【感想・ネタバレ】invert II 覗き窓の死角のレビュー

あらすじ

シリーズ累計80万部突破!

ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、
発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。
犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!

嵐の山荘に潜む若き犯罪者。友人をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。
犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、霊感によって視えないものを視るという美しい娘、城塚翡翠。
だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とは。

反転、再び。
あなたは、探偵の推理を推理することができますか?

invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は千和崎真が前面に出る場面が多いような。
「生者の言伝」はコミカルで最後のどんでん返しも意外でストレートに楽しかった。
「覗き窓の死角」はかなりの力作。ただ、本作は翡翠が盲点を突いたというより、犯人の失点を偶然見つけた感じなのが残念。
帯の文言から、このシリーズが終わるのかとも思ったが、新たな登場人物が現れたり、翡翠の背景が僅かながら現れたりして、その心配はなさそう。次回作が楽しみ。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個々の作品のレビュー
● 生者の言伝
 夏木蒼汰は、自らの「計画」を実行するため、唯一の友人・悠斗の別荘に不法侵入する。嵐の中で目を覚ますと、目の前には悠斗の母親の死体と血に濡れた包丁。「自分が刺したのだ」と思い込み動揺する中、立ち往生した城塚翡翠と千和崎真が訪れる。
 蒼汰はこの家の子であると偽るが、翡翠は早い段階で違和感を抱き、「おかしすぎる点はたくさんあります」と見抜いていく。
 なぜ翡翠は蒼汰がこの家の人間ではないと気付いたのか。蒼汰の嘘の癖とは何か。そして翡翠はどのようにして「見えない被害者」の存在に辿り着いたのか。翡翠が真相を解き明かす。
【この作品の核となる部分】
・倒叙形式に見せかけて、視点人物が犯人ではない構造
・真犯人は蒼汰ではなく、被害者の夫
・「犯人視点」という先入観を利用したミスディレクション
【ポイント】
・靴がないのに靴下を履いている違和感
・父の自撮りの家族写真に写っていない不自然さ
・スマホがWiFiに接続されていない点
・ボストンバッグ=バーベキューではなく練炭自殺キット(ガムテープ欠落)
・怪談中の足音=犯人の行動の示唆
・蒼汰は嘘をつくとき「えっと」と言う
【評価・感想】
 視点=犯人という前提を裏切る構造が非常に秀逸。倒叙に見せかけた一点突破の仕掛けは強い。
 一方で、真犯人の存在を示唆する伏線(濡れたハンドバッグや足音)や、蒼汰の正体を見抜く仕掛けは小技の積み重ねでやや弱く感じる。靴下・写真・WiFi・ガムテープといった要素も納得はできるが、決定打としてはやや薄い。
 それでも、「倒叙を裏切る構造」という一点で印象に残る作品。★4。
● 覗き窓の死角
フォトグラファーである江刺詢子は、妹をいじめ自殺に追い込んだいじめグループの一員であるモデルの藤島花音への復讐のため、写真撮影のためと称して、別荘を訪れる。詢子は、ストーカー犯による犯行に見せかけて花音を襲い、城塚翡翠をアリバイ証人として利用して、完全犯罪を計画する。
詢子は、ある目的で行きつけとなっていた喫茶店で、翡翠出会い、本格ミステリ好きという共通の趣味をきっかけとして、友人関係を築き、撮影を装ってアリバイを作る。
翡翠は「詢子さん、もしかして、人を殺した経験でもおありでした?」という冗談を言った最の詢子の言動から違和感を覚え、かすかな疑念を抱く。
捜査が進む中、遺体の不自然な死斑や行動の矛盾から、翡翠は、ストーカーの犯行ではなく、詢子が犯人ではないかと疑い、直接、1対1で対話したときの花音のコートのポケットに鍵が入っていたことに対する詢子の反応等から、犯行の構造を見抜いていく。
詢子は妹をいじめていたグループのメンバー全員を殺害することを目標とし、次の犯行を計画する。次のターゲットは、行きつけの喫茶店でバイトをしている森本朱美。翡翠は、森本もいじめグループのメンバーだと知っているとさりげなく伝えることで、犯行計画を遅らせる。
しかし、詢子のアリバイは崩せず、犯行の証拠もない。翡翠は、そもそも、殺人は早朝に行われていたという点にこだわりすぎていた。この点に気付き、犯行の着手は早朝だったが、実際の殺人は、昼間、翡翠の撮影の最中に行われていたことに気付き、アリバイを崩す。そして、翡翠自身のイヤリングが犯行現場に残っていたという偶然が物的証拠となり、詢子の犯行を暴く。
【この作品の核となる部分】
・犯人視点で進む典型的な倒叙ミステリ
・犯人が探偵をアリバイ証人に利用する構図
・犯行現場の誤認(場所・時間)のトリック
【ポイント】
・チケットの半券をポケットから出した=一度外に出ている。
・死亡推定時刻と早朝犯行のズレ
・死斑の原因=死体の下にあった物体X(イヤリング)
・イヤリングが翡翠のものである点が決定的証拠
・ストーカーの手紙が2階にある違和感
・ソファ下の綿埃=探索行動の痕跡
・キャンピングカーを利用した死体移動と犯行
【評価・感想】
構造としては典型的な倒叙ミステリだが、犯人である江刺詢子と探偵である城塚翡翠が友人関係を築く場面が丁寧に描かれていて、犯行を暴くという展開に物語性を感じる。
翡翠をアリバイ証人に仕立てつつ、丁寧に描かれている翡翠を撮影する場面で、詢子が花音を殺害していたという展開は、想像するとインパクトがある。翡翠は、詢子の反応から、「朝の段階で殺人をしていた。」と確信している点が、アリバイを強固なものにする。ここは、既にいじめグループの中に行方不明のものがいるという、「花音殺害は未了だが、別の殺人を既にしていた。」という伏線があったのも見事
決定的証拠が、「翡翠のイヤリングが犯行現場にある。」という偶然によって残る点は、倒叙モノにはままあることだが、少し弱く感じる。
とはいっても、犯人としての詢子の心理描写や計画、翡翠との関係性等、キャラクターも魅力的で物語としては読み応えがあり、倒叙モノとして標準以上のデキであることは間違いない。★4。
● 全体の感想
 城塚翡翠シリーズ第3弾。倒叙モノとしては2作目。生者の言伝は、倒叙モノと見せかけて真犯人が別にいるという構造が見事。とはいえ、犯人と探偵の知恵比べという倒叙モノとしての面白さは一歩足りない。第1印象は高いけど、後で評価が下がるタイプの作品
 覗き窓の死角は、短編というより中編~長編に近いボリューム。こちらはオーソドックスな倒叙モノだが、犯人がなかなか手強く、読み応えがある。こういう手強い相手だと、どうしても「決定的な証拠」が、偶然に頼ったものになるのが難点だが、倒叙モノの宿命かなとも思う。
 トータルとしてのデキは標準以上。翡翠に弟がいたことが分かり、としての1作目であるInvertでも感じたが、倒叙モノとしては非常に安定している。諏訪間駕善という警察官僚との関係もあり、城塚翡翠の物語としては、まだ続きそう。倒叙ものとして、invertⅢがでるのか、また、mediumみたいな作品が出るのか。愉しみではある。
 この作品は、倒叙モノのミステリとして、読み応えもあり、生者の言伝みたいな、倒叙モノと見せかけて真犯人は別にいた、という仕掛けは好みでもある。覗き窓の死角もオーソドックスな倒叙モノとしての完成度は高い。トータルで★4はいくかな。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

