

「青年マンガ」ランキング