城塚翡翠シリーズ3作目は中編と長編の2編。
タイトルの長編は、1巻のネタバレを含むとの事でした。

1編目は、The翡翠の展開。終盤の展開はお見事。

長編の方は、翡翠らしくない展開から始まり、翡翠の感情が見え隠れする事で興味深く読み進め、中盤から翡翠っぽさが出てから面白さが加速し、一気読み。

叙ミステリーの為、驚きは少ないものの引き込まれました。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ第三作。あとがきにあった倒叙ミステリにおける決まりごと、確かに普通のミステリとは違って制限けっこうありそうだなぁなどと。しかも本作は確かに全部情報は出ていた、出ていたけども!という、またひと展開明らかにされるところも見どころ。覗き窓の死角の話なんかは、なぜそう思い込まされたかの部分が個人的に納得性が高くて、読んでいてスッキリした気分。
まだまだ続きそうなので次回も楽しみ。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今作ではそこまで大きな衝撃展開はなかったが、倒叙ミステリとしての完成度は素晴らしい。古畑任三郎が大好きなので、所々に古畑を感じられる箇所があり楽しめた。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの城塚翡翠シリーズ!楽しみにしてたのでさっそく読破。二つの中編でしたね。
翡翠自身のエピソードがすこーし解明されてきたけども、まだまだ全然謎に包まれたままなので、まだまだ続きそうでそれはそれで嬉しい。

・生者の言伝
余りにも犯人役がワタワタし過ぎて、見てるこっちがハラハラ。怪しさ満点だったので、どう気づくかでしたね。というか、まさかの読者まで騙す犯人異なる展開にプチ混乱。ミステリとしては少し無理があるけど、物語としてはいい終わり方かな。にしても、最後に読者向けに少し謎を残すやつやめて欲しいー。モヤモヤ残る。。。
蒼汰くんの計画は自殺でいいのよね。
嘘をつく時の癖は、文字でわかるやつだよね?
暗証番号(誕生日)分かったのはなんでだっけ??

・覗き窓の死角
こっちはオーソドックスな復讐もの。終わり方はもう一作と違って何ともな終わり方。うーん、捕まって欲しくないと思っちゃうよねー。
ミステリとしては、こっちが方が断然秀逸。本当にどうやって死亡推定時刻をずらしたという方に考えが行ってしまってた。まさかの、本当に後から殺してたとは。。。これは完全にやられた。
半券のくだりとか読者が気づくヒントがあったのは悔しいなぁ。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1本目、2本目とも倒叙ミステリーとしては申し分ない内容でした。
ただ、2本目に関して、若干犯人の暴走が過ぎる気がして、ちょっと引いてしまいました。
自身の怨みを晴らすための計画に狂いが出そうになって、まるで無関係の人にそこまで非情になれるものかなー、と。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3作目にしていろんな情報出てきたな…というのが1番の感想。

1話目は面白かった!いや、倒叙でここまでターゲットに同情してホッとした結末はなかなかないように思う。翡翠さんも満足な展開だったのではないかと思う。少年、逞しく生きて欲しい。
2作目は今ある翡翠さんの本質や懊悩が明かされてて読んでても胸が苦しくなった。
せっかく友達ができたのに、正義のために変わらず嫌われにいくのは辛いよね。
ただ、この作品は偶然が多過ぎて正直拍子抜けさした感が否めない。イヤリングの件よりも真が急にそんな設定だった???と後出しジャンケンのようで肩透かしをくらった感じ。ちょっと残念。

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2026年03月28日

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